第7話

文字数 1,338文字

オリンピックが始まった。ほとんど見ているという方もいれば、ハイライトだけ見れば十分という方もいるだろう。私はというと、家で雄たけびをあげている。雄じゃないのに雄たけびをあげているのだ。今までで私を発狂させた試合は数知れないが、今回のオリンピックでは卓球の混合ダブルスの準々決勝が私の中では激アツだった。少年漫画で主人公が敵キャラと協力するぐらい激アツだった。

最初の1ゲーム目先取は予想通りだったが、まさかあの後ドイツ選手があれほど奮闘するとは思っていなかった。初戦で余裕が見られただけに、何度「美誠ちゃーん!」と叫んだことか...。いつもより調子が悪かったようで、ミスやボールを避ける傾向があったようにお見受けした。しかし、そこを水谷選手の素晴らしいフォロー!
なんとか相手に追いつき、試合はデュースにもつれ込む。デュースとは得点が10-10になることで、こうなったら2点差がつくまで試合を続ける。(本来は11点先取。)そこでも一進一退の試合が繰り広げられ、先制点を取られては追いつく、ということが続いた。人生の中で、あそこまで他人のことで緊張したのは初めてだったろう。最終的には美誠ちゃんのサーブで相手のミスを誘い、準決勝進出につながった。ちなみに準決勝は割と余裕で勝っていた。(4-1)...この時だけは本当に調子が悪かったようだ。

まさか準々決勝でこんなに白熱することになるとは思わなかった。相手は世界ランク7位、そして水谷&伊藤選手は2位だということだが、順位が本番で勝敗を判断する指針になるとは限らないのだとつくづく実感する。本番のコンディションや流れ、もちろん運だってあるはずだ。
特にテニスではそれを実感する。試合が長いだけに1ゲーム目ではボロボロだった選手が追い上げて勝利したり、その逆ももちろんある。大阪なおみ選手がすごすぎて日本人は麻痺しつつあるが、全米オープン優勝・全豪オープン優勝・グランドスラム4勝なんて並みの人間、いや並の選手にだってできることではない。当たり前のように獲ってくるから簡単なように見えてしまうが。

前までは私もハイライトだけ見る側の人間だった。しかし、今回は東京で行われているのだ。それも素晴らしい健闘が続いている。男子サッカーがメキシコを倒し、阿部兄妹が歴史を塗り替えた。ハイライトでは見れない苦難もLIVEで見ることで画面越しからでも伝わってくる。そして勝敗が分かっていながらハイライトを見るより面白いに決まっているだろう。何より選手と一緒に戦っているような一体感と緊張感や臨場感、勝利の喜びだって共有できる。

今からでも遅くない!オリンピックはLIVEで見よう!
と後半はオリンピックの回し者とばかりに宣伝していたが、本当にお勧めしたい。

とここまでで終わらせる予定だったが、これを公開する前に決勝が行われてしまった。私の応援の結果か、二人の名選手のおかげか、見事!卓球混合ダブルスは金メダルを獲得した。おめでとう!マッチポイントを決めたときは本当に発狂した。階段から落ちそうになった。危ない危ない。女子シングルスや男子団体の卓球もある。

卓球は本当にアツい。熱盛って感じだ。ルールもさほど難しくない。ぜひぜひ皆様とも感動や喜びを共有したい。
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