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文字数 674文字

「うちにも遂に、刑事ロボットが入る事になった。お前が、その担当者だ」

「えっ?何で、何で俺なんです」

 衣雷は部長に詰め寄った。すると小声で部長は、

「お前と俺は同期だ。他の奴に任せられない。
分かってるな、ロボットの弱点を見付けて、
捜査には向かないと報告書を書け。 
そうすれば、お前だけでなく後輩達も、仕事を取られずに済む」

衣雷は大きく溜め息をついて。

「分かりました。弱点を探すんですね。
ですがね、最近の若いのは、仕事が他に無くて来ました、とか公務員丸出しで定時で帰るわ。
人の言う事は聞かないわ。いつまで経っても、1人前には程遠いんですよ。そっちを教育してもらわないと。ロボットに本当に仕事、取られますよ」

と言った。衣雷は声が大きくなり、デカ部屋の連中が、こっちを済まなそうに見ていたので。

「お前らは優秀だ!うん頑張ってる!
俺が言いたいのは、警察全体の話だ。
ああっ、と点数を稼いでと・・・。
で、いつからです?」

「今からだ」

と衣雷は部長と共に、会議室へと向かった。
 会議室には署長と、もう一人の知らない男が座っていた。署長に頭を下げると、20代後半の官僚の様な知らない男に、

「衣雷です。どなたですか?」

と握手を求めた。
 すると、その男は立ち上がると、

「ダニー織部(おりべ)です。どうぞ宜しく」

と握手を交わしてきた。衣雷は、

「ハーフですか。見えませんね」

と笑顔で言うと。

「いえ、オールです」

と答えが返ってきた。

「オール?」

 首を傾げていると、隣の部屋から白い研究服を着た。如何にも科捜研の様な男が出できて、

「ファーストインパクトは合格ですね」

と署長に言った。
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