第34話「猫カフェで両親に挨拶。」
文字数 994文字
彼女に肩を叩かれて我が家の猫カフェに入ると、僕に気づいた両親がこちらにやって来た。
母が冷やかすように微笑みながら言った。僕は顔が熱くなり目を逸らした。
彼女は元気よく言って両親にお辞儀した。
母と彼女は目を合わせて笑い合った。すぐに僕をからかうところは2人とも同じだ。それから彼女らの笑顔も似ているような気がする。
店内には僕らと同年代くらいのカップル、2人組の若い女性、それから幼稚園児くらいの男の子を連れた母親がいた。僕らは空いている角の席に座った。毎日見ている風景だが、客として来てみると店内は違って見えた。
母は僕らにメニュー表を手渡しながら言った。
母は仰々しく冷やかすように言うと、振り返って厨房の方に向かった。
しばらく店内を見回していると、一匹の茶トラ猫が彼女の膝に乗った。彼女は幸せそうな顔で猫を撫で、僕はその様子に見惚れていた。
彼女は儚い表情で優しく猫を撫で続けた。
母が僕らの飲み物を持ってこちらにやって来た。
母は飲み物をテーブルに置いた。母は空になったお盆を抱えながら、彼女の膝に乗った茶トラ猫の方に目をやった。
彼女は僕の膝に猫を乗せてみたが、嫌がるようにすぐ彼女の膝に戻った。
母はクスリと笑って猫を軽く撫でた。
彼女はからかうように僕の目を見た。2人の共通点、からかう所。
僕がよそを向くと、母と彼女は再び顔を合わせて笑った。やはり2人とも似ている笑顔だった。彼女は膝の上でくつろぐ猫を撫でながら母に言った。
母は微笑みながら少し間を開けた。