1日目の邂逅4 大奮闘!?佐藤 勇太はビビりながらも妹を守りたい!
文字数 11,048文字
部屋全体が黒く塗りつぶされたかと思うと僕らの足元が大きく揺れた。
!?
家が壊れる!?
足場が崩れるのかと思うと逆に競り上がった!
僕、ゆず、ミーラさん、タコとそれぞれの足場が競り上がっている。
空気の抵抗なのか重力の影響なのか、周りは真っ黒だけど「上がっている」と感じる。
人ははっきり見えていて黒の濃さが違っているので地面(?)の有無もわかる。
!?
家が壊れる!?
足場が崩れるのかと思うと逆に競り上がった!
僕、ゆず、ミーラさん、タコとそれぞれの足場が競り上がっている。
空気の抵抗なのか重力の影響なのか、周りは真っ黒だけど「上がっている」と感じる。
人ははっきり見えていて黒の濃さが違っているので地面(?)の有無もわかる。
元の家の天井の高さよりはかなり上にいる気がする。
元の家はどうなった?お母さんは!?
元の家はどうなった?お母さんは!?
少しして上昇が止まった。僕とゆずの高さは同じで少し上の高さにミーラさんたちがいて僕らを見下す形になった。
この空間はねエ、「ローンチ・GG・虚構空間」といってねえ。
グォンネオンロオンという空間座標を操る技術とゴーム機構という空間の膨張技術を使ってコンピューターが設計通りに作り出した空間なんダ。
ここは君たちの家に重なって存在している。4人で家から虚構空間に入り込んだってところかナ。
君たちにはよく分からないだろうから「作り出された空間」ってことだけ分かれば十分だヨ。どうせ詳しく聞いても意味なくなるから……。
グォンネオンロオンという空間座標を操る技術とゴーム機構という空間の膨張技術を使ってコンピューターが設計通りに作り出した空間なんダ。
ここは君たちの家に重なって存在している。4人で家から虚構空間に入り込んだってところかナ。
君たちにはよく分からないだろうから「作り出された空間」ってことだけ分かれば十分だヨ。どうせ詳しく聞いても意味なくなるから……。
踊りのときの景色はねエ。光とか風とかあったでしょ?でもあれは本当は存在しないの。
宇宙科学の叡智がそこに光や風が存在するように錯覚させてくれてたんだヨ。
ないものをあるように錯覚させる。仮想空間、もっと言えば幻に近いかしラ。
仮想空間や幻で身体が炎に包まれても実際の身体は無事よ。そう錯覚してるだけだからねエ。
でも虚構空間は違うっ!
ここで炎に身を焼かれれば実際にやけて死ぬのサ!!
宇宙科学の叡智がそこに光や風が存在するように錯覚させてくれてたんだヨ。
ないものをあるように錯覚させる。仮想空間、もっと言えば幻に近いかしラ。
仮想空間や幻で身体が炎に包まれても実際の身体は無事よ。そう錯覚してるだけだからねエ。
でも虚構空間は違うっ!
ここで炎に身を焼かれれば実際にやけて死ぬのサ!!
先程までと違ってミーラさんの言葉の節々に冷たさがあるように感じる。
表情も冷たく未開人を見るどころかまるで虫ケラでも見るかのように僕らを見下している。
表情も冷たく未開人を見るどころかまるで虫ケラでも見るかのように僕らを見下している。
「ローンチ・GG・虚構空間」は設計通りに作り変えれる虚構空間。この真っ黒な状態は一番最初のまだ何も手を加えてない状態なノ。
最初のこの状態を虚構空間のローンチ(起動)って言うの。これが特徴的でネ。それがそのまま名前の一部になったワ。
本当に強力な衝撃でなければ外の空間には影響を及ぼさないから様々なことに使われているノ。
プライベートなスペースから始まって娯楽、教育、実験、開発……そして戦争。
闇の遊戯を遊ぶにはピッタリってワケ。
この虚構空間は私のオルタナボールが設計して宇宙船の機能で作り出しているワ♡
最初のこの状態を虚構空間のローンチ(起動)って言うの。これが特徴的でネ。それがそのまま名前の一部になったワ。
本当に強力な衝撃でなければ外の空間には影響を及ぼさないから様々なことに使われているノ。
プライベートなスペースから始まって娯楽、教育、実験、開発……そして戦争。
闇の遊戯を遊ぶにはピッタリってワケ。
この虚構空間は私のオルタナボールが設計して宇宙船の機能で作り出しているワ♡
ミーラさんは残酷な笑みをして言った。
ミーラさんが片手を上げて指パッチンをする。
その瞬間、僕らの下から黒い何かが湧き上がってきた!
液体のような粘土のような大量の黒い塊はとても速い速度で僕らの足元を通りながら周りに広がっていく……。
そして周りに何かを形作るかのように固まっていった!
続いて上空から光現れ、僕らや黒い塊を照らした。
眩しい!?と思って目を瞑ったが眩しくはなかった。太陽のようにはっきりした光なのに眩しいという感覚がせず不思議な気分だ。
……ここまで一瞬の出来事だった。1分も経ってないと思う。
僕が目を開けるとそこには古代ローマのコロッセオのようなコロシアムが広がっていた。
その瞬間、僕らの下から黒い何かが湧き上がってきた!
液体のような粘土のような大量の黒い塊はとても速い速度で僕らの足元を通りながら周りに広がっていく……。
そして周りに何かを形作るかのように固まっていった!
続いて上空から光現れ、僕らや黒い塊を照らした。
眩しい!?と思って目を瞑ったが眩しくはなかった。太陽のようにはっきりした光なのに眩しいという感覚がせず不思議な気分だ。
……ここまで一瞬の出来事だった。1分も経ってないと思う。
僕が目を開けるとそこには古代ローマのコロッセオのようなコロシアムが広がっていた。
僕らの目の前にはいわゆるコロシアムの舞台が広がっている。漫画でよく見るやつだ。石でできた円形のアレだ。上で戦って落ちたら負けってやつだ。
僕らは選手の出場口のような場所にいる。周りには柱がいっぱいあって石でできているかのように見えた。
でも一番驚いたのは……。
ウオオオオオオオオオオ!ワアアアアアアア!
歓声だ。
出場口から身体を乗り出して外を見渡すとコロシアムの舞台の周りには更に壁があり、ぐるっと舞台を囲んでいる。
そして壁の上には本当に広い観客席があって宇宙人(?)がひしめき合って舞台を観戦している。
僕らのような人型から単眼の宇宙人まで様々だ。僕はこの声と存在感に圧倒された。
とても偽物には見えない。本当にそこに何千?何万の観客がいるように感じる。
僕らは選手の出場口のような場所にいる。周りには柱がいっぱいあって石でできているかのように見えた。
でも一番驚いたのは……。
ウオオオオオオオオオオ!ワアアアアアアア!
歓声だ。
出場口から身体を乗り出して外を見渡すとコロシアムの舞台の周りには更に壁があり、ぐるっと舞台を囲んでいる。
そして壁の上には本当に広い観客席があって宇宙人(?)がひしめき合って舞台を観戦している。
僕らのような人型から単眼の宇宙人まで様々だ。僕はこの声と存在感に圧倒された。
とても偽物には見えない。本当にそこに何千?何万の観客がいるように感じる。
どこからか声が響く。
ミーラさんがそう言うとコロシアムの舞台の上に「巨大な虎」が降りてきた……!
ウオオオオオオオオオオオオ!!
歓声が上がる。
ウオオオオオオオオオオオオ!!
歓声が上がる。
ミーラさんがそう言うと今度は巨大な恐竜が落ちてきた!図鑑でしか見たことがないあの恐竜だ!
ワアアアアアアアア!ワアアアアアア!
再び歓声が上がる。一方でゆずがお尻をついてへたり込んでしまった。
恐竜がこっちに向かってきたかと思うとぱっと消えて今度は舞台の上にドラゴンが降ってきた。
空想のモンスターも出せるのか!?
ワアアアアアアアア!ワアアアアアア!
再び歓声が上がる。一方でゆずがお尻をついてへたり込んでしまった。
恐竜がこっちに向かってきたかと思うとぱっと消えて今度は舞台の上にドラゴンが降ってきた。
空想のモンスターも出せるのか!?
僕がゆずの前に立ってそう叫ぶと辺りの景色は真っ暗になり、最初の状態に戻った。
ホッとしたのもつかの間、再び周りの黒が動き出して光が溢れる。
今度はぼくらは洞窟の中のような場所にいた。
天井がはっきりあって所々ロウソクのような光がある。人工の洞窟というか人の手が加わっている雰囲気がある。
ホッとしたのもつかの間、再び周りの黒が動き出して光が溢れる。
今度はぼくらは洞窟の中のような場所にいた。
天井がはっきりあって所々ロウソクのような光がある。人工の洞窟というか人の手が加わっている雰囲気がある。
じゃあこういうのは?
1000階層のダンジョンを潜って幻のお宝を取ってくる闇の遊戯「あなたと私の超々不思議なダンジョン」。食べ物は手に入るけど腐ってることもある。罠やモンスターもいるわ。
装備が手に入るからさっきのコロシアムよりは有情ヨ?
踏破まで大体200年かかる大迷宮だけどねエ!
1000階層のダンジョンを潜って幻のお宝を取ってくる闇の遊戯「あなたと私の超々不思議なダンジョン」。食べ物は手に入るけど腐ってることもある。罠やモンスターもいるわ。
装備が手に入るからさっきのコロシアムよりは有情ヨ?
踏破まで大体200年かかる大迷宮だけどねエ!
やらないよ!と僕が叫ぼうとすると更に空間が変わる。ドンドン変わっていく。
「トゥリアル戦場ボード サウザントウォー」。リアルな戦争を再現する闇の遊戯。君たちは兵士からスタートね。
「ファイナルグレートファイナルブレイク内なるファンタジー」ストーリー付きのロールプレイングゲームよ。難易度はベリーハードでどうゾ。
「配管工おじさんのデスカート」。カーレースの闇の遊戯ヨ。ミスってクラッシュしたら爆発するわ。
「スペースシップストライク 闇の遊戯エディション」召喚した宇宙船を弾いてモンスターを倒す闇の遊戯。今なら50オーブプレゼント。
どれも失敗したら死ぬから自分で選ぶ権利を上げるわヨ?
「ファイナルグレートファイナルブレイク内なるファンタジー」ストーリー付きのロールプレイングゲームよ。難易度はベリーハードでどうゾ。
「配管工おじさんのデスカート」。カーレースの闇の遊戯ヨ。ミスってクラッシュしたら爆発するわ。
「スペースシップストライク 闇の遊戯エディション」召喚した宇宙船を弾いてモンスターを倒す闇の遊戯。今なら50オーブプレゼント。
どれも失敗したら死ぬから自分で選ぶ権利を上げるわヨ?
ゆずの発言を聞いてミーラさんが沈黙する。
ゆずが喋ってる間に姿を消した。
ゆ、ゆず!?
ゆ、ゆず!?
僕が焦って大声を出すと風景が最初の黒い状態に戻る。
そして上からミーラさんとタコが姿を現した。
タコがミーラさんに対してニュポニュポ言ってる。
!!
タコが触手でゆずを抱えている。
そして上からミーラさんとタコが姿を現した。
タコがミーラさんに対してニュポニュポ言ってる。
!!
タコが触手でゆずを抱えている。
まったく。自分の立場が全然分かってないネ。このガキャ。
まっ、私も怒ってるのは我々の主(しゅ)を貶したあんたに対してなんダ。
だから私もこの子を巻き込んで怖がらせるのは少し可哀想だと思ったので上に上げたんだヨ。
まっ、私も怒ってるのは我々の主(しゅ)を貶したあんたに対してなんダ。
だから私もこの子を巻き込んで怖がらせるのは少し可哀想だと思ったので上に上げたんだヨ。
タコがミーラさんに何か言ってるが僕には分からない。
神を貶した僕をどうやって殺すか相談しているのかもしれない。
ゆずはタコの身体にタコの触手でぐるぐる巻きにされて抱かれている。
なんとか取り返さないと……。
神を貶した僕をどうやって殺すか相談しているのかもしれない。
ゆずはタコの身体にタコの触手でぐるぐる巻きにされて抱かれている。
なんとか取り返さないと……。
元はとある宇宙海賊が商売敵に捕まったときにやらされた残酷なゲームが元でネ。
1度に10人の商売敵が四方から「好きなもの」を投げるから10セット終わったときに生きてたら見逃してやるって言われたんだ。
でも商売敵は見逃す気は全然なかったノ。「投げられたもの」はナイフから手斧まで殺す気満々の代物さ。ナイフ1つとっても宇宙海賊のナイフだからただのナイフじゃないよ。追尾機能付きで斬られたら意識がなくなるようなヤバイやつさ。
1度に10回、合計100回も生身の身体にそんなものを投げられて生きていられるわけない。希望を見せた上でのリンチだよ。
だけど、その宇宙海賊は最初の1回を避けきった。避けきるどころか一つのナイフをキャッチして反対に商売敵のキャプテンを突き刺したのサ♡
1度に10人の商売敵が四方から「好きなもの」を投げるから10セット終わったときに生きてたら見逃してやるって言われたんだ。
でも商売敵は見逃す気は全然なかったノ。「投げられたもの」はナイフから手斧まで殺す気満々の代物さ。ナイフ1つとっても宇宙海賊のナイフだからただのナイフじゃないよ。追尾機能付きで斬られたら意識がなくなるようなヤバイやつさ。
1度に10回、合計100回も生身の身体にそんなものを投げられて生きていられるわけない。希望を見せた上でのリンチだよ。
だけど、その宇宙海賊は最初の1回を避けきった。避けきるどころか一つのナイフをキャッチして反対に商売敵のキャプテンを突き刺したのサ♡
その伝説が元で作られた遊びが宇宙海賊の間で流行って決闘で使われたり、単に娯楽として親しまれたノ。更に時間をかけて洗練されてスポーツになったものが「パイレーツボール」。
ルールは簡単。交互に5回ボールを投げ合う。投げる方は相手に当てれたら10点。投げられた方は避けてもいいけどキャッチできたら10点。そして投げ返して当てれたら10点。
投げ返したボールは最初に投げた人がキャッチしても点数は入らないしキャッチしてもそこで1セット終わり。大抵は避けるわ。
逆転用や同点用のルールもあるけど必要があれば説明するワ。
ルールは簡単。交互に5回ボールを投げ合う。投げる方は相手に当てれたら10点。投げられた方は避けてもいいけどキャッチできたら10点。そして投げ返して当てれたら10点。
投げ返したボールは最初に投げた人がキャッチしても点数は入らないしキャッチしてもそこで1セット終わり。大抵は避けるわ。
逆転用や同点用のルールもあるけど必要があれば説明するワ。
ミーラさんが指パッチンをすると景色が変わる。
今度は周りに観客がいてスポーツコートがある風景になった。
ちょうどテニスくらいのスポーツコートで僕とミーラさんが対峙している。
今度は周りに観客がいてスポーツコートがある風景になった。
ちょうどテニスくらいのスポーツコートで僕とミーラさんが対峙している。
本来「パイレーツボール」は重いボール、熱いボール、曲がるボールといった数あるボールから好きなボールを選んで投げる遊び。
でも闇の遊戯では違う!ランダムに並べられた3つの武器の中から好きなものを投げてもらうヨ!!
でも闇の遊戯では違う!ランダムに並べられた3つの武器の中から好きなものを投げてもらうヨ!!
ミーラさんがそう言うと僕の前に1つの手袋(?)が現れた。
ミーラさんは僕の言葉には耳を貸さず自分のグローブをはめた。
ミーラさんは手を掲げると手斧のようなものを出現させる。
いやいやいや。危ないでしょ!?
いやいやいや。危ないでしょ!?
この斧は当たっても身体は切れないヨ。安心して刺さってイイ。
だけど実体というか重さの実感はある。
わざわざこんな変わった斧で練習させてあげる理由は武器ってものは思ってるよりずっと重いってことを教えるためさ。
手が守られてるからって油断してたら……あっさり死ぬヨ!!
だけど実体というか重さの実感はある。
わざわざこんな変わった斧で練習させてあげる理由は武器ってものは思ってるよりずっと重いってことを教えるためさ。
手が守られてるからって油断してたら……あっさり死ぬヨ!!
そう言ってミーラさんは手斧を投げた!
いーーーーやーーーー!無理でしょ!?
ムリムリムリ!怖い!怖い!
僕は思いっきり避けた!
いーーーーやーーーー!無理でしょ!?
ムリムリムリ!怖い!怖い!
僕は思いっきり避けた!
ミーラさんはそう言ったかと思うとボールを投げてきた。
浮き球で優しい投げ方だ。
これは流石に受け止めれるかも?
ズシィ!!
いいいいい!?とっても重い!
僕はボールを抱えたまま倒れ込んだ!
ボールは僕の身体から転がって隣に落ちた。これはキャッチ失敗だ。いやそれどころか今のが斧だったら……。
浮き球で優しい投げ方だ。
これは流石に受け止めれるかも?
ズシィ!!
いいいいい!?とっても重い!
僕はボールを抱えたまま倒れ込んだ!
ボールは僕の身体から転がって隣に落ちた。これはキャッチ失敗だ。いやそれどころか今のが斧だったら……。
どうやら恐ろしいゲームに巻き込まれてしまったようだ!
正直斧投げられた時点でちょっと「ちびっちゃった」し……やっぱ逃げようか……。
正直斧投げられた時点でちょっと「ちびっちゃった」し……やっぱ逃げようか……。
タコに捕まっているゆずが僕を心配する。
ゆずが捕まっているのに勝負から逃げる訳にはいかない。
どれだけ怖くても……。
ゆずが捕まっているのに勝負から逃げる訳にはいかない。
どれだけ怖くても……。
僕がそう言うと目の前に3つの武器が並ぶ、ナイフ、バッド(?)、そして石だ。
僕は迷わず石を選んだ。
ゆずを怖がらせた相手で、下手したら僕を殺そうとしてる人だけど、僕には人に刃物を向ける勇気はない。
勇気はないというかそんなことしたくない。ゲームでは容赦なく刃物を振りかざしていてもそういうバランス感覚は狂ってないつもりだ。
ゆずを怖がらせた相手で、下手したら僕を殺そうとしてる人だけど、僕には人に刃物を向ける勇気はない。
勇気はないというかそんなことしたくない。ゲームでは容赦なく刃物を振りかざしていてもそういうバランス感覚は狂ってないつもりだ。
僕はそう言って第一投を投げた!
おぉ?僕はインドア派だけどそこまで運動音痴ではない。でも通信簿で「5」がつくようなスポーツマンでもない。
その割には石には勢いがあり鋭く加速している!コントロールも抜群だ!
もしかしたらあの石もただの石ではないのかもしれない。
が……!
ミーラさんは余裕でワンハンドキャッチした!
おぉ?僕はインドア派だけどそこまで運動音痴ではない。でも通信簿で「5」がつくようなスポーツマンでもない。
その割には石には勢いがあり鋭く加速している!コントロールも抜群だ!
もしかしたらあの石もただの石ではないのかもしれない。
が……!
ミーラさんは余裕でワンハンドキャッチした!
私は優秀な巫女になるために本当に努力した。
舞の技術だけでなくって身体を作るために子供の時から鍛えてきたし、礼儀や勉学も頑張ったんだよ。
そこまでやった理由は色々あるけド、簡潔に言えば、敬愛する主(しゅ)に一番近い場所で踊って主(しゅ)に見て欲しかったからサ。
だからこの程度じゃ当たってあげれないヨ。
舞の技術だけでなくって身体を作るために子供の時から鍛えてきたし、礼儀や勉学も頑張ったんだよ。
そこまでやった理由は色々あるけド、簡潔に言えば、敬愛する主(しゅ)に一番近い場所で踊って主(しゅ)に見て欲しかったからサ。
だからこの程度じゃ当たってあげれないヨ。
ミーラさんはそう言うと僕に向かって石を投げ返した!
!!
はっやっっ!!
僕が投げた石よりずっと早い!グングン伸びてくる!というか見てる間に目の前に迫ってくる!!
これ間に合わなくて頭貫ぬ……!
ブゥン!
石は僕の頭を貫く前に大きくカーブしてあらぬ方向に飛んでいった。
僕は尻をついて座り込んでいた。多分またちょっと「ちびってる」。
!!
はっやっっ!!
僕が投げた石よりずっと早い!グングン伸びてくる!というか見てる間に目の前に迫ってくる!!
これ間に合わなくて頭貫ぬ……!
ブゥン!
石は僕の頭を貫く前に大きくカーブしてあらぬ方向に飛んでいった。
僕は尻をついて座り込んでいた。多分またちょっと「ちびってる」。
だからあんなにコントロールよかったのか。
そしてミーラさんは自分の前に3つ並んだ武器の中からナイフを選んだ。
ゴクリ。
そしてミーラさんは自分の前に3つ並んだ武器の中からナイフを選んだ。
ゴクリ。
ミーラさんは無言でナイフを投げた!
うっわっ!ほんとに投げやがったこの女!
巫女が殺傷していいってどんな宗教だよ!!
あっ!
ゆっくりだ!さっきの石に比べてだけどゆっくりだ!
僕は思いっきり頭を抱えて避けた!
うっわっ!ほんとに投げやがったこの女!
巫女が殺傷していいってどんな宗教だよ!!
あっ!
ゆっくりだ!さっきの石に比べてだけどゆっくりだ!
僕は思いっきり頭を抱えて避けた!
そして……お互いに武器を投げあった。
僕は大体は石を投げて石がない時は当たっても死ななそうな武器を選んだ。ブーメランとかハリセンとか。ハリセンなんてなんで置いてあるのか意味が分からない。
でもこのハリセンがすごくて投げたら巨大化してミーラさんを押し倒した。
本人は無傷だが10点だ。他4回は全部受け止められてるからトータル40点献上してるけど。
こっちの武器をキャッチしたミーラさんは何かと理由をつけて投げ返してはこなかった。
逆にミーラさんは自分の番になると真面目に武器を投げた。僕は3投目までは避けきった。
結構すごくない僕?
でも4投目のナイフは避けたと思ったら追尾してきた。
ミーラさんが「宇宙海賊の話覚えてる?」って言いながら投げなかったら思いっきり背中に刺さっていたかもしれない。
ナイフは僕の腕をカスって地面に刺さった。これで10点。
ゆずが悲鳴を上げたが僕は元気な姿をアピールする。少し「ちびった」ことは内緒だ。
僕が5回投げ、ミーラさんが4回投げた時点で10対50点差で40点差だ。
僕は大体は石を投げて石がない時は当たっても死ななそうな武器を選んだ。ブーメランとかハリセンとか。ハリセンなんてなんで置いてあるのか意味が分からない。
でもこのハリセンがすごくて投げたら巨大化してミーラさんを押し倒した。
本人は無傷だが10点だ。他4回は全部受け止められてるからトータル40点献上してるけど。
こっちの武器をキャッチしたミーラさんは何かと理由をつけて投げ返してはこなかった。
逆にミーラさんは自分の番になると真面目に武器を投げた。僕は3投目までは避けきった。
結構すごくない僕?
でも4投目のナイフは避けたと思ったら追尾してきた。
ミーラさんが「宇宙海賊の話覚えてる?」って言いながら投げなかったら思いっきり背中に刺さっていたかもしれない。
ナイフは僕の腕をカスって地面に刺さった。これで10点。
ゆずが悲鳴を上げたが僕は元気な姿をアピールする。少し「ちびった」ことは内緒だ。
僕が5回投げ、ミーラさんが4回投げた時点で10対50点差で40点差だ。
一応、逆転用のルールがあって負けてる方はポイントの倍率アップを要求できるノ。
2倍なら最大40点、3倍なら最大60点手に入るワ。
その代わりボールを受ける側だったら投げられるものが強力になるし、一度上げた倍率アップは戻せない。
多分闇の遊戯で3倍にしたら爆弾とか細菌兵器とか出てくるからオススメはしないわネ。
2倍なら最大40点、3倍なら最大60点手に入るワ。
その代わりボールを受ける側だったら投げられるものが強力になるし、一度上げた倍率アップは戻せない。
多分闇の遊戯で3倍にしたら爆弾とか細菌兵器とか出てくるからオススメはしないわネ。
「知らない」は通らないわよ……?
遥か昔はなにを代償とするか事前に決めていたらしいけど、今は取り決めがなければコンピューターが戦績から決めてくれるしね。
えーっとどれどれ?オルタナボールくんなにがいいかしら?
あっそう。
よかったわね。腕一本ですって♡
遥か昔はなにを代償とするか事前に決めていたらしいけど、今は取り決めがなければコンピューターが戦績から決めてくれるしね。
えーっとどれどれ?オルタナボールくんなにがいいかしら?
あっそう。
よかったわね。腕一本ですって♡
僕はミーラさんが喋り終わる前にコソコソと逃げ出した。
とりあえずこのなんちゃらって空間は随分と丁寧に建物を再現しているようでコートの出入口に潜むことができた。
しかし「腕一本」って。いやいやなにが「よかった」だよ。
宇宙人って奴は頭の中ぶっ飛んでやがる。マジで。
………………。
まあ対戦してみてミーラさんの動きはすごかったからな。
祈るために努力したってのは本当なんだろうな。侮辱されてそれだけ怒ってるってことなんかなー。やっぱり言い過ぎちゃったかな。
とりあえずこのなんちゃらって空間は随分と丁寧に建物を再現しているようでコートの出入口に潜むことができた。
しかし「腕一本」って。いやいやなにが「よかった」だよ。
宇宙人って奴は頭の中ぶっ飛んでやがる。マジで。
………………。
まあ対戦してみてミーラさんの動きはすごかったからな。
祈るために努力したってのは本当なんだろうな。侮辱されてそれだけ怒ってるってことなんかなー。やっぱり言い過ぎちゃったかな。
クソ!あいつなんてこと言いやがるんだ!?
本当に折らないだろうな!?
本当に折らないだろうな!?
ヤバイ!行かないとタコにやられる!
……が僕は立ち止まった!
タコが首をブンブン振って触手であいっちいけのような仕草をしているからだ。
……が僕は立ち止まった!
タコが首をブンブン振って触手であいっちいけのような仕草をしているからだ。
ミーラさんはどこからか光状の剣のようなものを取り出してゆずとタコに近づいていく。
あいつは本気だ!
ゆずは泣きっぱなしだ!
僕はもうなにも考えられず走り出した!
あいつは本気だ!
ゆずは泣きっぱなしだ!
僕はもうなにも考えられず走り出した!
僕はそう言ってミーラさんの脚に抱きついた!
ズル……ズル……!
引きづられる。
ダメだ!絶対ゆずの方に行かせないぞ!
ズル……ズル……!
引きづられる。
ダメだ!絶対ゆずの方に行かせないぞ!
あっ斬られる……。
しゃーないか。ゆずが死ぬよりずっとマシ。
片手なくなったら生活不便だなあ。それともそのまま死んじゃうのかな。
漫画だと結構無事だけどリアルだとショック死するらしいじゃん。痛みや出血で。
あーあ。こんな宇宙人に出会わなきゃよか……!
!?
斬られた!と思った瞬間僕の体が宙に浮いている!
脚が何かで掴まれている感覚がある。
そしてタコの胸板に飛び込んだ。
しゃーないか。ゆずが死ぬよりずっとマシ。
片手なくなったら生活不便だなあ。それともそのまま死んじゃうのかな。
漫画だと結構無事だけどリアルだとショック死するらしいじゃん。痛みや出血で。
あーあ。こんな宇宙人に出会わなきゃよか……!
!?
斬られた!と思った瞬間僕の体が宙に浮いている!
脚が何かで掴まれている感覚がある。
そしてタコの胸板に飛び込んだ。
ミーラさんが僕たちを睨んだ瞬間予想外のことが起こった!
いいいかげんにしろぉぉぉおおおおおおお!!
私の名前はタコ美じゃなくってキララだ!!
頭に血が上ったらいっつも昔のあだ名で呼ぶんだからっ!
こんな小さい子どもたちを怖がらせてどうするの!?
危ない刃物を子供に向けたり、子供の首を折るなんて言ってそんなの「リブレス」の巫女失格だよ!失格!大失格!
私の名前はタコ美じゃなくってキララだ!!
頭に血が上ったらいっつも昔のあだ名で呼ぶんだからっ!
こんな小さい子どもたちを怖がらせてどうするの!?
危ない刃物を子供に向けたり、子供の首を折るなんて言ってそんなの「リブレス」の巫女失格だよ!失格!大失格!
それもかなり可愛い声だ。本当に乙女で女の子だったのかタコ……。
刃物を向けたからなにサ!たとえ相手が子供でも主(しゅ)を侮辱した人間を見逃したらその方が巫女失格サ!
私だって本気で殺すつもりじゃない!でも罰は与えなきゃいけないんダ!!
それに……それに……悔しいじゃないのサ!
私たちの敬愛する主(しゅ)を侮辱されたんだよ!私がどれだけ神に尽くしてるか、タコ美!アンタは分かってるはずじゃないカ!!
私だって本気で殺すつもりじゃない!でも罰は与えなきゃいけないんダ!!
それに……それに……悔しいじゃないのサ!
私たちの敬愛する主(しゅ)を侮辱されたんだよ!私がどれだけ神に尽くしてるか、タコ美!アンタは分かってるはずじゃないカ!!
僕たちの予想外なことにミーラさんが泣き出してしまった。
怒られた子供のようでどこか納得してない子供のようで余程悔しかったのだろうか。
タコが続ける。
怒られた子供のようでどこか納得してない子供のようで余程悔しかったのだろうか。
タコが続ける。
ミーラさんが泣きながらゆずの顔を見る。ゆずは先程よりは落ち着いたがまだ泣いている。
続いて僕……の顔ではなく僕の股間を見た。
ああ、薄々気づいてたよ。もう「ちびった」レベルじゃないことは。
続いて僕……の顔ではなく僕の股間を見た。
ああ、薄々気づいてたよ。もう「ちびった」レベルじゃないことは。
ミーラさんは泣き崩れながら謝った。
ミーラさん。実は僕も謝りたいんだ。
謝るってちょっと恥ずかしいんだけどさ。
僕、ミーラさんと「パイレーツボール」で勝負するまでミーラさんが神様にお祈りすることにそこまで本気だったって思ってなかったんだ。
美しい踊りを見せてくれたのにさ。全然分かってなかった。踊りが好きってくらいに受け取っててなんのための踊りかまで考えてなかった。
すごく努力してたんだね。
打ち解けたつもりでいて調子に乗って神様のこと悪く言っちゃったんだ。
ごめんなさい。
謝るってちょっと恥ずかしいんだけどさ。
僕、ミーラさんと「パイレーツボール」で勝負するまでミーラさんが神様にお祈りすることにそこまで本気だったって思ってなかったんだ。
美しい踊りを見せてくれたのにさ。全然分かってなかった。踊りが好きってくらいに受け取っててなんのための踊りかまで考えてなかった。
すごく努力してたんだね。
打ち解けたつもりでいて調子に乗って神様のこと悪く言っちゃったんだ。
ごめんなさい。
うう。教義には「誠意を持って謝罪する相手には寛容の心を持て」とあるワ。
分かったわ。私も子供相手に脅かすようなこといっぱいしてごめんなさい。
怒りに任せて教義に沿った行動が取れてなかったなんて、キララの言う通り、私は巫女失格だわ……。
分かったわ。私も子供相手に脅かすようなこといっぱいしてごめんなさい。
怒りに任せて教義に沿った行動が取れてなかったなんて、キララの言う通り、私は巫女失格だわ……。
ふう……よし!じゃあ一段落ってことでいいかな?
二人には怖い思いをさせてしまって申し訳ないけど、ミーラも本気で殺すつもりはなかったんだ。脅かして自分の怒りを知ってほしかったんだと思う。
投げてた武器も物体は斬れても肉体は傷つけないものだったんだ。闇の遊戯の代償も終わったらすぐ治すつもりだったみたい。
宇宙人の科学力だと手足千切れたくらいだと簡単に治せるから、宇宙人の中には手足くらい問題ないって考える人も結構いるんだ。
それでも思う所あるかもしれないけど、なんとか許してあげてほしい。
お願いします。ぺこり。
二人には怖い思いをさせてしまって申し訳ないけど、ミーラも本気で殺すつもりはなかったんだ。脅かして自分の怒りを知ってほしかったんだと思う。
投げてた武器も物体は斬れても肉体は傷つけないものだったんだ。闇の遊戯の代償も終わったらすぐ治すつもりだったみたい。
宇宙人の科学力だと手足千切れたくらいだと簡単に治せるから、宇宙人の中には手足くらい問題ないって考える人も結構いるんだ。
それでも思う所あるかもしれないけど、なんとか許してあげてほしい。
お願いします。ぺこり。
よく見ると僕の腕はナイフで斬りつけられたはずだけど服だけが斬れていて腕は無事だった。
それにしても手足がちぎれても平気だなんて宇宙人はすごいな。僕は絶対斬られたくないぞ。
絶対痛いし!
それにしても手足がちぎれても平気だなんて宇宙人はすごいな。僕は絶対斬られたくないぞ。
絶対痛いし!
ミーラさんがそう言うと周りの風景が黒い塗りつぶしに戻った。
そして4人の前に大きな穴が空いていて中から光が漏れている。
「じゃ行くわよ。」とミーラさんが穴の中に飛び込んだ。
僕とゆずは顔を見合わせてから思いっきって飛び込んだ。
そして4人の前に大きな穴が空いていて中から光が漏れている。
「じゃ行くわよ。」とミーラさんが穴の中に飛び込んだ。
僕とゆずは顔を見合わせてから思いっきって飛び込んだ。