第1章 第2話

文字数 356文字

 振り返ると懐かしい顔が、驚きの表情を見せている。

「え… 高橋… 健太か?」
「おーーー、何年ぶりよー、なーにしてんの、支店長さま」

 俺は苦笑いしながら、

「いや、今は… 出向して…」
「てか、何年たつっけ、奥さん亡くなって…」
「去年三回忌だった。葬儀の時は色々ありがとうな」

 健太は図々しくも俺の肩を叩きながら、

「気にすんなって。それより、こっちに戻って来てたのか?」
「ああ。娘連れて、お袋と三人暮らし」
「おおー、葵ちゃん、だったっけ? 幾つになったよ、ちっちゃかったよな、あん時」
「葵は今、中学三年」
「まだちっちゃいなー。そっかー。これから家で夕飯か?」
「お袋は今夜はいなくて、葵は友達と食べるから、俺は一人で…」
「マジ? なら一緒に食おうぜ。てか、何で全然連絡しねーんだよっ 水臭え! 俺とオマエの仲だろーが」

 
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登場人物紹介

島田光子 

1966年12月1日 東京都江東区深川に生まれる

中学の頃は地域イチの不良娘であり、『深川のクイーン』を知らぬものはいなかったと言われている。

現在、門前仲町で『居酒屋 しまだ』を経営。

弁護士の長女、獣医の長男、ミュージシャンの次男、それに中学生の孫がいる。

中学時代の同級生だった金光軍司に昔から惚れており、、、

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