第6話 復讐-依頼

文字数 524文字

 桃子には帰る理由がなくなってしまった。渡辺組にはもう帰らない。また世界から取り残され孤独を感じることになってしまい居場所を失った。

 誠を殺した許せないやつ、そう山本組の坂口はどんな男か知りたい。いやどんな男でも敵を討ちたい。そして誠から預かった銃はここにある。
 
 しかしそれを誠はそれを望んでいるのか?

 銃を見つめながら心を落ち着かせてみる。

 渡辺組から山本組の距離は車で1時間ほどの距離だ。

 無意識にふらふらと銃を鞄にしまい桃子は歩いて向かっていく。

 ◇◇◇

 『俺だ。久しぶりだな。仕事がある。ちょっと消してほしい奴がいる』
 『......俺、もう足を洗ったんで、龍を使ってください』
 『龍は今はダメなんだ。頼むよ。どこにいるかわからないが若い女だ』
 『近藤さん、最近はこの仕事をしていないんです。普通に生きたくて』
 『ああ、わかっているって。急がせないよ。焦らなくてもいいから。詳細はいつもの合鍵屋の<鶴>で聞いてくれ』
 『殺る理由は教えてくれないんですね』
 『ああ。教えられない。これで最後だ』
 『もうこれをやり遂げたら自由にさせてください』
 『ああ。自由だ。こっちはこっちで動くから』
 『これで最後にしてください』
 『わかっているって』






 
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登場人物紹介

西山航。主人公。サラリーマン。

内縁の妻の桜見春奈。

田崎浩一。警察官。航の幼馴染で親友。

スーパーマーケット井田の親父。井田正人。

スーパーマーケット井田の奥さん。井田優子。

平野誠。暴力団、渡辺組の組員。

刑事の鳴海。

山本組の向井悟。

山本組の組長の山本。少し謎の人物。

渡辺組組長の渡辺。

渡辺組の近藤。

坂口。山本組の組員。山本の部下。

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