(二)-5

文字数 215文字

 そうして夜八時過ぎになり、有紗が帰ってきた。
 玄関から入ってきた有紗に「おかえり」と声を掛けると、有紗は明のことをジッと見つめてきた。
「どうしたの」
 明はそう尋ねた。
 それとほぼ同時に有紗は明に近づいてきた。そして「どうしたの、はこっちのセリフだよ」と明の腕のあちこちに貼られた絆創膏や擦り傷、あざを見てそう尋ねてきた。
「ああ、撮影中にね、ちょっとした手違いで」
「ちょっとした手違いで、こんなに傷になる? 病院行った?」

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み