男の子と女の子Ⅳ
文字数 229文字
小さな町を見下ろす小高い丘の上に一本の古い木が立っています。
ある若い恋人たちが、今日この古い木の下で、結婚式をあげました。
二人は木の下で寄り添って、小さな町を見下ろします。
やがて日が暮れ、夕闇が迫り、見下ろす町の家々の一つ一つの窓に、灯りがぽっぽっとともります。
「ぼくたちも、この町の窓の一つの灯りをともすんだ。そこが僕らの帰る場所だよ」
花婿が言いました。
花嫁は微笑みます。
風がざーっと吹きました。
なつかしいあの感覚が、二人を包み込みました。
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