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文字数 812文字

「ねえ、あたし役に立ってる?」
 大阪市内に有る「正義の味方」のフロント企業の事務所に偽装した場所の1つが、ボク達の今夜の宿だった。
 そこで、そう訊いてきたのは……沙也加さんと一緒に来た「魔法使い」系の女の子。
 けど……。
 訊かれた沙也加さんの顔が……真っ青になっていた。
 いや……「青い鬼」形態に変身する能力は有るけど……そう云う意味の真っ青じゃなくて、血の気が引いてるの意味だ。
「沙也加ちゃん……聞いて……え……えっと……」
「おい、表に、とんでもない奴が居るよ」
 その時、同じ場所に泊まっている別チームの人の声。
「一番近くに居る『神様』系は……? 可能なら山形支部の『アスラ』を呼んでくれ。あの人なら『水神』系を押さえられる筈……」
「って……何で、この場所に現われ……」
「あたしだ……」
 沙也加さんの声。
「『神様』系同士なら……相手の大体の場所が判る。そして……あたしは……ほんの一部だけど……神様系の能力が使える」
 あ……。
 広島でも、そうだった……。
「ちょっと待って、何か変だよ……。えっと、福岡の久留米支部の人、誰か居る?」
 えっ? 何で?
「ええええッ⁉」
 監視カメラの映像を見に言った沙也加さんのお兄さんが驚いたような声。
「久留米の奴、全員、あと、『副店長』と『門司工房』チームの人も来て下さい」
「どうなってんだよ、一体?」
 そして、呼ばれた人達が、後方支援要員含めて、監視カメラの映像が写っているモニターの前に集合すると……。
 そこには……。
「さ……佐伯……漣……?」
 広島を実効支配している暴力団「神政会」の裏ボスにして、「神様系」の中でも日本最強どころか世界最強候補の1人。
 ついでに、何故か、中学生〜高校生ぐらいに見える女の子を3人、引き連れている。
 あと、A3ぐらいの大きさの紙を、監視カメラに向かって広げていた。
『福岡県久留米市から来た者求む。ただし護国軍鬼以外』
 それが紙に印刷されていた文章だった。
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