四にょろ 恭子のアイツ改造大作戦!
文字数 1,900文字
さあ! いよいよー!
なーつだ、なーつだ、夏休みー!
キミもー? ボクもー? アナタもー? わーい!
予備校なーんて、行かせないー!
夏期講習ー? 成仏ー? どっちー? わーい!
「取り戻せ、にょろちゃんたちの記憶! ボクにかつての平穏な日々を! (仮)作戦会議の、始まり始まりー」
「なんか楽しそうだな、オイ」
「気のせい気のせいー」
「大体、(仮)って何だ? (仮)って」
「男の子でしょー? 細かいことはアバウトアバウトー!」
「アバウト過ぎんだよ、オマエは……」
「まーまーまー。あのさー、にょろちゃんたちがこっちに来る前に、ムゲン地獄にいたってことは知ってるよねー?」
「ああ、らしいな」
「でねー、ということはだよー、にょろちゃんたちって、自殺したってことになるよねー?」
「ん? なんでだ?」
「だって、あの子たち、前に言ってたじゃなーい。自殺しちゃった人は、みーんな、ムゲン地獄に落ちるんだってー」
「……んー、まあ、確かに、気がついたらそれまでの記憶全部失ってて、暗くて臭くて蒸し暑くて狭い、なんだかビー玉みたいな所に押し込められてたの~、とか、んなことは言ってたな」
「でしょでしょー」
「他人を殺した場合は焦熱地獄に落ちるんだっけか? 焚き火で炙られながら永遠に死に続けるらしいの~とか、焼き芋かよ……しかし、わからないな」
「何がー?」
「無間地獄ってことはさ、多分、無間に続く地獄ってことなんだろ? 絶え間無く続く地獄、だから無間地獄。それなのに、なんであの二匹はそこから抜け出すことが出来たんだ?」
「んー? んー……なんでだろー?」
「そもそも、なんでそこが無間地獄だとか、自殺したら無間地獄に落ちるなんてことがわか……まあ、別にいいんだけどね。で? それがどうしたんだ?」
「え? あー、そーそー、でねー、えとねー、考えたんだけどー、自殺にもー、いろいろあると思うのよー。でさー、その自殺する状況みたいなのをー、私たちでアレコレ再現してみるのー! そしたらー、あ! って、思い出すかもー!」
「フーム……相変わらず要領を得ないしゃべり方だが、なるほどな。オマエにしてはまともなアイディアかも」
「ハハー! おほめいただき、ありがとうでござるぞー!」
「……どこの国の何者だ、オマエは……」
というわけでー、私のマル秘マル秘大作戦、承認完了ー! 行ってみよー! わーい!
「飛び降り自殺だよ、きっとー!」
「身投げってことか」
「高い所に行けば記憶、戻るかもー! 久しぶりに都庁に登ってみよー!」
「うわ~、すごい景色なの~」
「クックックッ、愚民どもめぇ」
「リボンちゃん、目が怖いの~」
「あれえ? 入水自殺だったのかなー?」
「溺死か、あり得るな」
「市立プールで泳げば記憶、戻るかもー!」
「ぱしゃぱしゃ~」
「ぷすぅぷすぅ」
「浮き輪に包丁刺しちゃだめなの~」
「ひょっとしたら、焼身自殺だったかもー! ステーキ食べに行こー!」
「はあ? ステーキ?」
「うん! だって、お肉じゅうじゅう、焼けるでしょー?」
「……んん? でも……いや? 待てよ……ええ? いいのか……?」
「おいしーねー、にょろちゃん、リボンちゃんー」
「ぱくぱく~」
「ほらぁ、一口サイズに切ってあげたわよぅ」
「……その包丁で肉切られるの、びみょーに抵抗あるんだが……」
とろとろー。脳みそとろとろー。
「……夏祭り?」
「うん、夏祭りー!」
「あのな……夏祭りとコイツらに何の関係が……」
「だって、にょろちゃんたちって、幽霊でしょー?」
「……ユーレイだな」
「となると、にょろちゃんたちってさー、お化けってことになるよねー?」
「オバケ……まあ、そうだな」
「だから、そこで、夏祭りー!」
「……あん?」
「夏祭りにはねー、お化け屋敷が、あるかもー!」
「ああ、そういう……なるほど……」
「なるほど~」
「なぁるほどぅ」
しめしめ、だんだん麻痺してきて、アイツご自慢の脳みそが働かなくなってきてるぞー。うくくくくー。
取り戻せ、にょろちゃんたちの記憶! ボクにかつての平穏な日々を! (仮)しかして、その正体はー! 大好きゼペットじいさん! しゃべらない木切れから誕生したアイツを素直で良い子に大改造ー! (真)大作戦! 順調順調ー!
楽しいなー、楽しいなー。明日は明日は夏祭りー! にょろちゃんたちが来てくれてー、感謝、感謝、大感謝ー! サンクス、サンクス、コンビニエンスー!
ずーっと、ずっと、ずーっと。ずっと、このまま、ずーっと……。
置かれている立場だなんてそんな難しいこと、私にはわからない。でも、一番大切なもののためになら、どんなことだって受け入れてみせる。
君を、守る。
なーつだ、なーつだ、夏休みー!
キミもー? ボクもー? アナタもー? わーい!
予備校なーんて、行かせないー!
夏期講習ー? 成仏ー? どっちー? わーい!
「取り戻せ、にょろちゃんたちの記憶! ボクにかつての平穏な日々を! (仮)作戦会議の、始まり始まりー」
「なんか楽しそうだな、オイ」
「気のせい気のせいー」
「大体、(仮)って何だ? (仮)って」
「男の子でしょー? 細かいことはアバウトアバウトー!」
「アバウト過ぎんだよ、オマエは……」
「まーまーまー。あのさー、にょろちゃんたちがこっちに来る前に、ムゲン地獄にいたってことは知ってるよねー?」
「ああ、らしいな」
「でねー、ということはだよー、にょろちゃんたちって、自殺したってことになるよねー?」
「ん? なんでだ?」
「だって、あの子たち、前に言ってたじゃなーい。自殺しちゃった人は、みーんな、ムゲン地獄に落ちるんだってー」
「……んー、まあ、確かに、気がついたらそれまでの記憶全部失ってて、暗くて臭くて蒸し暑くて狭い、なんだかビー玉みたいな所に押し込められてたの~、とか、んなことは言ってたな」
「でしょでしょー」
「他人を殺した場合は焦熱地獄に落ちるんだっけか? 焚き火で炙られながら永遠に死に続けるらしいの~とか、焼き芋かよ……しかし、わからないな」
「何がー?」
「無間地獄ってことはさ、多分、無間に続く地獄ってことなんだろ? 絶え間無く続く地獄、だから無間地獄。それなのに、なんであの二匹はそこから抜け出すことが出来たんだ?」
「んー? んー……なんでだろー?」
「そもそも、なんでそこが無間地獄だとか、自殺したら無間地獄に落ちるなんてことがわか……まあ、別にいいんだけどね。で? それがどうしたんだ?」
「え? あー、そーそー、でねー、えとねー、考えたんだけどー、自殺にもー、いろいろあると思うのよー。でさー、その自殺する状況みたいなのをー、私たちでアレコレ再現してみるのー! そしたらー、あ! って、思い出すかもー!」
「フーム……相変わらず要領を得ないしゃべり方だが、なるほどな。オマエにしてはまともなアイディアかも」
「ハハー! おほめいただき、ありがとうでござるぞー!」
「……どこの国の何者だ、オマエは……」
というわけでー、私のマル秘マル秘大作戦、承認完了ー! 行ってみよー! わーい!
「飛び降り自殺だよ、きっとー!」
「身投げってことか」
「高い所に行けば記憶、戻るかもー! 久しぶりに都庁に登ってみよー!」
「うわ~、すごい景色なの~」
「クックックッ、愚民どもめぇ」
「リボンちゃん、目が怖いの~」
「あれえ? 入水自殺だったのかなー?」
「溺死か、あり得るな」
「市立プールで泳げば記憶、戻るかもー!」
「ぱしゃぱしゃ~」
「ぷすぅぷすぅ」
「浮き輪に包丁刺しちゃだめなの~」
「ひょっとしたら、焼身自殺だったかもー! ステーキ食べに行こー!」
「はあ? ステーキ?」
「うん! だって、お肉じゅうじゅう、焼けるでしょー?」
「……んん? でも……いや? 待てよ……ええ? いいのか……?」
「おいしーねー、にょろちゃん、リボンちゃんー」
「ぱくぱく~」
「ほらぁ、一口サイズに切ってあげたわよぅ」
「……その包丁で肉切られるの、びみょーに抵抗あるんだが……」
とろとろー。脳みそとろとろー。
「……夏祭り?」
「うん、夏祭りー!」
「あのな……夏祭りとコイツらに何の関係が……」
「だって、にょろちゃんたちって、幽霊でしょー?」
「……ユーレイだな」
「となると、にょろちゃんたちってさー、お化けってことになるよねー?」
「オバケ……まあ、そうだな」
「だから、そこで、夏祭りー!」
「……あん?」
「夏祭りにはねー、お化け屋敷が、あるかもー!」
「ああ、そういう……なるほど……」
「なるほど~」
「なぁるほどぅ」
しめしめ、だんだん麻痺してきて、アイツご自慢の脳みそが働かなくなってきてるぞー。うくくくくー。
取り戻せ、にょろちゃんたちの記憶! ボクにかつての平穏な日々を! (仮)しかして、その正体はー! 大好きゼペットじいさん! しゃべらない木切れから誕生したアイツを素直で良い子に大改造ー! (真)大作戦! 順調順調ー!
楽しいなー、楽しいなー。明日は明日は夏祭りー! にょろちゃんたちが来てくれてー、感謝、感謝、大感謝ー! サンクス、サンクス、コンビニエンスー!
ずーっと、ずっと、ずーっと。ずっと、このまま、ずーっと……。
置かれている立場だなんてそんな難しいこと、私にはわからない。でも、一番大切なもののためになら、どんなことだって受け入れてみせる。
君を、守る。
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