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文字数 582文字
「今日も駄目か……」
1日1日、距離は延びてるけど、まだ、高良山の山頂の神社には辿り着けない。
「あたし……才能無いのかな?」
ここ数日は、組み技や投げ技の練習もやってる。
けど、全く巧くいかない。何が悪いのかも判らない。
打撃技も棒術も、練習の後に、撮影した動画を見せられ……毎日のように、ここが悪いと指摘される。
もちろん、まだ、師匠にもクソ女にも一発も当てられず……逆に、師匠やクソ女の攻撃は、全く防げない。
寸止めしてくれてるけど……本当に当てられてたら、全治何ヶ月か知れたモノじゃない状態だろう。
親は十年ぐらい前の富士山の噴火の時に死んでて……顔も良く覚えてないけど、実戦やホントの当てる だったら「親が見ても誰か判らない顔」にされてたのは確実だ。
7月も終らない内に夏休みの宿題だけは終ったけど……こっちの練習は全く先が見えない。
「おい……」
その時、背後から声。
「あ……」
「ウチの妹から、ここでランニングやってるって聞いたんでな」
声の主は、あのクソ女。
何故か、片手には……その辺りで拾ったらしい枯れ枝。
かなり長くて……あれ……この長さって……?
「ちょっと、着いて来い」
そう言って、腰のポーチからミネラル・ウォーターのペットボトルを取り出して、あたしに投げてよこす。
「な……何?」
そして、あたしとクソ女は、高良山神社を目指して道を登っていった。
1日1日、距離は延びてるけど、まだ、高良山の山頂の神社には辿り着けない。
「あたし……才能無いのかな?」
ここ数日は、組み技や投げ技の練習もやってる。
けど、全く巧くいかない。何が悪いのかも判らない。
打撃技も棒術も、練習の後に、撮影した動画を見せられ……毎日のように、ここが悪いと指摘される。
もちろん、まだ、師匠にもクソ女にも一発も当てられず……逆に、師匠やクソ女の攻撃は、全く防げない。
寸止めしてくれてるけど……本当に当てられてたら、全治何ヶ月か知れたモノじゃない状態だろう。
親は十年ぐらい前の富士山の噴火の時に死んでて……顔も良く覚えてないけど、実戦や
7月も終らない内に夏休みの宿題だけは終ったけど……こっちの練習は全く先が見えない。
「おい……」
その時、背後から声。
「あ……」
「ウチの妹から、ここでランニングやってるって聞いたんでな」
声の主は、あのクソ女。
何故か、片手には……その辺りで拾ったらしい枯れ枝。
かなり長くて……あれ……この長さって……?
「ちょっと、着いて来い」
そう言って、腰のポーチからミネラル・ウォーターのペットボトルを取り出して、あたしに投げてよこす。
「な……何?」
そして、あたしとクソ女は、高良山神社を目指して道を登っていった。