第7話 八王子小宮公園2

文字数 1,037文字

 八王子郵便局から通りを渡り、坂を上ると、小宮公園の入り口があるのだが、今日は、 公園の外側にある雑木林を通っていった。

 木肌に縦に裂け目が浅く入ったかなり白色の木がこの雑木林にあった。ああ、この木だ、と 名前を知りたくてたまらなくなった。
 というのも、この木が自分の家 の庭に生えてきたからである。それは去年のことで、成長を見守るうちに、もう2mにもなっている。図鑑で調べたが、幹の白さが一致する木はなく、ずっと、「ケヤキに似ている木」であった。

 それで、Kさんに名を聞いた。「これはムクノキですね。」

 また、K夫人から「葉は紙やすりみたいにざらざらしているでしょう」と言われ、家の木の葉を手に持ったときの感触を思い出した。そう言えば、ケヤキとはまったく違い、か なり厚くて、確かに紙やすりでこすった時のようで、何度もなるほど、なるほど、とうなずいた。適切な表現だ。家の雑木林は北側の崖の上に立っていて、北風を防いでいてくれるのだが、この雑木林で一番数が多いのがこのムクノキであり、そうとわかって調べる と、防風林として植えられたと書いてある。ムクノキは北風に強いのだろうか。昔の酷いの知恵を感じさせてくれる。

 同じ場所でガマズミの赤い実を見る。まだ沢山残っているので、鳥が食べない理由を考 えてみる。家の前の雑木林にヘクソカズラの実が沢山成っているが、いつになっても鳥が 食べなかったので、注意していた。そしたら、先日、ヒヨドリがパクパクと食べているで はないか。そこでさっそく私も毒はないと安心して口に入れた。が、とても渋くて、食せるものではなかった。ガマズミの実は果実酒にしてもいまいちうまくないそうである。だから、鳥も他の食べ物があるうちは手 (ではなく嘴) をつけない、と言う所か。

 実が残っていても、毒があるので全く食べない可能性と、熟れるまで食べない場合と2通りあり、後者の場合は、熟れてきたらその種類の実がいっぺんになくなってしまう。試食のタイミングは誠に難しい。

 また、ここでは、キヅタが、クヌギだかコナラだかにからまって青々と葉を茂らせていて、 双眼鏡で葉を見ると、若い枝先の葉は3~5裂に浅く裂けている。


 ミズナラの葉に似た木があったので、聞くと、ミズナラでなく、コナラということであ った。
 見分け方の極意は、ミズナラであれば、葉柄がないからということであった。(関東地方には自然植生では存在しないのだが、人が植えたものが育っている場合がある)
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