桐一葉

作者 桐乃桐子

[日記・個人ブログ]

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57件のファンレター

梧桐一葉落天下盡知秋

(アオギリの一葉が落ちて天下の秋を知らせる。)

ファンレター

45話 推しの不在

桐乃さんならではの、しっとりとたおやかな語り口調の中に、炭火のように消えない熱を感じました。
派手にパーッと燃えるのではなく、じわじわと伝わる熱量。そして「……だめだ、泣きそう」が、沁みました。

純粋に楽曲を楽しんできて、解散発表でリーダーの苦悩を知らされるなんて辛かったですね。
簡単に「推し」と呼ぶことにためらいを感じるのは、そういう理由なんですね……。
桐乃さんの、好きなアーティストへの感謝、配慮、思いやりは、もはや「推し」の向こう岸へと解脱しているように感じました。
静かだけどひたむきで温かい。最後の二行はとても響きました。
桐乃さんの、こんなプライベートな気持ちが窺えるエッセイも好きです。

返信(1)

佐久田さん、ありがとうございます。
ほんとに、おっしゃるとおりで。どんなに好きでも、基本的にテンション低めなのでおおっぴらに燃えあがることは滅多になく、埋み火のように、奥底でいつまでもプスプスとくすぶっているかんじなのです。その代わり熱が冷めるまでが長くて。
熱しにくく冷めにくい、長く尾をひく、という目に見えない熱量。
すごい的確な表現にびっくりです。

活動再開は期待できない、という覚悟はそれなりにあったように思いますが、メンバー脱退と前後しての急転直下の解散宣言は、さすがに寝耳に水でした。
せめて、もうすこしナチュラルなかんじでの解散であったなら、いっときはショックではあるものの、そこまで引きずることはなかっただろうと思います。
ソロプロジェクトを開始するまえ、バンドを活動休止したときには彼のなかにはすでにもう、バンドに戻るという選択肢は存在していなかったのだなと知って、それがすごく衝撃でした。
彼はプロ意識の高いエンターテイナーでしたので、ファン(お客さん)であるわたしたちに、最後までそういった舞台裏を見せるつもりはなかったのかもしれません。それなのに、最終的にはこういう結果になってしまい、ファンよりもだれよりも、彼自身がつらい思いをされたのではなかろうかと、それを思うととてもやるせない気持ちになります。
はじめは志を同じくしてきた仲間であっても、ひとの心は生ものですから、年月とともに興味の対象が変化したり、心が離れてしまうのは仕方のないこと。
ファンへのメッセージに書かれていた「どうにもならないことがある」という彼の言葉の重みを感じます。

ほかのメンバーたちが連名で発表したコメントのなかでも触れられていましたが、解散発表後、ファンからはかなりの批判が寄せられたようです。活動再開を期待していた熱心なファンにとっては、この幕切れは許容しがたいものであっただろうと想像がつきます。
気持ちはわかる。でも。
なによりもバンドやファンのみんなを最優先にして文字どおり身を削ってきた彼に、最後に届ける言葉を、そういった悲しいものにはしたくない。ぜったいに。
すっきりと飲み込めない想いは、大なり小なりだれもが抱えているだろうけれど、それでも。
そう思うと、伝えたい言葉は「ありがとう」のほかにはありませんでした。
わたしの知る限り、彼には浮いた噂のひとつもなく、解散発表当時も独り身であったと聞きました。ご本人が望んでその状態ならいいのですが、もし立場上、パートナーを得ることが難しいからと自制されていたのだとしたら、もうその立場からは解放されて、彼個人としての人生を生きてほしいと願うばかりです。

また長々とすみません。ついつい語ってしまいました。どうぞ読み流してくださいね(>_<")
プライベートだだ漏れの文章をそんなふうにいっていただけて、心から感謝です。
「推しの向こう岸へと解脱」!
畏れ多いですが、そういう心境になれたらいいなと思います。彼が苦しむことなく、そして心穏やかに日々を過ごしてくれているなら、それがなによりうれしいです。
いつも気持ちに寄り添ってくださる温かいお言葉をありがとうございます(*´ω`*)