バイブル・スタディ・コーヒー ~スラスラ読める! 聖書入門

作者 mika

[歴史]

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バイブル・スタディの仲間たちの会話をちょっとだけ覗いてみてください。
寝ころんでスラスラ読める! 「物語」がわかれば、聖書は楽しい。
聖書を最初から最後まで読み通すのは大変です。途中でいやになってしまうことも珍しくないでしょう。
なんとなく難しそうでも、聖書のことばの向こうには、豊かな歴史と文化が広がっています。
どなたでも、実際に聖書を読んでみようというかたのお役に立てればうれしいです。


アイコンはTopeconHeroesダーヤマ様の「ダ鳥獣戯画」より使用させていただきました。

ファンレター

なるほど

mikaさん、ソドムの二作拝読しました。
この連載に影響を受け、『名画が描く 罪深き旧約聖書』(望月麻美子、三浦たまみ)を読んでいます。
ジョン・マーティンの絵を眺めながら、後世の解釈から現代に通じるところまで教えていただくのは、とても有り難いです。

本章に限りませんが、繰り返し出てくる物語の主題、展開は「千一夜物語」あるいは「西遊記」と同じような構造かなあ、と思いました。
「千一夜物語」は内容も共通性がありそうです。ルーツは「旧約聖書」なのでしょうが。

内容と離れそうなコメントですみません。引き続きよろしくお願いいたします。

返信(1)

村山さん、お読みいただきありがとうございます。本連載に触発されて、『名画が描く 罪深き旧約聖書』を手に取ったのですね! 旧約聖書に興味関心を持っていただけて、とってもうれしいです^^
ジョン・マーティンが描いたソドムの滅亡の絵は、版画作品と油彩画とあり、どちらも名画と言われていますね。特に油彩画の方は、映画のクライマックスシーンのような臨場感あふれる絵ですよね。この絵、逃げるロトと二人の娘は描かれていますが、妻と御使いたちは描きこまれていないですね。画家はなぜ、妻と御使いたちを省略してしまったのか、気になります。
個人的には、逃げるのをためらう(やはり財産を捨てていくのは惜しいでしょうから)ロトをせかし、ロトと家族の手をとって、一緒に逃げてくれる御使いたちというのは、とても人間らしく、神の憐みを感じます。
この場面を読むと、東日本大震災で逃げるのをためらい、津波で命を落とした人々のことを思い出します。(わたしの知り合いの家族も何人かお亡くなりになったのです。)御使いたちがしてくれたように、手をとって戸口から連れ出し、一緒に安全なところまで逃げてくれる相手がいたら、命を落とさずにすんだのでは…と思わずにいられません。

ソドムの滅亡についての解釈が変遷していった歴史をご紹介しましたが、「ソドムは同性愛の罪で滅ぼされたわけではない」ということをぜひ覚えてもらえたらと思います。1955年以降、現代の聖書学者たちは、ソドムの滅亡は歓待の掟を守らなかったことへの裁き、という解釈を支持しています。
しかし残念ながら、Wikipediaをはじめ、現在のネット上でも「ソドムは同性愛の罪で滅ぼされた」と書かれたページが数多く見られます。中世以来、広く一般に定着してしまった「ソドム=同性愛」という誤読を払拭するのは難しいのが現状です。

次回は、塩の柱になってしまったロトの妻のお話を解説したいと思います。引き続きよろしくお願いいたします!