作中で出せる【効果】について

文字数 1,573文字

では、効果について。
下手だな、選択を間違ってしまっただろうか?
これ欠点かな?
なんて思いながら書いていることもあると思います。

物語と言うのは”テーマ”があり、その作品を通し、どんなことを伝えたいのか?
どんなことを思って欲しいのか?
どんな気持ちになって欲しいのか?
という”メッセージ”が明確であればいいんです。

上手い下手は二の次。

そんなものは、自分の作品を何度も読み返し、ここ変だなーと修正しているうちに、いくらでも上手くなるんです。要は、一見欠点に見えることでも作風に合っていれば、効果になることがある。それが狙った効果に合っていたかについては、レビューを通して確認すればいい。

わかり辛さは、ホラー感。
会話が多いものは、テンポやスピード感。
モノローグの多いものは、感情移入のさせやすさ。
句読点を抜くというのは、詩的な効果を産む。
など、色んな効果があります。

なるべく作品についてレビューを書くときに、その作品にしかない効果にはふれる様にはしています。書いていない部分で、他にどんな効果をもたらしているのか、知りたい時は是非お尋ねください。作品の良さは伝えきれていない感が強いので、読んだことのある作品のみですが、いくらでお答えできます。

───まずは”詩的効果”から。
詩とは、リズムや言葉の並び、文字数揃えなど、音や見た目などに重点を置くもの。

句読点をつける、つけないで変わって来ること。
句読点をつけるのは、こういう意味で読んで欲しいと、作者が任意で受け取り方を指定するものである。

それに対し、句読点をつけないのは、どこで切ってもいいですよ、受け取り方は自由ですよ、と読者に委ねるものである。その為、詩的効果を使うと、読者はより”物語を自分のイメージに近いもの”で解釈する。

読み解き方が違えば、受け取り方も違うというわけである。
よって、悲しいイメージ、明るいイメージと読み手によって、ばらつきが起こる。イメージが読者に委ねられるという事は、ある意味イメージ通りという事にもなるので、悪いことではない。単に、感想が書き辛いというだけである。(人によって変わるので)



───一人称で効果絶大の、情報の制限。その効果。

物語は、全てを明らかにする必要はない。主人公と読者をシンクロさせるのがとても秀逸な作品がある。この作品で凄いなと思ったのは、主人公の知り得た情報でしか、読み手が想像できないと言う事。

ある事件を巡っているわけだが、はっきりとこういう事件内容であると、明かされてはいない。その為、事件の全容を掴むため、もっと情報が欲しいという気持ちが高まり、読む手が止まらなくなるのだ。


───違和感が産む、伏線の意味。その効果。

わたしが読了済の作品に、伏線と違和感を組み合わせたスタイルと、伏線と読者の目を欺くスタイルのものがある。どちらも秀逸な作品である。伏線を何と組み合わせるかで、物語の雰囲気が変わってくるが、意味に気づいた時、初めから読み返したくなる作品は名作と言える。


───必然性で組み立てられた作品。その効果。

物語とは、何故を解消することで、必然性が産まれる。
例えば、何故彼はバナナを盗んだのか?
どうやって盗んだのか?
何故バナナだったのか?
その理由や方法にリアリティがないと、なんだか分からないだけの物語になってしまう。

人の行動には、動機、方法、突発的か、計画的かなど段階がある。何処かがオカシイと、そもそも何故そのシーンがあるのかさえ謎となってしまう。論理的に組み立てている作品は、一つ一つのシーンが必然性で繋がっている為、読者にとってナチュラルで作者の望んだ通りに、感情を動かすことが出来る。


とまあ、まだいろいろあるが。
無数に効果を産むことが出来る。要は、自分の作風や、内容に合っていると絶大な効果を発揮することが出来るという事だ。
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