第25話(第2部)
文字数 453文字
「ねえコバルト、ニュースが2つある。どっちから聞きたい?」
僕とコバルトは、いつものように海中を前進していた。
海中は海中だけど、まだ基地を離れてはいなくて、ゲートを出てすぐのところ。
視線を上に向ければ、大きいのや小さいのや、様々な軍艦の船底が笹の葉のような形をして、あちこちに浮かんでいるのを見ることができる。
戦争が始まって数か月がたち、前線の生活には僕も慣れつつある。
言い忘れていたけど、僕のようにサイレンに乗る者のことを、ストロベリーではライダーと呼んでいた。サイレンライダーだ。
戦争って、どんなふうかって?
さあ? 僕が目にしているのは、前線の一部の一部の、そのまた一部に過ぎないからね。全体像なんて分かりっこない。
そういえば、あるとき戦艦ヤマトを見たよ。
夜間、遠くにチラリと見かけただけだが、あまりのでかさに、コバルトと2人して口をポカンと開けた。でも、まさか攻撃命令が出ていたわけじゃなし、そのまま見送った。
巡洋艦を家来のように何隻も引き連れて、ヤマトはずっと南へ下って行ったよ。