第5談 カメラと写真とビデオと映画の話・その1 — カメラ

文字数 5,039文字

こんばんはに近いこんにちは。

表題の「カメラ」と「写真」と「ビデオ」と「映画」はどれも私の趣味(一部仕事絡み)ですが、「趣味はなんですか?」と問われた時に、どれを選択して回答するかでイメージは随分変わるはずです。

「趣味はカメラ」と答えると、おそらく一眼レフやそれに準じるカメラやレンズを複数持っている、所謂カメラマニアをイメージするのでは?
クリエィティブなイメージよりも一種のガジェットオタクのような存在?
結構高齢者に多い気がします。

ここから先はかなりマニアックな話になりますので、ご興味のない方は読み飛ばしていただいても?
いやせっかくだからゆっくりしていってください。(笑)
最後に用語の解説も致しますので。

私が愛用するカメラはミラーレス一眼のマイクロフォーサーズシステム(以下MFTと省略※1)です。
「なんだフルサイズ(※2)じゃないのか」とガッカリした方もいるかもしれませんね。その理由は後で説明します。
現在所有しているのはボディが2台でレンズが4本。いつの間にか4本全部ズームレンズになってしまいましたが、近々固定焦点のマクロ(※3)レンズを1本追加すると思います。
メーカーはレンズ1本を除きパナソニック。以前はオリンパスばかりでしたが、2年前にカメラ本体を入れ替えました。


左から
LUMIX GH5 + LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0
LUMIX G VARIO 7-14mm F4.0 (超広角ZOOM)
LUMIX GX VARIO PZ 45-175mm F4.0-F5.6 (望遠ZOOM))
LUMIX DMC-GX8 + M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3

因みにLUMIXはパナソニックのデジタルカメラ・ブランド。ZUIKOはオリンパスのレンズ専用ブランド。LEICAはドイツの老舗ブランドですが、このレンズはパナソニックがライセンス生産しているパナソニック製ライカなので、通称「パナライカ」などと呼ばれています。
右側のGX8に装着したレンズのみオリンパスです。長さはありますが、鏡胴の長さが全く変わらずに軽量。口径が小さいのでF値も解像力もLEICAに劣りますが、その分軽くて電動ズームやマクロ機能まで付いているので便利で手放せません。色もシルバーでGX8に似合いますし。普段はこの組み合わせに望遠か広角のズームを1本持って出かけることが多いですが、それでも総重量は1キロ前後。フィルターやら予備バッテリーを加えると多少重くなりますが。
因みに望遠ズームはフルサイズ換算で最長350mmとかなりの焦点距離ですが、とてもコンパクト。重さはフィルターとフードを着けてもたったの250グラムなのに、これも電動ズームだから驚きます。因みにこのレンズも鏡胴の長さが変わりません。
また、フルサイズ換算で14mmからの超広角ズームもF4通しで300グラム以下と超軽量です。
因みに、ボディ1台に交換レンズ3本を持っても、レンズを着けたフルサイズのカメラ一台分の重さ。
それこそが私がこのMFTのシステムに拘る理由です。

自分は股関節に障害があって、重い機材の運搬は負担が大きいので、コンパクトで軽いことが先ず第一の条件。従ってフルサイズのカメラは対象外になり、大半のメーカー——キャノン、ニコン、ソニー、フジなど——がミラーレス一眼に採用するAPS-C(※4)より更に小さいMFTが有利なのです。
MFTはレンズの焦点距離が35mmフルサイズの丁度半分になるので計算がし易く、価格も幾分安く済みます。更にもし同じ大きさや重さのレンズなら明るく作れるというメリットもあります。MFTにはBlackmagicというメーカーのプロ用動画専用機もありますが、基本的にこのシステムを展開しているカメラメーカーはオリンパスとパナソニックの二社。詳しいことはオフィシャルサイト(https://www.four-thirds.org/jp/)を見てください。
不利なことは撮像素子が小さいのでフルサイズほどのボケ味が得られないことと、夜間など暗所で光量が足りない時はノイズが乗り易いことでしょうか?
それでもスマホのカメラに比べたら遥かにノイズの少ない綺麗な画像や映像が得られるので、プロの写真家でもない限り気にする必要はありません。

実は私はデジカメの初期の頃から、もっと遡るとフィルムカメラのOM-1の時代からずっとオリンパスのユーザーでした。更にその前は、ペンタックス、キャノン、ニコン、コンタックスの時代もありましたが。
その後、MFTでパナソニックとオリンパスが足並みを揃えた頃からは、レンズ専用メーカーを除くこの二つのメーカーのカメラやレンズを交互に、或いは同時に使っています。

オリンパスには名前の最後に"PRO"と付く素晴らしいレンズが何本かあり、とても品の良い「写真」が撮れます。そのうえ、カメラには超強力な手振れ補正機能があり、夜中に望遠レンズを使って手持ちで撮影したり、ブレのない動画を手持ちで撮影出来るため、オリンパスの『画』に魅せられ、5年前にパナソニックを手放して全てオリンパスで揃えました。

ではなぜその後パナソニックに入れ替えたかというと、メインが「写真」から「動画」になったからです。偶にコンサートやライブの収録をすることがありますが、それには長時間の動画撮影が必須。
デジタル一眼はどれも高画質の動画撮影が当たり前ですが、実は4Kなどの高画質動画を30分以上連続して撮影出来る機種はごく限られます。勿論ビデオカメラなら時間制限はありませんが、綺麗な静止画が撮れるビデオカメラはないんですよね。
この30分制限にはいろいろ理由がありますが、説明すると長くなるので割愛します。結論から言いますと、長時間の動画撮影が出来るカメラは(その後他メーカーも少しずつ出してきましたが)パナソニックのLUMIX一択と言っても過言ではありません。
LUMIXの全てが長時間撮影に対応しているわけではありませんが、GHやGXと付くカメラのうち特にGHシリーズはGH4以降、Cinema4K(以下C4Kと表記※5)の撮影が可能になりました。そのためGH4やGH5を動画撮影に使用するプロ・カメラマンは海外に多く、オリンピックの時など(カメラを持った撮影スタッフの姿が)あちこちで映っていました。
最新のGH6は動画撮影用のプロ機として更に大きく進化しているので、今後映画やMVの世界でも登場の機会が増えていくでしょう。特にオーディオレコーダーとの同期に必要なタイムコード(※6)を外に書き出せる機能は、音楽をマルチカメラで撮影する私は喉から手が出るほど欲しいのですが、リリースされたばかりの今は中古でも20万円近いのでとても手が出せません。

一方のオリンパスですが、パナソニックのようにレンズに手振れ防止機能を持たせず、ボディだけで実現させているその手振れ防止が秀逸です。手持ちで夜の撮影となるとMFTにはとても不利な条件ですが、4年前に母を見舞った病院の屋上でリュックからサッと出して撮影した花火の動画があります。



オートフォーカスで撮ってしまったのでピントに迷いがありますが、一部を切り出してHDに縮小してYouTubeにアップロードしてありますのでご覧下さい。
(ダイレクトにリンクしないので、ブラウザーで以下のURLをコピペする必要がありますが)
https://youtu.be/6n6uM0pARBM

レンズは現在も使用しているパナソニック製のLEICA。カメラはオリンパスの当時のフラッグシップ機OM-D E-M1 MarkⅡ。オリンパスのOM-Dであれば上位機種でなくても、ミドルレンジのE-M5 MarkⅢや入門機のE-M10 MarkⅢ以降(但しC4KではなくUHD※7)でも同じように4K動画が撮影出来るはずです。

これだけのカメラやレンズを買い揃えるには随分お金がかかるだろうと思われるかも知れませんが、幸いMFTは(一部のフラッグシップモデルを除いて)それほど高価ではありません。今所有している内で新品で買ったのは11年前に購入したオリンパスのレンズだけで、あとは全て中古です。ミラーレス一眼のボディは次のモデルが発売される頃には半値くらいになりますが、そうでなければ発売当時20万円前後のプライスを付けていたE-M1 MarkⅡやGH5などとても買えません。ボディは中古カメラを扱うマップカメラやフジヤカメラ、カメラのキタムラなどで保証を付けて購入し、レンズはショップだけでなくメルカリも利用します。

と言うわけで延々と私のカメラシステムをお伝えしたわけですが、私にとって2台のカメラはマルチトラックレコーダーと組み合わせて音楽の収録をするための道具でもあります。

さて、今はスマホでもかなりの写真や動画が撮れますから、わざわざデジカメを使う必要はないとお考えの方も多いでしょう。それでも、カメラで撮った画や動画はひと味違いますし、中古のMFTなら高級機でもスマホの最新機種より安く手に入ります。



これは、E-M1 MarkⅡに当時所有していたシグマというレンズ専用メーカーの30mmF1.4の単焦点レンズを付けて仕事先の庭で撮った写真です。標準レンズよりほんの少し望遠気味で、9枚羽根の円形絞り(※8)なのでボケ味も綺麗に出ます。開放値F2.8ながら同じ9枚羽根を持つLEICAのズームレンズで遜色ない画像が得られたために手放してしまいましたが。
デジタル一眼は、レンズの特徴を活かせばスマホでは撮れない魅力のある画が撮れます。
次に購入したいレンズはオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED60mm F2.8 Macroですが、それでどんな写真を撮りたいのか?
この先の話は「写真」の話題になりますので、次回にいたします。

いやぁ、長くなりました。


老人は死なず、いずれMFTが重く感じるようになった時は潔くカメラを手放すかな……
(2023.5.15)

【解説】
※1 マイクロフォーサーズ=MFTは4/3インチサイズのセンサー(撮像素子)を持つミラーレス専用のシステム。以前オリンパスがデジタル一眼レフ用に開発したフォーサーズマウントをベースにミラーレスカメラ用に開発された。

※2 フルサイズとはライカサイズとも呼ばれる35mm写真フィルムの撮影面と同じ大きさのセンサーサイズ。HDや4Kなどの画素数ではなく実際のセンサーの大きさで、大きい方が多くの光を集められるが、その分カメラやレンズは大きく重くなる。因みに、最も大きなセンサーで超高画質を謳うiPhone14Proはメインカメラで1/1.3とコンデジ並みのサイズを誇るが、望遠カメラは1/3.6インチ。スタンダードなiPhone14は1/3.4インチで、高画質を謳うスマホでもだいたい1/2.3インチくらい。
一目瞭然となるように比較図を作りました。


※3 Macro=マクロは、接写用レンズや接写機能のこと。小さな物を大きく撮ることが出来るので、草花や昆虫、宝石などの撮影に必須。

※4 APS-C。コンパクトなデジタルミラーレス一眼用のセンサーササイズ。(図をご覧下さい)

※5 Cinema4K=DCI4Kは、映画上映のデジタルシステムから生まれた4,096x2160ピクセルのサイズを持つ本物の4K。海外では4Kと言えばこれを指し、日本で4K放送に使われる3,840x2160ピクセルはUHDと呼ばれる。

※6 映像と音声の同期を取ったり、映像を編集する際の基準として収録する同期用の信号。24時間制で時:分:秒:フレーム(サブフレーム)単位まで記録される。フレームレートには映画用の24fps、ヨーロッパの放送で使われる25fps、日本やアメリカの放送用の29.97fpsなどがあり、割り切れない29.97fpsには実時間と整合させるためのドロップフレーム(DF)などがある。

※7 UHD。先に説明した通り日本で4Kと言えばこれ。某放送局がUHDのテレビ放送を4Kと呼んだせいですが。(苦笑)

※8 レンズの絞りで、高級なレンズほど羽の数が多く円形に近い。007シリーズの映画が好きな人は思い出してください。オープニングでボンドのシルエットを覗いているあれです。
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