目薬が切れた

文字数 460文字

それからのばらはウィウィを探すために目薬を差してはあちこちのバラを探し回り、自転車に乗って遠出することもあった。
その過程でステンとアミーにも会ったが、誘われてももう一緒に遊ぶことはなかった。
ウィウィにはなかなか出会えず、そうこうしているうちにバラの季節は終わり、目薬も底をついた。のばらは妖精を見ることができなくなり、ウィウィに再会することはとうとう叶わなくなったのだ。
初めて会ったあの時にもっとよく話を聞いてあげればよかった、もう一度会いたかった、もしかしたら友達になれたかもしれないのに、とのばらに後悔が残らなかったと言えば嘘になる。
だが、過ぎてしまったことはどうしようもなく、のばらはその事実を受け入れるしかなかった。
たしかにウィウィのことでのばらは失敗したかもしれない。しかしのばらよ、そう落ち込むことはない。君がこれから歩む道は先が長く、遥か遠くまで続いている。失敗したっていい、こうしておけばよかったと思うことは、次に起こった時に心がければいいのだから。きっとその時には、前よりもっとうまくやれるはずだから。
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