2022年2月13日

文字数 3,793文字

2022年2月13日
 5時50分に炊飯器の音がするが、起きるのが少々つらい。昨夜はのどの痛みが強く、どうも熱がある気がする。

 換気をしようと窓枠に手をかけると、冷たく感じる。食事の用意のため、浴衣からジャージに着替えるが、布が肌に触れると違和感がある。熱があるのは間違いない。Tシャツの上にコットンのタートルネックの長袖を着る。ただ、関節痛はない。

 朝食を口にしたが、嗅覚や味覚、食欲に変化はない。オミクロン株は、従来株と違い、こうした症状は少ないとされるので、安心できない。

 冷蔵庫のドアなど金属に触れると、冷たさがつらい。寒気もしないから、高熱ではないだろう。

 『TBSチャンネル2』で落語を聞きながら、30分ほどストレッチをする。特にしんどさはない。ただ、6時台の『落語特選会』以上に7時台の『落語研究会』ではさらに落語が頭に入ってこない。

 体温を計ると、38度1分だ。その瞬間、発症したと確信する。この値は一般の人の37度半ばくらいである。だから、高熱ではない。寒気や関節の違和感もない。

 美紀は、体温を聞くと、「ブラックホーク・ダウン!」とため息をつく。

 パルスオキシメーターでSPO2を計ると、96%である。きちんと測定できているのか不安になる。再度計ると、97%の表示だ。

 椅子に黙って座っている方が寒く感じるので、屋内をウォーキングする。汗をかきたいので、お茶を口にし、1000歩ほど歩くと、身体が温まってくる。しかし、汗は出てこない。特に、軽く運動をしても、身体のどこにも違和感はない。

 寒気もないので、エアコンは要らない。うちは冬も暖房を入れない。平熱が高いので、必要としないからだ。もっとも、うちのエアコンは動かしても部屋が暖かくならない。業者による掃除が必要なのだろう。

 10時頃に、東京都発熱センターに電話をする。混んでいてなかなか繋がらない。前回連絡した時に、どうすればよいのかわかっているけれども、確認の意味もある。対応者は荻窪の事情を知らないと察しがついたので、こちらから希望を伝え、理解してもらう。明日、美紀と同じクリニックで発熱外来の予約電話を入れることにする。

 毎日新規養成者数が 1万人を超え、その大半が自宅療養となれば、健康観察の人でも足りないに違いない。しかも、そこに1人増えそうだ。『NHK』は、2022年2月13日 7時36分 更新「新型コロナ 自宅療養者の健康観察 薬局が協力 東京 練馬区」において、健康観察の事情について次のように紹介している。

新型コロナの自宅療養者は都内で9万人を超えて最多となる中、練馬区では区内にある200か所の薬局に自宅療養者の健康観察に協力してもらう取り組みが進んでいます。新型コロナの薬を自宅に届けるとともに、患者にとって身近な医療従事者として体調の変化がないか聞き取っています。
都内の新型コロナの感染確認は、4日連続で前の週の同じ曜日を下回っていますが、連日1万人以上となっていて、自宅療養者は12日は9万人を超え、これまでで最も多くなりました。
練馬区は保健所の負担を減らそうと、区内の170か所の診療所や200か所の薬局が自宅療養者への健康観察を「複数の目」で担う取り組みを進めています。
練馬区東大泉にある薬局には、70代の女性を診察した医師から電話が入り、新型コロナの飲み薬を処方するので自宅に届けてほしいと依頼がありました。
薬剤師はFAXで届いた処方箋の情報に沿って薬を用意しながら、女性に電話をしてこれまでに副作用が出た薬がないか確認したうえで、薬の飲み方などを伝えました。
この日は雪が降る中、薬剤師はタクシーに乗って薬を届けていました。
この薬局で継続して健康観察を行う患者はおよそ30人に増えていて、ほかにも薬を処方した患者に電話をかけ、薬の効き目や現在の症状を確認したり、同居する家族に体調の変化がないか聞いたりして、「医師に状況を報告しておくので気になることがあればいつでも薬局に電話してほしい」と伝えていました。
自宅療養を続ける女性は「保健所や病院は忙しくてなかなか電話がつながらない中、気兼ねなく相談できる薬局の存在は助かります」と話していました。
會田一惠薬剤師は「医師も健康観察をしていますが患者をたくさん抱えて情報を整理するのが難しいと思うので、私たち薬剤師から見た情報も先生に集約することで診断の助けになればと思います。患者をひとりぼっちにさせないことが区の取り組みの特徴なので、医師に比べて患者に近い立場にいる医療従事者だと感じてもらえたらと思います」と話していました。

 この練馬区と杉並区は勝手が違う。今回のパンデミックでは自治体の対応と結果に随分と差があるように思える。都市は地方と比べて感染が広がりやすいものだ。しかし、その都市でも、人口比で見ると、養成者数や死亡者数に開きが認められる。そこに条件の違いはあるだろう。しかし、養成者数は多いのに死亡者数が少ない沖縄県が示す通り、行政の対応の差異が原因として大きいように思える。実際、墨田区を代表に福祉をはじめ社会保障システムの評判のよい自治体がコロナ対策にも比較的うまく行っていると見受けられる。率直に言って、首長がリーダーシップ願望に囚われて、システムを破壊、現場が働きにくい行政は危機に弱い。首長がやるべきは、現場が対応しやすいように調整して、いい組織を整備することだ。リーダーシップに名を借りたスタンドプレーは害悪でしかない。

 「カタカナの トの字に一の 敷きようで 上になったり 下になったり」。「ト」の下に「一」を敷くと「上」、上に敷くと「下」の漢字になる。「上になれば、棒が邪魔して、下のことがわからない。下になれば、棒が邪魔して、上のことがわからない。だから、「口」の真ん中に上から下まで通る「中」に最も情報が集まる。中辺がどちらにも口が効く。

 昼食30分後に体温を計る。38度1分で、上がってもいなければ下がってもいない。深呼吸をして気持ちを落ち着かせてパルスオキシメーターに人差し指を挟むと、97%でいつもと変わりはない。

 明日買い物に行く予定だったが、さすがに発熱しては出かけるわけにもいかない。2人共に外出できない。このままでいけば、水曜日に美紀は自宅療養が解除になる。しかし、そこまで食料品がもたない。

 実家に電話して、食料品を送ってくれるよう依頼する。特に欲しいのは動物性タンパク質だ。缶詰でかまわない。計算すると、火曜日の夕食と水曜日の朝食が足りない。しかし、まさか杏子さんに鳥のもも肉やアジの開きを買ってもらうわけにもいかない。発熱の件を杏子さんにメールで美紀が伝え、即座にありがたい返信が来たけれども、甘えるのはあまりにも申し訳ない。実家からは明日送るとの返事をもらう。

 午後もお茶や白湯を飲んで部屋を歩き回る。汗は出てこないが、安静にしているよりも身体が温まって楽だ。

 FBやTwitterで発熱を報告する。パンデミック初期と違い、オミクロン株では感染も珍しいことではないから、今では愚かで傍迷惑なバッシングはない。それよりも、知人に看護師など医療関係者がいるので、アドバイスをもらえるとありがたい。実際、ある看護師からFBで、感染したかどうかはまだ言えないが、麻黄湯を内服し、汗をかくようにと勧められる。

 夕食はジャスミン米のバターチキンカレー、野菜サラダ、ポテトとゆで卵のターメリックヨーグルトサラダ、食後は緑茶、みかんをとる。ジャスミン米はジャポニカ米よりカロリーが高い。こういう時にはもってこいだ。朝や昼と同様、食欲はあり、味覚や嗅覚に変化はない。

 歩き続けたので、屋内ウォーキングは12333歩にまで増える。体調が悪いのに、いつもより多くなってしまう。都内の新規陽性者数は13074人で、近々お仲間入りするだろう。

 7時半頃に入浴する。脱衣場で服を脱ぐと、急に激しい寒さを感じる。身体を震わせないとつらい。明らかに病気だ。急いで湯船に浸かる。バブの入った熱めの湯が心地よい。身体が温まっていくのを感じる。このままお湯に浸かって出たくない。

 風呂から上がると、入る時とは違い、寒さを感じない。身体の芯まで温まったのだろう。

 体温は38度1分で、SPO2は96%だ。体温は一定で、不思議なくらい変化がない。

 『ヒストリーチャンネル』で「COLA WARS/コカ・コーラvs.ペプシ」を見ながら、眠っている間に汗をかくため、エビスのプレミアムブラックを飲む。缶からグラスに注ぎ、二口で飲み干す。うまい。味覚はまったく正常だ。風呂上がりはビールに限る。

 靴下を履き、首にタオルを巻きつける。さらに水分補給をして9時前にベットに入る。
足裏に冷たさを感じないので、翌朝までに熱が下がってくれると期待する。

参照文献
「新型コロナ 自宅療養者の健康観察 薬局が協力 東京 練馬区」、『NHK』、2022年2月13日 7時36分 更新
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220213/k10013481401000.html?fbclid=IwAR1YZGSIqvCTIF_pikC-Q2e15oWP_cKxRGlkubiqNcyq7EQlR3USbtl_f5Y

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