樹海管理局

文字数 407文字

ホラー映画などで度々舞台となる『樹海』。
皆さんは「単に放置された怪しげな森」だと勘違いされているが、
我々『樹海管理局』が運営する立派な公園なのである。

樹海を使用する場合には先ず当局に連絡をいただき、
法に則った手続きのもと前金をいただいて指定の場所を使ってもらう、という段取りになっている。
たまに世間知らずの放浪者が公園内をうろついているが、
使用料が払えない場合はきっちり追い返しているのだ。
遺棄などで使いたいという組織がらみの仕事は…公には話せないが。

ここまで聞くと「稼いだ金はどうするのか」という疑問を持たれることだろう。
ずばり公園の維持費に充てている。
樹海も放っておいてはタダの山になってしまう。
そこで当局職員が定期的に木を植え、魚や動物を放し、専門スタッフを派遣して、
皆さんのイメージする怪しい感じに公園を荒らしてもらっているのだ。
残った資金は職員と日雇い幽霊の給与として支払っている。
ホワイト企業ですから。
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