第6話

文字数 1,333文字

先に言っておこう、今回はただの自慢である。

先日私の友達Hから
「私のお母さんが怜璃の作文、一人だけ違うって褒めてたよ。」
との報告をされた。現在進行形で物を書いている私にとってこれ以上ないほどの名誉である。
褒められた作文とは、年に一回発行される学校の冊子に載っている作文であり、私は放送委員長と有志のフリーテーマ投稿で二つの作文を書かせていただいた。そう、私は僭越ながら放送委員会委員長を務めさせてもらっているのだ。といっても実務のほとんどは委員長に任せている。それでも委員長を続けられている、ということは私はいるだけでそのカリスマ性で人間を統率できるということだろう。
ともかく、この冊子の作文の執筆は私がこなしている数少ない実務の一つのため、眠気と闘いながら全力で書かせてもらった。書いたのは二つとも前日の夜だったがな。
まあまあ細かいことは気にせず、読んでいただきたい。あったこともない友人Hの母から褒められたあの伝説の作文を!

放送委員会 柴田怜璃
一部の生徒にブラック企業、と呼ばれる放送委員会。その名前を裏切らず、放送委員会とは他の委員会に比べて忙しい委員会です。そんなことを書くと、この委員会に入りたいと言ってくれる1年生がいなくなってしまうのではないか、と不安ですが、どの学年にも忙しい委員会に入りたがる変人はいるものです。「えっ、私って変人なのかな?」と思ったそこのあなた!放送委員会はそんな変人・奇人を求めています。
さて、ここからは放送委員会の仕事を紹介していきます。一つ目は下校放送。その名の通り、下校時刻に下校を促す放送をします。実はアナウンスの仕事はこれぐらいです。二つ目は、各行事での放送機器の管理です。この成功が行事の成功の鍵を握っていると言っても過言ではありません。放送委員会がいないと行事が成り立たないのです。三つ目は昼礼や学年集会、始業式・終業式での準備です。放送委員会が忙しいと言われるのは主にリハーサルや練習が多いからです。でも大丈夫。個性派でユーモア溢れる先輩が沢山で、楽しいこと間違いなし!
この委員会に入って一年もすれば、叩かれたマイクや踏まれたコードを見て、恋心にも似た痛みを感じるようになります。二年もすれば、マイクを叩いたり、コードを踏んだりした人間に対し、藁人形で呪いを込めるようになります。しかし、人を呪わば穴二つ、と言うので、うっかり呪わないよう気を付けましょう。
ともかく「きっと才色兼備な委員長なんだろうなあ」と思ったあなたも、「こんなふざけた委員長じゃ不安だ...」と気づいてしまったあなたも、ぜひ放送委員会に来てください。

いかがだったろうか。私の放送委員会への愛が伝わる素晴らしい作文だと私は思う。何より全くの他人に褒められたのだ。ふっふっふ、承認欲求の権化の私にとって「賞賛」は最高のモチベーションだ。読んでくださった皆さんも、もっと褒めてくれていいのだよ?
...すまない。少々調子に乗ったが、私の文章を読んでくれる他人がいる、ということは本当に至高の喜びなのだ。これにハマった私はもう抜け出せないだろう。

P.S 放送委員長としてではなく、有志で書いた、「私の自粛生活」というテーマの作文は後日、紹介しようと思う。
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