虹のどこかに(青い鳥文庫プロット大賞)

[その他]

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雨上がりのピッチに、少女はサッカーボールで虹を描く。

登場人物

鉄/赤崎鉄馬(あかさき・てつま)


小学六年生。身長150センチ。一人称は「自分」二人称は「おまえ」。鍛えられた筋肉質の体に走っても乱れないヘアスタイル。家族構成は祖父、両親、兄。代々医者の家系で成績は全国模試に名前が出るほど。水泳が苦手なカナヅチ。嫌いな食べ物も好きな食べ物もない。

アンブレラ所属、背番号⑩。ポジションはミッドフィールダー。利き脚は右。好きな選手は中田英寿。

当たり負けしない強い体と高い技術を持ち、特に敵の急所を一瞬で突く鋭いパスは斧に例えられるチームの司令塔。反面走り回ること、ユニフォームが汚れるような泥臭いプレーを嫌う。

性格は勤勉で頑固、クールでドライ。見た目がいいので彼女ができても「中身がない」共に言われて別れられるのをひそかに気にしている。

普段から襟つきのシャツしか着ず、ユニフォームの襟を立てるこだりがある。

将来の夢は家業を継ぐこと。


【ネタバレ】

  兄・大地が視覚障がい者。

  全盲になった兄は医者になれないので、家業を継いで医者になり、両親が死んだら兄の面倒を見なければいけないのが自分の宿命であると覚りきっている。プロサッカー選手になりたい気持ちにふたをして、ケガをしないように無理をしないプレーを心がけている。

  だが兄のことは好いており、ボールを足から離さないボールタッチや匂いや音で敵を察知する能力は兄がやっているブラインドサッカーの影響である。

  みどりとの出会いで人には心があり、そして自分のなかにも心があることに気がつき、変わってゆく。

SO/草(そう)・オレンジペコ


六年生。170センチ。一人称は「ミー」二人称は「ユー」。背が高くやせ型。オレンジ色の髪、白い肌、エメラルドグリーンの瞳を持つ。家族構成は父(アイルランド人、イギリス人と間違われると怒る)母、妹(保育園)。勉強は全般的に苦手、特に算数は九九すら怪しい。持ってくる弁当の中身は玄米や野菜ばかりで肉や魚はなく、お茶すら飲めず自家製のトウモロコシ茶を持参している。

アンブレラ所属。背番号④。ポジションはディフェンダー(センターバック)。好きな選手は吉田麻也。

利き脚は「頭」と自称するほどヘディングが強く、調子が良ければキーパーの手より高く飛べる。長い足をツタのように絡ませてボールを奪うのもうまい。反面体重が軽いためぶつかり合いに弱く、集中を切らして致命的なミスをやらかす。

性格は飄々としていて動じない。根っからの草食系で女の子の話題にはほとんど乗らない。

ユニフォームのパンツをずり下げてはくこだわりがあり、普段の服装はアースカラーでまとめている。

将来の夢はプロサッカー選手。


【ネタバレ】

有機野菜農家である両親がビーガン。特に母親が肉や魚、乳製品などを子どもにも取らせない。身長に比べ筋肉量が少ないのはたんぱく質、集中力が続かないのは糖質の不足が原因。

  だが一心不乱に肉に食らいつくみどりに感化され、親にかくれて肉や甘いものを摂るようになる。

レオ/黄烈雄(ふぁん・れお)


六年生。身長160センチ。一人称は「俺」二人称は「きみ」。関西弁を使う。アフリカ系フランス人のクォーターで、褐色の肌とたてがみのようなアフロヘア、大きな口からのぞく八重歯が特徴的。家族構成は義父(韓国人)と母、家は焼肉屋。勉強は苦手ではないが図工や音楽のほうが得意。

アンブレラ所属。背番号①。ポジションはゴールキーパー。利き手足ともに右。好きな選手は川島永嗣。

猫のような柔軟性と俊敏さを誇り、どんなボールにでも反応するセービングが売り。肩が強くスローインがノーバウンドで敵陣に届く。また大きな声で的確な指示を出し、味方を励ます。しかし相手の足元に飛びこむプレーが苦手で、腰が引けてシュートコースを空けてしまう悪いくせがある。

陽気で豪放磊落ぶっているが非常に繊細で臆病なのを周囲には見抜かれている。SOとは対照的に肉食系で女の子に告白してはふられている。

ユニフォームは長袖長ズボンの上肘当てひざ当ても欠かさない。試合中は前髪を金色の輪ゴムで束ねる。普段はストリート系のだぼっとした服装でいる。

肉が好きで野菜が嫌い。

将来の夢は漫画家かミュージシャン。


【ネタバレ】

  実父から虐待を受けて育った。しつけと称してうなじにタバコの火を押し当てられて育った。その後母親が再婚、ひすい市に移住した。義父は彼を自分にそっくりだと言ってかわいがってくれるが人間、特に大人への不信感は根強い。

  みどりに怖がっているのは痛みではなく人間だと言われ、彼女が体を張って奪うゴールを自分の臆病さのために台無しにできないと、過去に向き合う覚悟を決める。

みどり(神崎みどり)


六年生。身長140センチ。一人称二人称家族構成不明。利き脚は(一応)左。鉄に低学年と間違われたほど小柄で、うなじが丸見えのベリーショートヘアなのに前髪は目が隠れるほど長いので人と目が合わずアイコンタクトができない。猫背ですり足で動く。

動画サイトにアップロードされた「天才サッカー少女、ゴール100連発!」という動画で次々と得点を決めまくる様子がバズりアンブレラのコーチの目に留まる。この動画の中の彼女は緑の黒髪が腰にかかる長さをしていた。

ポジションはフォワード。アンブレラでは空いていた⑦番をつける。体は小さく、足はのろく、リフティングは五回と続かない。唯一の取り柄が「ゴール前で」「ボールが転がる場所に」「ノーマークで待ってる」ことで、ただ蹴りこむだけのいわゆる「ごっつぁんゴール」を決めるのがほとんど。ただ相手が足でクリアしようとしたボールに頭からつっこむ無謀さ、相手のマークと駆け引きをするズル賢さは人一倍。

普段はほとんど話さないが、試合中は一人言を言っているか鼻歌を歌っている。特定の音に過敏に反応したり失敗が続くとゴールポストに頭を打ちつけるなど何を考えているかわからないところがあり、鉄たちを翻弄することになる。

Tシャツにジャージ、かばん、靴、全てが緑色だがスパイクだけがルビー色。お下がりのユニフォームが大きすぎて裾を出すとワンピースみたいに見える。試合中は緑色のマウスガードを使用しており、気味悪がられるのを楽しんでいる。

見るからにボロボロのサッカーボールを愛用しており、誰かに触れられたりバカにされると敵意をむき出しにする。

将来の夢は「虹のふもとに行くこと」。


【ネタバレ】

  神崎みどりは本名ではない。というより本名を誰も知らない。神崎という街にある児童養護施設に捨てられ、緑色に執着することから名前がつけられた。

  自閉症スペクトル(発達障がい)であり、言葉の遅れやコミュニケーションに問題を抱える。反面記憶力に優れ、緑色のピッチをながめているうちにボールや人の流れからどこにいればシュートが打てるかのパターンを読めるようになる。だが前述のコミュニケーション障がいやゴール以外何もしないことからどのチームにも長居できないでいる。「天才少女ゴール100連発!」の動画でユニフォームの色が次々と変わるのはこのため。だが本人はそれをつらいと思っておらず、ユニフォームの色が変わってきれいだとしか考えていない。

「虹のふもとに行きたい」とは、ユニフォームを変えながらいろんな場所に行きたい、という意味である。


【さらなるネタバレ】

病気で髪を失ったあをいに、ヘアードネーションでウィッグを提供した。動画では長かった髪が現在は後ろだけベリーショートになっているのはこのため。髪を切る前に孫(あをい)の恩人に礼を言いに行った監督はそのプレーを動画に収め、娘(コーチ)に見せたのが、みどりがアンブレラに加入するきっかけとなった。

あをい/大西あをい


六年生。スラッとした体型に背筋が伸び、立ち振舞いがエレガントな、青々としたスキンヘッドの美少女(彼女以外のチームメイトも全員坊主頭)。一人称「私」二人称「あなた」。

日向FCのキャプテン。背番号⑦。全てのポジションをこなすがピッチの中央からサイドに飛び出してゆくプレーが十八番。プレーのほとんどをこなす左足で七色のキックを蹴り分けるさまから魔法の杖と呼ばれるほど。ただし現在はフルタイムで出場はできず、出たり下がったりすることが多い。(少年サッカーは交替自由なため)

基本的に誰に対しても優しく接するが、アンブレラのコーチに対しては「おばさん」と呼び、あからさまな敵意を隠さない。

ユニフォームのソックスをかかとまで下ろしている(こむら返り防止のため)

フルーツが好きだが体重を気にして控えている。

将来の夢は「健康で長生き」。


【ネタバレ】

元はアンブレラの選手。現在みどりがつけている背番号⑦はもともと彼女がつけていたものだった。

しかし小児がん(白血病)を発症。コーチの厳しい指導に耐え続けたため体調の変化に気づくのが遅れ入院してしまう。

幸い一命は取り留めたものの、放射線治療の副作用で髪の毛が抜けてしまう。退院後はトップチームである日向FCに昇格する。日向FCの選手が全員丸坊主なのは、髪の毛を失った彼女を励まそうと自発的に行ったもの。

現在は寛解したものの体力が十分には戻っておらず、医師によりプレーを20分以内と制限されている。

コーチ/栗田藍之助(くりた・あいのすけ)


40歳。185センチ。一人称「あたい」二人称「あーた」

日向FCのヘッドコーチで二軍・アンブレラを指揮する。身長190センチ。元プロサッカー選手で七色のユニフォームをまとったことから「レインボーマン」と呼ばれていた。

現役引退後トランスジェンダーを公表。「ですわ」「なのよ」といったオネエ言葉を使うが、興奮すると「やっきりこく」など遠州弁になる。

選手によって接し方を変える指導が特徴で、鉄には厳しく、SOには悪友のように接し、レオには熱血指導する。

たまたま目にした動画「天才サッカー少女ゴール100連発!」で見初めたみどりを夏休みの間預かり、アンブレラに加入させた張本人。

嫌いな食べ物は青菜全般、特にほうれん草。


【ネタバレ】

本名・栗田藍子。2011年になでしこジャパンが世界一になった時のメンバー(第三キーパーで出番はなし)。

体は女性、性自認が「女性になりたい男性」というトランスジェンダー。なのでファッションは男で言葉使いは女。

  監督は父親、あをいは姪(姉の娘)。引退後父親を手伝ってコーチの仕事を始めるが、血縁者であるあをいを示しがつくように他の選手よりも厳しくしつけていたため病気の発症に気づけなかった。幸い骨髄のタイプがあをいと一致し、あをいは一命を取り留める。

  それ以来自信を失い、コーチを街に辞めるつもりでいたところ監督にみどりの動画を見せられ、こいつを育てられるのはおまえしかいないとはっぱをかけられて彼女を指導していた。

監督/小津紫郎(おづ・しろう)


60歳。日向FCの創始者であり監督。一人称「わし」二人称「貴様」。

宮崎県出身。筑波大学を経てアマチュアサッカーの名門「ジェイド技研」に入社、現在のひすい市に移り住む。万能型のストライカーだったが、プロサッカーリーグの誕生を目前にして一線を退く。引退後は社業に専念しつつ少年サッカークラブ・日向FCを設立、30年もの間毎年のように将来のプロサッカー選手を育て上げている「少年サッカー界の魔術師」。

喫煙者。スキンヘッドに野球帽がトレードマーク。若い頃に比べて腹周りがふくよかになったのが悩みの種。


【ネタバレ】

コーチの父、あをいの祖父。

そしてみどりの動画「天才少女ゴール100連発!」を作った本人。

  素質がある子どもしか育てない(次の道をなるべく早く見つけられるように)ポリシーがあり、シュートしかしないみどりを育てるのは自分にはできないと、あをいの病気でふさぎこんでいた娘(コーチ)に託した。

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小説情報

虹のどこかに(青い鳥文庫プロット大賞)

みつたけたつみ  mj4126

執筆状況
完結
エピソード
8話
種類
一般小説
ジャンル
その他
タグ
青い鳥プロット大賞2, サッカー, オズの魔法使い, ギフテッド, 女子サッカー
総文字数
8,311文字
公開日
2022年09月22日 22:45
最終更新日
2022年09月30日 23:00
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