第43話

文字数 645文字

そして、作戦当日。

「田中伍長、出撃します。」
「米田兵長、出撃します。」

私と米田くんは、長谷川くんや甲斐くんの他、残った人達に敬礼をしました。
そして、戦闘機に乗り込み、
先に出撃した川本曹長と高橋曹長の後を追います。

私は飛び立つ直前、胸元のポケットに触れました。

「(紗和さん。また僕と一緒に戦ってね。)」

そう心の中で唱え、離陸しました。

『田中。聞こえたら応答せよ。』
「はい。聞こえます。」

高橋曹長から通信がありました。

『今回の任務は、皆との連携が大切だ。』
「はい」
『戦闘機に不備があったり、敵に撃たれた場合など、何かあったら直ぐに報告する様に。』
「了解!」
『よし、俺の機体は見えるな?』
「はい」
『周りに注意しつつ、ついて来い。』
「はっ!」



『こちら米田。背後に敵の戦闘機を2体確認。
挟み撃ちにされそうです。』
『こちら川本。分かった。
今からそちらに向かう。
高橋と田中はそのまま作戦通りに動け。』
『はっ!』
「了解!」



「こちら田中。敵の戦闘機を見る事無く作戦通りに拠点を爆撃出来ましたが…。」
『…なんか胸騒ぎがするな…。
川本曹長!米田!聞こえるか!?
応答せよ!!』
『ー、ーー……』
『おい!!何があった!!』

川本曹長、米田くんや他の兵士と通信が繋がりません。

「!!」

ですが、微かに聞こえました。
『バクゲキ、タスウ…』

「高橋曹長、微かに“爆撃多数”と受信しました!!応援に向かいましょうか!?」
『ああ。頼んだ。』
「行きます!!」

私は微かな通信を頼りに、激しい戦闘が行われているであろう所に向かいました。
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