この場所からもう一度
幼馴染の芹沢兄弟
兄の洸太と弟の奏太
主人公の望月菫は、旅に出たまま帰らない恋人の奏太をずっと待っていた
連絡もないまま過ぎ行く毎日の中、兄の洸太が菫を心配する
芹沢兄弟にしか心を許すことのない菫が、同期の鈴木に少しずつ気持ちを開いていくなか
どうして奏太は帰ってこないのかと苦しむ菫
真実を知ったとき、そばにいて欲しいのは――――
ファンレター
垂れこめた霧の中に閉じ込められていた霧の中から洸太や鈴木君や俊君や家族から 元気を貰ってようやく新生菫ちゃんの人生が始まりましたね。 まだ、若いから本当の人生はこれからだ。 菫ちゃんに乾杯!
菫が鈴木君に同情するのは女性だからやむを得ないが、少し冷静に考えると奇妙である。 父親が他界し、母一人息子一人になったら、息子は母を一人残して別居出来るものだろうか。 母親が気丈、且つ、丈夫で、私のことは心配いらないよと息子を送り出す場合は別だが。 この母親は特異な精神状態だから息子としたら実家に戻るか、自分のもとに引取るか、 鈴木君ならそういう気遣いをするべきだった。 自殺未遂までされては、親孝行な鈴木君は退社して実家に戻るしかない。 さて、菫はどうするか。
菫が洸太に「もういいよ」と言ったのは一寸気遣いが足りない。 でも、洸太は4才年上だけに大人だね。 鈴木君の連日欠勤は異常。 普通まわりの人間はみんな事情を知っている筈。 ストーリーにリアリティが欠けるのではないか。 両親とか身内の誰かが重病らしいけど、3~4日で帰って来るなら大したことなかったのだろう。 ただ、以前、俊君が鈴木君が大変だと言っていたというのは、これも何故菫は聞き返さなかったのか。
厳しい冬のあとに真っ先に咲くのは梅の花。 しかし、桜の花が咲かないと春は来ない。 鈴木君が桜の花を見せてくれて、菫ちゃんに又春が来る予感。 然し、桜の花は直ぐ散るから、物語の行く末はまだまだ分からない。
物語はいよいよ盛り上がりを見せ、それと共に筆捌きが冴えてきましたね。 洸太の愛と鈴木君の愛はどちらも美しく書けていますよ。 然し、肝心の菫ちゃんの気持はまだまだそれどころではありませんね。 此処まで来てもまだ先行きを読ませないのも上手いです。
のりのりですね。 文章力は絶好調。 然し、物語の方はというと、主人公は逆行性健忘に落ちいったくらい弱い精神の持ち主の菫ちゃんですよ。相当時間をかけないと正常な状態にはならない筈。それを洸太が突然の墓参で記憶を取り戻させるという 強硬手段に出たあとでしょう。菫ちゃんの神経が再びおかしくなってもおかしくない。 にも拘らず、俊君と鈴木君に全部話して酔いつぶれるという物語は理解に苦しむところ。
何故洸太はこのタイミングで菫を奏太のお墓に連れて行ったのかは良く分からないまま。 大きなショックを受けて記憶に蓋をしてしまった菫だが、もう3年も経過し、 菫の体力がついていて、大丈夫だろうと考えたのだろうね。 菫が俊君の料理が食べられるJAZZ BARに行こうと考えたのは、矢張り自力で踏み出して 行く力を持っている証拠だから、菫ちゃんは大丈夫だね。 鈴木君が可哀そうだけど、事情が分れば彼も自分の進むべき道をみつけるのだろうか。
奏太がもうこの世にはいないのは予想していたから「やはりね」という感じ。 でも、菫がその飛行機事故の記憶を失った経緯が謎。 ひょっとして、現代的では無いが、菫は後追い心中を図ったのか。 相変わらず、ミステリー・タッチが続く模様だが、エンディングの 予想は言わぬが花か。
恋しい奏太がいないから? 洸太や鈴木君が君に惚れているのに気が付かないのは、 君は鈍感なのか、女の子らしくないぞ。 奏太を話題にしたときの芹沢の両親の反応は何なのだ? 奏太は他人に言えないところに入っているようだ。 君はそれにも気が付かないとは。
菫は一人っ子? 親は跡継ぎの心配をする筈。 だとすると、母親が相手は洸太でも良いと思っているのは分からない。 菫が奏太の名前を出すと、何故みんなは話をそらすのか。 奏太は何処?
じれったいですね。 奏太が消えた理由ととか、何処にいるのかの答えを隠したまま、話を最後まで引っ張る作戦らしいですね。 鈴木君との一夜?も洸太との一日もそれなりに楽しませて貰えているから構いませんがね。 次は誰と何をするのでしょうか、楽しみですね。
- 1
- 2