不死ボク世界 設定ガイド

文字数 7,222文字

この度は「不死ボク」シリーズをクリック頂き誠にありがとうございます。
本ガイドは基本的には本文の抜粋となるため、目を通さなくても本作の理解に差し障りありません。また、若干のネタバレも含んでおりますので、お気にされる方は読み飛ばして頂いた方が良いかと思われます。
その旨、よろしくお願い申し上げます。

*括弧内はクローン素体の正式登録名称。頭七文字が個人識別コード、以下二百五十六通りのクローン素体タイプ、fタイプは女性、mタイプは男性を指します。
*本作中「二番目の人類」社会で言う「特別」とは、本来の意味とは別に「恋愛関係」を指すものであり、日常会話では文脈で区別します。


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【登場人物編】

◆〈第一作〉不死のボク達、証しの言葉

*リト(RIT2521f088)二級兵徒
第一作・第六作の主人公。第二作・第七作に登場
ディープグレイ/ショートウルフの女の子。一人称は「ボク」。ボーイッシュな見た目通りの性格を装っているが、やや優柔不断でそそっかしい。現在の素体の左腕は義肢。曰く「醜い造りもの」。パートナーのミルとは「特別」な関係。同じf088の素体で合わせ鏡のように瓜二つ。リト本人は対等のつもりだが、ミルの気ままな性格にいつも振り回されている。一人称の「ボク」はケイの影響(裏設定)第一作時点で既に〈ジェネクト〉は三度経験しており、まだ真の意味に気付いていない。第三作に登場するシズは家族制度上の姉にあたる。第六作ではバスルームでセリに誘惑されるが………

*ミル(MIL2038f088)二級兵徒
第一作・第二作・第六作・第七作に登場
ディープグレイ/ストレートロングの女の子。一人称は「私」。陽気で気ままな性格だが根は真面目、ミッションに於いても極めて優秀。公私共々リトのパートナーで常に先を読んでリトの身を案じている。二人の「特別」な行為にニューラルジェルを使うのはミルの発案。第一作時点で〈ジェネクト〉は未経験だが、ある理由により真の意味に気付いている。第二作以降に登場するニレは家族制度上の妹にあたる。

*キルケー 対時空歪曲防壁相殺兵器ランスガン
第一作・第六作に登場
ミルが自分のランスガンに「魔女の箒」に因んで名前を付けたもの。時空災厄の断片から造られているが、まるで動物のような反応をする奇妙な個体。第一作後はリトにも懐いているが、当のリトは若干気味悪がっている。


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◆〈第二作〉不死のボク達、心の在り処

*ニレ(NIL2042f090)二級兵徒
第二作の主人公。第三作・第六作に登場
フルホワイト/ゆるふわショートボブの女の子。一人称は「わたし」。決して気弱な性格ではないが、口数が少なくおとなしい。背の低さとバストの小ささがコンプレックス。本人曰く「150あるからチビじゃない」。兵徒任務に就いてまだ日が浅く、パートナーのシエロとは「特別」な関係ではない。昔からリトに子ども扱いされているが「特別」の知識はミルから聞かされて割と知っている。本作で再会した先輩マヤとの出来事により〈ジェネクト〉の真の意味に気付く。その後も〈ジェネクト〉と「二番目の人類」の使命との間で人知れず葛藤している。家族制度上のミルの妹にあたる。

*マヤ(MYA5514f085)二級兵徒
第二作にのみ登場
ブルーブラック/レイヤーロングの女の子。一人称は「私」。長身でグラマー、その豊かな胸はニレ曰く「ズルい、こんなに大きい」。二人の出会いは兵徒養成校時代のスイムロール(第二作に登場する兵徒必須の競技)で遠目で見るマヤにニレが憧れていたことから。自らの身に起きた〈ジェネクト〉誤作動によるある障害を冷静に受け入れる達観した大人である。mタイプのパートナーと「特別」な関係だが、fタイプでも行為に抵抗はない。


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◆〈第三作〉不死のボク達、赦しの結び

*シズ(SYZ3324f071)元一級兵徒
第三作の主人公。第六作・第七作に登場(第五作ではエナの語り口に頻繁に登場)
プラチナグレイ/ベリーショートの女の子。一人称は「私」。華奢な身体つきに少しだけ広い額。要するにデコキャラ。貧乳がコンプレックス。四年前のミッション中に戦闘不能に陥り両脚を失う。現在は半透明の樹脂製義肢。また、その出来事が原因で当時「特別」なパートナーのケイと関係を解消、以来ずっと後悔している。現在は兵徒任務を引退して予備役であり、VARDにて可変アロイの開発の仕事に就く。時々義肢のバッテリー充電を忘れて遅刻するなど、本シリーズで一番のポンコツ。VARDの所長ゲルダ曰く「旧人類の普通の人々に極めて近い。退屈しなくていい」。既に一度〈ジェネクト〉は経験していたが、四年前の出来事で真の意味に気付いている。家族制度上のリトの姉にあたるが、現在は独りで暮らしている。

*ケイ(KEI9218f087)専任槍士官(ランスマスター)
第三作・第四作に登場、第七作の主人公
ミッドグレイ/くるくる巻き髪ロングの女の子。一人称は「ボク」。シズ曰く「私より頭一つ背が高くて、胸もお尻もナイスバディ」。おっとりした性格で押しに弱いが、屈指の射撃スコアと生還率を誇る優秀な兵徒。四年前のシズ救出の際に自らの顔も右半分を失う。現在は半透明の樹脂性マスクで覆っている。だが、本人はグロテスクな見た目をそう気にしておらず、エナの嫉妬を買っている。現在の階級は一級及び二級の一般兵徒、その上の槍士兵徒の中から選りすぐられた専任槍士官。現パートナーのエナはシズと同じf071の素体である。〈ジェネクト〉は未経験だが、シズの一度目の時に真の意味に気付いている。

*ゲルダ・グロンホルムVARD所長
第三作に登場
ライトグレイの長い髪に高い背、陽気な性格の糸目キャラ。素体タイプは不明。可変アロイの研究開発機関VARDの所長で大銀河文明連帯から派遣された「観察者」。元は異星人だが、自称「旧人類文明のマニア」、好きが高じて観察者に志願。わざわざクローン素体に記憶を注入してまで「二番目の人類」社会に入り込んだ変わり者。内心はデュカ審議総長をあまり良く思っていない。

*ナザニー シズの介護補助ロボット
第三作に登場
ゲルダがシズのお目付役に充てがった補助介護ロボット。元は試験用ヴァリオギア「ナザニエル」の制御AIを取り外して介護ロボットに改造したもの。黒い直方体のボディに四本脚で見た目は「首がない犬」。度々人工知能とは思えない辛辣な物言いでシズを困惑させている。会話プログラムはゲルダのチューニングだが、シズ曰く「自分でやれば良かった」。実はゲルダとある秘密を共有している。(現時点で裏設定)


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◆〈第四作〉不死のボク達、不可視の軛〈断章〉

*ソル(SOL0028f000)元総長補佐官
第四作の主人公。第五作に登場
ホワイトアッシュ/セミロングの二百歳以上の老人。一人称は「私」。二百年前のクーデター勃発時に体制側の盾とするため急造された前世代のクローン。十年前から老化抑制処理が効かず、また〈ジェネクト〉未対応のため死期が近い。現在はデュカの補佐の座を退き、静かな余生を送っている。デュカと共に「二番目の人類」社会の樹立に尽力しており、その内実をよく知る人物。ソル曰く「二番目の人類」は「我々の子ども達」。二百年余年に及ぶ長い付き合いからデュカに対して物言いに遠慮がない。

*デュカ・ブレインズ審議総長
第四作・第五作に登場
プラチナブロンド/スーパーロングの彫刻のような美少女、一人称はソルの前のみ「ボク」。旧人類の生き残り、オリジナルナインの一人で大銀河文明連帯と交渉した人物。「二番目の人類」の指導者であり、全身義体化により二百年以上生き長らえている。指導者としての顔の他に子どもっぽい一面も持っている。ソルを過剰なまでに肩入れし肉親のように慕っている。現時点でその理由は不明。審議総長の肩書きは演算思考体が提案する各審議の最終議決権を持っているため。また〈ジェネクト〉の核心技術の一つ「記憶抽出・転写」はデュカの発案。「二番目の人類」と敵対勢力「奈落」、惑星アクオスフィア。その全ての秘密を握る。

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◆〈第五作〉不死のボク達、兆しの試練

*エナ(ENA2610f071)専任槍士官(ランスマスター)
第五作の主人公。第三作・第七作に登場
ボルドーレッド染め/ストレートロングの女の子。一人称は「私」。不遜で傲慢、短気で嫉妬深い上にサドっ気がある。おまけに大の匂いフェチ。本シリーズで一番のめんどくさい子。ケイを愛しているが「特別」な関係ではない。専任槍士官の階級と〈ジェネクト〉の経験がないことを誇りに思っている。その一方、ケイの見え隠れするシズに対する想いに常に嫉妬の炎を燃やしている。シズとは同じf071の素体であり、真っ赤に染めた髪を除けばシズそっくり。同じく寝起きが悪いため、家族から出て暮らすことを許されていない。〈ジェネクト〉未経験のため、真の意味に気付いていない。

*タク・ヨシムラ第二情報砲兵
第五作に登場。
謎の敵対勢力「奈落」の「転写端末(レイドモジュール)」と呼ばれる機械化兵士。アンドロイドに組み込まれた培養脳にオリジナルの記憶を転写して必要に応じて活動する。エナと交戦して撃破され、同時に戦闘不能に陥ったエナに頭部のみ回収される。「二番目の人類」と同様に厳しい軍規に縛られていないため、温厚でフレンドリーな性格。だが、捕虜にされた相手が運悪くエナだったため、存分にオモチャにされてしまう。実は二百年前の反体制側クローンの一人であり、在りし日のソルを知っている。


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◆〈第六作〉不死のボク達、虚ろな躯体

*セリ(SRY1969f044)一級兵徒
第六作に登場。
アッシュグレイ/ウェービイセミロングの女の子? 一人称は「アタシ」。リトより拳一つ分背が高く、均整の取れたスタイルと神々しい美貌を併せ持つ。容姿に劣らず大人びており陽気で明け透けで「特別」な行為には奔放な性格。気に入ればf・mタイプ問わず誘惑する本シリーズ屈指のエッチなお姉さん。だが、その行動には〈ジェネクト〉に関わるある理由が隠されている。決まったパートナーを持たない臨時専門の兵徒で〈ジェネクト〉は六回経験している。兵徒任務が長いベテランで戦闘スキルも極めて高い。


*シエロ(SER3320m055)二級兵徒
第六作に登場。
ミッドグレイ/2ブロックショートの男の子。一人称は「僕」。ニレが初めて組んだパートナーで同期兵徒。「特別」な関係ではない。良い格好を見せようとミッション中に先走り、兵徒任務に就いて早くも二度〈ジェネクト〉を経験している。空回り系で少し落ち着きがなく、ミル曰く「昔のリトと同じ」。
 

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【作中用語編】

*二番目の人類
異星人のテクノロジーにより遺伝子から再生された人類。
時空災厄によって滅亡した人類の遺伝子から大銀河文明連帯によって再生された名前通りの存在。いわゆるポストヒューマン。旧人類の生き残りであるオリジナルナインを除けば旧人類とは直接の繋がりを持たない。大銀河文明連帯が人類を再生した目的は時空災厄の討伐。引き換えとして人類文明の再興を約束している。様々な分野で大銀河文明連帯から援助を受けているが、兵器面など制限されている事項も数多い。敵対勢力「奈落」の機械化兵タク曰く「大銀河文明連帯の犬」。

*ジェネクト
本連作の根幹を成す不死人類を成立させるシステム。
RNAを含むヒトの遺伝子情報から成る256種のスペアボディ「クローン素体」と量子情報通信を介して録り続ける複製記憶を用いて「死に帰り」を実現する。但し、複製記憶には更新遅延による三分間のタイムラグが存在し、〈ジェネクト〉を経験する素体は誰も死ぬ間際の記憶を持たない。また、ヒトゲノムと複製記憶は大銀河文明連帯の演算思考体グランヘリオスが全てを管理しており、当の「二番目の人類」が直接干渉することは許されていない。

*大銀河文明連帯
大銀河の十二の文明圏からなる異星人の共同体。
時空災厄討伐と引き換えに人類を救った異星人の共同体。第三作に登場するゲルダは「アネクド」と呼ばれる文明圏の出身。因みにアネクドの本来の名称は人類には発音できないため便宜上の名前である。また本連作では触れていないが「二番目の人類」活動拠点は十二文明圏それぞれに存在する。クラウドスフィア航宙要塞が存在する恒星系に文明圏は存在しないが、これは旧人類発祥の惑星アクオスフィアが同恒星系に存在するためである。尚、作中の旧人類文明は大銀河文明連帯に元々含まれてない。

時空災厄(アウターコンティニューム)
本連作世界の最大の脅威となる半知性体群。
正体は大銀河など現世界の全てを内包する三次元時空連続体、その外側の存在が時空断層から内側に溢れ出て実体化したもの。長いチューブ状の基本形態は全長が数百から数千、数万メートルと巨大且つ多様。また、他の知的生命体との意思疏通手段が摂取融合しかないため、大銀河全体の脅威となっている。アウターコンティニュームの名は「時空連続体外存在」に由来するが、そのスケールと発生の根源を断てないことから「時空災厄」または〈彼ら〉とも呼ばれる。
時空歪曲防壁(Dフラクチャー)
時空災厄が持つ絶対防御の盾。超重力干渉により時空を歪めて一切の物理攻撃を無力化する。本作中ではヴァリオギアが操るランスガンを用いなければ防壁破りができない。

*拡義体ヴァリオギア「ヒト型の戦闘機」
対時空災厄汎用ヒト型機動兵器。「ヒト型の戦闘機」とも呼ばれる。
元々は惑星開拓用重機の強化外骨格から発展したもので、精神感応型軟性可変金属合金、通称「可変アロイ」を主要構造材に用いている。可変アロイとは、時空災厄の断片が混合されたある種の人工筋肉であり、時空災厄の「自らより大きな存在を模倣する」特性を利用して運動力を得ている。また、第三作から登場するVARD(Variable Alloy Research and Development)はこの可変アロイの研究開発機関である。
・ランスガン
可変アロイと同じく時空災厄の断片から作り出された兵器で、元となった時空災厄とは逆位相の時空歪曲現象を引き起こし、時空歪曲防壁を相殺する討伐ミッションの要めである。また、この槍状の兵器を武具として扱うためにヒト型兵器が採用されている。
超重力圧縮弾(グラヴィトン)
超重力によって一定範囲の空間を一気に圧縮して破壊する強力な兵器。過度の使用は時空の安定を損ねて時空災厄を呼び込み易くなるため使用制限が存在する。

*クラウドスフィア航宙要塞
大銀河に散らばる「二番目の人類」の中枢活動拠点となる巨大都市要塞。本連作の主な舞台。
直径およそ十二キロ、幅三キロに及ぶ巨大なリング状の構造物。雲の惑星クラウドスフィアの周回軌道上に存在する。約二万人の「二番目の人類」が暮らす巨大生活圏でもある。

*レッドスフィア航宙要塞
二百年前まで「二番目の人類」の中枢活動拠点だった巨大都市要塞。
第五作までは敵対勢力「奈落」の支配下。クラウドスフィア航宙要塞と酷似するが、直径はさらに大きく十五キロである。クラウドスフィアの五億二千万キロ内側を公転する赤の惑星レッドスフィア軌道上に存在する。

*演算思考体ヘリオス
大銀河文明連帯が作った人工知能。
グランヘリオス他三つの演算思考体が存在するが、ヘリオス2のみ所在不明。大銀河文明連帯から借り受けた「二番目の人類」の羅針盤とも言うべき存在で、時空災厄討伐の他にもあらゆる分野に於いて助言や提案を行う。但し創造に関する分野(文化や兵器等)には制限が掛けられている。無限に近い記録領域を持つ巨大データサーバーでもあり、クローン素体の遺伝子情報や〈ジェネクト〉の複製記憶の管理も行なっている。

*奈落
第四作から登場する「二番目の人類」の敵対勢力。
元々は二百年前にオリジナルナインと大銀河文明連帯が開発した〈ジェネクト〉に反発し「二番目の人類」を二つに割った反体制勢力で、ソルと同じ前世代のクローン達。現在はある理由により肉体を捨てており、転写端末と呼ばれる機械化兵と自律型機動兵器を用いてアクオスフィア圏への「二番目の人類」の侵入を妨害している。大銀河文明連帯はあくまで「二番目の人類」のお家騒動と受け取っているため不干渉を貫いているが……

*海の惑星アクオスフィア
旧人類ならびに「二番目の人類」の母星。
遠い昔(推定三百年前)、時空災厄により滅ぼされた旧人類発祥の地でクラウドスフィア等が属する恒星系の第三惑星。奈落が執拗に「二番目の人類」の侵入を妨害している。本シリーズ地上編の舞台となる予定。

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*スキャンスーツ
ヴァリオギアの搭乗時に着用する専用パイロットスーツ。
目的はヴァリオギアの主要構造材「可変アロイ」と搭乗者を繋ぐニューラルジェル型神経接続を追跡管理するためのもので、コクピットを満たすニューラルジェルを透過し易いように薄いメッシュ状繊維で成形されている。ただ専用とは言っても、その目的がヴァリオギア稼働中の動作追跡にしかないため、スーツ未着用、つまり全裸でもヴァリオギアは操縦可能ではある(第四作参照)。外観的特徴として、皮膚のように素肌に張り付き着用者の体型を正直に反映してしまうため、任務に日の浅い新人やリハビリ明けのmタイプには刺激が強いものとなっている(第六作参照)。また、可変アロイと神経接続を可能にするニューラルジェルにはある種の知覚交換効果が有り、ごく個人的な「特別」の行為に使用される例もある(第一、第二作参照)。要するにみんな大好きぴっちりスーツ。
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