【本の感想②】羊と鋼の森 宮下奈都

文字数 543文字

静かで澄み切った文章。
捉えどころのない主人公と熱い思い。
和音ちゃんの「ピアノを食べて生きていくんだよ」ってセリフにグッときました。

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2016年に第13回本屋大賞受賞、2018年に映画化され沢山の人に愛されているこの作品。
今更ながらですが読了し、
「ああ、また素敵な読書体験ができたな~」とにんまりしている私です☺

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本文の中に、詩人・小説家である原民喜さんの文が引用されています。
「明るく静かに澄んで懐しい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛へている文体、夢のやうに美しいが現実のやうにたしかな文体
……私はこんな文体に憧れている」             『沙漠の花』より

宮下奈都さんの作品から醸し出される雰囲気って、これ近いよな~って思いました。
原民喜さんは寡黙ですが内部に強烈な意思を秘めた作家さんだったそうで、
これは何だか主人公の外村くんに通じるものがあるのでは?
周りの人達は主人公に優しかったり厳しかったり、でもそれぞれ思いを秘めていて。

繊細で、丁寧で、美しい文章。読み終えた後も余韻が残ります。
そしてその余韻のまま周りを見渡すと、なんだか違う景色が見えたりする。
小説の醍醐味って、ここに尽きますよね☺

読んでくださりありがとうございました。
ではまた。
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