電波管理局

文字数 392文字

『電波をほどくだけのカンタンなお仕事!』
でかでかと書かれたキャッチコピーの横に『未経験者歓迎』の文字、加えて高時給だったので金に困っていた俺は早速バイトを申し込んだ。

電波管理局N支部に到着して早々、整備課の職員から説明があった。
「5Gの普及で回線の不具合が多発しています。皆様にはその復旧作業をしていただきます。」
無機質なドアを抜けるとそこには近未来的空間が広がっていて、端の見えないほど長いパイプが大量に横たわっていた。
無数の作業員が黙々とパイプを引っ張ったり、ほどいたりして作業している。
「この人たちのお陰で、電波障害が直っていたのか」
すると、ある職員が言った。
「この作業をあなた達人間がするのも今のうちですよ。電波と人間の電子化研究が極秘で進んでいてね、つまりはそれまでの我慢なのです。」

そう言い終わる職員の顔からバチッと火花が上がると、別の職員たちに奥の部屋へ運ばれていった。
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