第3話 敏腕刑事の鳴海

文字数 509文字

 その頃、指定暴力団の山本組と渡辺組の抗争が一層激しくなったいた。
 山本組の一階事務所のシャッターに盗難車が突っ込まれていた。そのおかげて警察が辺りを巡回している。
 以前に山本組も渡辺組も互いにひとりずつ殺されている。未だに未解決事件となっていた。
 
 例に漏れず、スーパーマーケット井田にも刑事が聞き込みに来ていた。ここからなら山本組の事務所が見える。

「私は鳴海という刑事ですがこの事故のこと何か知りませんか?夜の十二時ごろです」
 敏腕刑事と噂の男は風貌だけ見れば暴力団員そのものだ。40歳くらいだろうか。

「大きな音で目を覚ましたけど、わしは何も知らんで。優子!何か知らんか?」
「あたしも知らんなぁ。音だけやわ」
 お客さんを相手をしていた奥さんの声が遠くから返ってきた。
「春奈ちゃんは何か知らんかなぁ?」
「い、いえ、何も......」
 リンゴをきれいに並べなおしながら答えた。
「そうですか。以前に殺しもあったので。細かいことでもいいので何か思い出したら連絡ください。また来ますよ」
 そう言って鳴海刑事が店を出たとき一瞬、何か思い出したように店内を振り返った。
 
 夜中だから誰も何も見ていないかと呟きながら帰って行った。
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登場人物紹介

西山航。主人公。サラリーマン。

内縁の妻の桜見春奈。

田崎浩一。警察官。航の幼馴染で親友。

スーパーマーケット井田の親父。井田正人。

スーパーマーケット井田の奥さん。井田優子。

平野誠。暴力団、渡辺組の組員。

刑事の鳴海。

山本組の向井悟。

山本組の組長の山本。少し謎の人物。

渡辺組組長の渡辺。

渡辺組の近藤。

坂口。山本組の組員。山本の部下。

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