第21話 最終話 焼きもち

文字数 449文字

 正月を迎えた山口邸。少し寒いが陽だまりの縁側。今日はお屠蘇気分でお猪口でポンシュだ。ニャンは傍らに寝そべっている。
 台所から焼きもちの香りがしてくる。と云うことは、
 そう、婆ちゃんは生きていた。少し若くなったような気がするしぃ。禍津日神は厄災で死にはしないとのこと。
「雑煮が出来たぞー」
 居間のちゃぶ台で仲良く食べる。ニャンには小さく切った餅を口元に差し出されるものの嫌々する。〇ュールをくれとせがむ。
 床の間には、北斎の「華図・菊」が掛けられている。ふしぎなものでかぐわしい菊の香が漂って来る。
 明治初期の柱時計は、ボーンボーンと律義に十二回鳴る。

「あれ、煩いから軸と一緒に浅野屋に売ってもいいかなぁ」
 相変わらずのデブス姫であった。

  ※どこかのニャンです。デブス姫と貧乏神とニャンが活躍する次作をお楽しみに。
   次回はもっとわらわが露出しますよ。
                                 お仕舞
   (この物語はフィクションです。登場人物、団体にモデルはいません)
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