2022年2月11日

文字数 4,832文字

2022年2月11日
 塗り薬を手に入れたものの、あまり効かず、帯状疱疹は改善しない。美紀は昨夜もよく眠れず、結局、途中でシャワーを浴びたと言う。おそらくまた免疫力が下がっているのだろう。

 帯状疱疹の原因は水痘ヘルペスウイルスである。子どもの頃に、美紀は水疱瘡にかかっている。このウイルスは、症状が治まっても、体外に排出されず、神経細胞に残る。ただし、普段は免疫により発症しない。しかし、ストレスなどによって免疫力が低下すると、ウイルスは帯状疱疹を発病する。COVID-19に感染する2週間前に発症し、かなりよくなっていたのに、今は両方に苦しめられている。

 どうものどに痛みを感じる。昨夜のチゲのカボチャを飲み込んだ時にやけどしたように思える。いがらっぼさは以前からあったが、それと違う。つねに痛みがある。

 ただ、歯磨き後の検温では37度1分である。特に熱はない。SPO2は97%で、正常値の範囲内だ。金曜日の朝は『ドリフ大爆笑』がない。CNNを流しながらストレッチをするが、身体に変調もない。その後、5000歩程度ウォーキングをするけれども、息が切れることもない。

 『NHK』は、2022年2月11日 13時32分更新「新型コロナ感染急拡大 “自宅療養” 家庭内感染防ぐ対策に苦労」において、自宅療養から家庭内感染を防ぐことの難しさについて次のように伝えている。

新型コロナウイルスの感染急拡大で、千葉県内の自宅療養者は第5波のピーク時の3倍近くにあたるおよそ3万人にのぼっています。自宅療養を行った女性は、子どもにうつさないように、使い捨ての手袋をしたうえで、さらに消毒をして子どもの世話をするなど、家庭内で感染を広げない対策に苦労したと話しています。
4歳の子どもがいる40代の女性はー
千葉市に住む40代の女性は、先月中旬、感染が確認され、軽症だったことから、自宅で療養しました。
女性は、夫と子ども2人と暮らしていて、当時、女性以外の3人は陰性だったため、部屋を分けて生活することにしました。
しかし、4歳の次男はまだ幼いため、女性は次男と同じ部屋で生活をすることにしました。
このとき、次男にうつさないように、常に不織布のマスクを着用し、こまめな手洗いを心がけるとともに、次男に触れる際は使い捨てのゴム手袋をして、その上からさらに消毒をすることや、トイレや浴室は使うたびにアルコール消毒を行ったということです。
家族に感染を広げず療養期間を終えることができたということですが、家庭内で感染を広げない対策に非常に苦労したと振り返ります。
女性は「下の子が年少で、私と一緒に過ごさないと生活が成り立ちませんでした。お風呂は自分が最後に入って、その後はアルコール消毒をしました。不安を持ったまま過ごしました」と話していました。
最終的に家族全員が感染したという女性はー
一方、自宅療養中、感染対策に気をつけたものの、結局、家族全員が感染したという千葉市の別の女性は「熱で頭がもうろうとなり、気をつけるべきところがおろそかになったかもしれない」として、家庭内で誰かが感染したことを想定して日頃から話し合って準備しておくべきだったと話しました。
千葉市に住む40代の女性は、先月中旬、のどの痛みや発熱があり、医療機関を受診したところ、新型コロナウイルスへの感染が確認されました。
女性は軽症と診断され、自宅療養をしましたが、熱が39度まであがった日が3日間あり、のどには針が刺さったような痛みがあって非常につらかったと話しています。
女性は娘3人と一緒に暮らしていて、部屋やトイレなどスペースを分けて、感染を広げないよう気をつけていましたが、最終的に全員が感染してしまったと話します。
女性は「何日かしてから歯磨き粉や歯ブラシを同じ場所に置いていたことに気付きました。熱で頭がもうろうとして、気をつけるべきところがおろそかになったかもしれない。いろいろなところに気付くことができなかった」と話しました。
そのうえで、家庭内で誰かが感染したときにどのように隔離をして生活するかなど、日頃から家族で話し合って準備をしておくべきだったと話していました。

 この記事を読むと、家庭内感染を防ぐことは極めて困難で、防止は運次第と思える。これは他人事ではない。ここまで大作を徹底しても、家庭内感染を防げないなら、うちは無理だと思わずにいられない。実家のように12部屋もあれば、自宅療養でも家庭内感染を防ぐのは可能だろう。しかし、2DKのマンションでは難しい。しかも、実家は介護しやすいように改築してあるので、感染予防に対応しやすい。狭い空間を有効活用すべく余裕がないこのマンションとは大違いだ。

 オミクロン株の感染力は季節性インフルエンザより強い。インフルでさえ十分にできないのに、一般家庭内でその感染を防ぐのは困難である。そもそも一般の住宅は感染症対策を前提に設計されていない。また、一般市民も必ずしも感染予防の知識・技能を持っているわけではない。このような状況の下で、家庭内感染を防ぐなどできるはずもない。

 しかも、都内には無料検査会場も設けられたけれども、概して検査が発症後に行われる。これでは不顕性感染する可能性がある。実際、うちでは症状が出てから陽性と判定されるまで4日かかっている。もちろん、発症前から感染予防はしていたが、あくまで家族同士は感染していないことを前提にしている。外出する際にマスクを着用するけれども、帰宅したら、それを外す。一も外と同じような姿勢で予防に臨んでいない。家庭内での感染対策が不徹底と言われればそれまでだが、安心できるところがないと、疲れてしまう。

 反ワクチン運動はこうしたいわゆる「コロナ疲れ」だけでなく、その動機は往々にして政治的でさえある。『NHK』は、2022年2月11日 5時49分 更新「仏 ワクチン抗議デモ 車列組んでパリへ 警察はデモ禁止し警告」において、暴力化する反ワクチン運動について次のように伝えている。

フランスでは飲食店などで新型コロナウイルスのワクチン接種証明の提示が義務づけられていることに抗議して、各地から車列を組んで首都のパリを目指すデモが行われています。警察はこうしたデモを禁止し、道路を封鎖した場合は禁錮刑の可能性もあると警告しています。
フランスでは飲食店や長距離の交通機関を利用する際に新型コロナのワクチン接種証明の提示が義務づけられていることに抗議して各地から車列を組んでパリを目指すデモ行進が行われています。
これはカナダでワクチン接種の義務化に抗議するトラックの運転手が道路を封鎖し物流をまひさせたことに触発された動きで、フランス各地を出発した車列は11日夜にパリに集結する見通しです。
パリの警察は10日、車列によるデモを禁止し、道路を封鎖した場合は最大で2年の禁錮刑と日本円でおよそ60万円の罰金が科される可能性があると発表しました。
マクロン政権は多くの場所で接種証明の提示を義務づけることでワクチン接種を推し進めていて、先月は一日の感染者数が多い日で50万人を超えていたのに対し最近では20万人前後になっています。
ことし4月に行われる大統領選挙では新型コロナ対策でどこまで成果を挙げたかも問われるだけに、マクロン大統領はワクチン接種に反対する動きに神経をとがらせています。

 マスクの公共性は「危害原理」に基づいている。J・S・ミルが『自由論』で述べているように、近代において保障されるべき個人の自由も他者の生命や財産などに危害が及ぶ可能性がある際には制限される。COVID -19は不顕性感染をする。マスクはそれから自身の身を守るものではない。他者に感染させないための予防具である。

 飲酒は個人の自由である。管を巻いている姿が見ていて不快に思えても、禁止はできない。気分を害する程度のことは自由の尊さのために我慢する必要がある。けれども、地下鉄の運転手や警察官が勤務中に飲めば、人々に危害が及ぶ恐れがあるので、彼らの飲酒は禁止できる。同様に、マスクをしないことは個人の自由だという意見は危害原理により斥けられる。

 近代は権利の体制である。集まって形成する社会のために、個人がその権利の一部を政府に信託する。政府は、この対価として、社会に義務を負う。他方、前近代は共同体主義である。義務の対価として権利が構成員に付与される。前近代と違い、近代は政府に個人に協賛を求めても、危害原理の根拠が十分でない場合、義務を課すことができない。しかし、マスクは危害原理に抵触するので、その着用を政府は義務化できる。

 しかも、感染拡大の抑止という共通善、すなわち公共の利益の実現に基づくマスクのある風景はこのパンデミックが必要とした新たな公共性である。

 一方、ワクチンの公共性性は二つある。

 一つは、マスク同様、危害原理である。不特定多数と接する、あるいは広範囲に移動する機会が多い職業の場合、その人が感染していると、他者に移してその健康や生命に危害を及ぼす可能性がある。カナダのトラック運転手への接種義務化はこれに当たる。

 もう一つは神の見えざる手である。ワクチン接種には副反応が伴う事が少なくない。しかし、感染や重症化を避けられるなど合理的に考えれば、利得が大きい。社会の大半が同様の認知行動をするなら、感染拡大を抑制できる。中にはアレルギーがあるなどさまざまな理由から接種できない、あるいはしたくない人もいる。けれども、大多数がワクチンを受けるなら、その目的は達成される。個々人の功利の追求が感染拡大の抑制という社会的な最大幸福を実現する。これが各国におけるワクチン政策の発想である。

 ワクチン接種には副反応があるので、義務化は難しい。ただし、危害原理がある場合はその限りではない。フランスの政策は義務化ではないが、感染リスクの高い空間に入りたければ、接種したことを証明する必要があるというものだ。この根拠は、神の見えざる手ではなしに、危害原理である。

 各個人にはワクチン接種しない選択の自由が保障されている。その際、政府が同調圧力を期待することは、許されない。個人の意思決定という内面の自由に政治権力が干渉し、公私分離に反することだからだ。しかし、危害原理に抵触する場面ではその事由も制限される。近代人はいずれも自由で平等、自立した個人である。そのため、相互に主体として扱わなければならない。けれども、危害原理を無視する時、自身の効用のために他者を客体と見なしている。このように功利主義からも義務論からも反ワクチン運動は正当化されない。

 夕食は豚の冷しゃぶ、野菜サラダ、ポテトとゆで卵のターメリックヨーグルトサラダ、菜花の辛子醤油和え、にんじんと豆腐の中華スープ、食後は緑茶、パール柑をとる。屋内ウォーキングは10287歩だ。都内の新規養成者数は18660人である。

参照文献
「新型コロナ感染急拡大 “自宅療養” 家庭内感染防ぐ対策に苦労」、『NHK』、2022年2月11日 13時32分 更新
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220211/k10013479271000.html?fbclid=IwAR0XRVIlHK_koRHsPbc_bc_ZI9_HujEXFRI40BYpap1Lbrxk_E8a21D4lzM
「仏 ワクチン抗議デモ 車列組んでパリへ 警察はデモ禁止し警告」、『NHK』、2022年2月11日 5時49分更新
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220211/k10013478911000.html?fbclid=IwAR3ZPSodmam0jGOiL0XXpWo16diqkNOa7eyL0zEeg_TDIzwXQaJNrREoyds

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