(四)-6

文字数 245文字

「いつもいっつも心配なのよ。この前だって、私、どんだけ心配したか、いつもどんな思いで待っていると思っているか、わかってるの?」
「仕方ないだろ、こっちだって仕事なんだ。今回だってスタントはあるけど、台詞のある役をもらえたんだ。これに成功すれば、今後はスタントのない役だってもらえるようになる。やるしかないんだよ」
 普段大人しくてやさしい明ではあったが、このときはそう言って箸をバンと音を立てて置いた。
「あなたが死んじゃったら、次の役なんてできないんだよ。それに私はどうなっちゃうのよ」

(続く)
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