一にょろ はじまりのはじまり
文字数 797文字
「自殺してもいいことなんにもないよ~。無間地獄はつらいよ、こわいよ、さびしいよ~」
コイツの名前は、にょろ。見た目にょろにょろしているから、そう呼んでいる。俺に憑いている、ユーレイだ。
「そうそう。しかもアソコって暗いし、臭うし、おまけに蒸し暑いのよぉ」
コイツの名前は、にょろ2 。にょろの二番煎じ、にょろ2号機だから、そう呼んでいる。クラスメートの恭子に憑いている、こちらもユーレイだ。
コイツら二匹が俺たちに取り憑いたのは一週間ほど前のこと。放課後の教室に突然、閃光と共に現れたかと思うと、それ以来、どこへ行くにもべたべたべたべた、くっついてくるのだ。まったく、鬱陶しいったらありゃしない。しかも、にょろのヤツときたら、ぼくたち生前の記憶が無いんだけど、その記憶が戻るまでは成仏することが出来ないの~、などと抜かすのだ。何だよ、それ。ふざけるなぁぁぁぁぁー! ……ハァ、ハァ……ま、まあ、それはともかく、俺としては速やかにスピーディに記憶を取り戻してもらって、早急にさっさとおさらばしたいところなのだが、あろうことか恭子ときたらこの事態を面白がっていて、二人ともいつまでも成仏しないで一緒に遊ぼうよー、なんて言ってたりする。おいおいおい、大丈夫ですか、ア・ナ・タ?
「ほら、ああやって屋上でいつも一人寂しくタバコ吸ってるでしょー。自分じゃそれがカッコイイなんて思ってるのよー」
「ほえ~、そうなのか~」
「まぁ、お子様ねぇ」
その恭子がこちらを指差しながら二匹となにやらコソコソ話し込んでいる。どうせ、ろくなことじゃないんだ。
「本当の強さってものが、まだわかってないのよねー」
「おお~、そうなのか~」
「あらあらぁ。まあまあぁ」
無視だ、無視。あいつらが成仏するその日まで、俺は負けない。
「寂しいくせに、ねー」
「さびしい~さびしい~」
「ロンリーウルフさぁん。くすくすぅ」
——負けてやるもんか。フン!
コイツの名前は、にょろ。見た目にょろにょろしているから、そう呼んでいる。俺に憑いている、ユーレイだ。
「そうそう。しかもアソコって暗いし、臭うし、おまけに蒸し暑いのよぉ」
コイツの名前は、にょろ
コイツら二匹が俺たちに取り憑いたのは一週間ほど前のこと。放課後の教室に突然、閃光と共に現れたかと思うと、それ以来、どこへ行くにもべたべたべたべた、くっついてくるのだ。まったく、鬱陶しいったらありゃしない。しかも、にょろのヤツときたら、ぼくたち生前の記憶が無いんだけど、その記憶が戻るまでは成仏することが出来ないの~、などと抜かすのだ。何だよ、それ。ふざけるなぁぁぁぁぁー! ……ハァ、ハァ……ま、まあ、それはともかく、俺としては速やかにスピーディに記憶を取り戻してもらって、早急にさっさとおさらばしたいところなのだが、あろうことか恭子ときたらこの事態を面白がっていて、二人ともいつまでも成仏しないで一緒に遊ぼうよー、なんて言ってたりする。おいおいおい、大丈夫ですか、ア・ナ・タ?
「ほら、ああやって屋上でいつも一人寂しくタバコ吸ってるでしょー。自分じゃそれがカッコイイなんて思ってるのよー」
「ほえ~、そうなのか~」
「まぁ、お子様ねぇ」
その恭子がこちらを指差しながら二匹となにやらコソコソ話し込んでいる。どうせ、ろくなことじゃないんだ。
「本当の強さってものが、まだわかってないのよねー」
「おお~、そうなのか~」
「あらあらぁ。まあまあぁ」
無視だ、無視。あいつらが成仏するその日まで、俺は負けない。
「寂しいくせに、ねー」
「さびしい~さびしい~」
「ロンリーウルフさぁん。くすくすぅ」
——負けてやるもんか。フン!
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