エピローグ

文字数 619文字

 事件が解決したことで妻は勉強をやり直したいと言い出し夜間の高校へ進学。そして、大学へ通い経営学を学び、現在はスーパーマーケット井田の商売に役立てている。

 そう、何故、浩一は俺たちがペンションにいた事を知っていたかと言うと車だ。
 あの車、追跡装置が付いているらしい。
 だから浩一は車を素直に貸してくれた訳だ。
 それだけではない。
 盗聴器まで付いているらしい。さすがに抜かりないようだ。
 だから俺たち二人の会話は筒抜けだった。
 それを根拠に渡辺組の過去の悪事もわかり解散に追い込むことができ春奈の無実も証明できた。

 その時に浩一の父が大阪府警察本部長である事を知った。銃と共にすべてを上手く処理してくれた。

 浩一には隠し事だらけでいろいろと申し訳ないが万事解決した。

 春奈は大原桃子として内縁の妻ではなく、俺と結婚し西山桃子になった。

 ......そう、俺は春奈を桃子を愛してしまったのだ。

 毎日の様にチャンスはあった。何故、彼女は殺されなければならないのか、疑問が日に日に募っていった。そして、俺は依頼された仕事が出来なくなっていた。

 渡辺組長、近藤さんの依頼。

 殺し屋としての俺の人生は終えていた。

 普通の一般人になったことが夢の様だ。
 
 これは記憶が曖昧だが20年前くらいのできごとだろうか。

 妻には打ち明けようか。隠しておこうか。いや必ず打ち明ける。

 許してくれるだろうか。

 今、

 ......妻ではなく俺が、自分自身がわからない。


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登場人物紹介

西山航。主人公。サラリーマン。

内縁の妻の桜見春奈。

田崎浩一。警察官。航の幼馴染で親友。

スーパーマーケット井田の親父。井田正人。

スーパーマーケット井田の奥さん。井田優子。

平野誠。暴力団、渡辺組の組員。

刑事の鳴海。

山本組の向井悟。

山本組の組長の山本。少し謎の人物。

渡辺組組長の渡辺。

渡辺組の近藤。

坂口。山本組の組員。山本の部下。

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