「創世記」に挑戦しよう! 1章から50章までのあらすじ

文字数 1,165文字

今から学ぶ『旧約聖書』は、大小さまざまな39作品がおさめられた一冊の短編集なんだ。

異なる作家が、国や時代を超えて書きつないだ「連作物語」でもあるよね。

いろいろな学者の論文が入った歴史学の論文集にも似てるかな。

じゃあ、まずは「創世記」に挑戦しよう!


でも大作だから、いきなり1ページ目から読みはじめる前に、いったいどんな話なのか、全体のあらすじを整理してみようか。

 天地創造(第1章~2章前半)

② 全人類の歴史(第2章後半~第11章)

③ イスラエル民族の祖先たちの歴史(第12章~第50章)

第1章から第11章まで、世界と全人類の歴史という大きな物語が語られる。


「失楽園」「カインとアベル」「ノアの箱舟」「バベルの塔」といった、小説や映画で有名な物語がおさめられているんだ。

第1章 「天地創造」

第2章~第3章 「失楽園」:アダムとその妻エバがエデンから追放される

第4章 「カインとアベル」(人類最初の殺人):アダムの息子カインが弟アベルを殺す。+カインの末裔の系図

第5章 アダムの系図(アダムからノアまで)

第6章~第9章 「ノアの箱舟」(洪水物語)+農夫となったノアの失敗、カナンへの呪い、セムの祝福。

第10章 ノアの子孫の系図

第11章 「バベルの塔」(諸民族の離散)+セムの系図、テラの系図

第1章から第11章までは、アダムから19代(約1900年間)に及ぶ全人類の歴史だね。

いよいよ第12章から、

イスラエル民族の祖アブラム(のちにアブラハムと改名)が登場する!

第12章~第25章 「アブラハム物語」(族長物語)

第21章~第35章 「イサク物語」(族長物語)

第25章~第47章 「ヤコブ物語」(族長物語)

第37章~第50章 「ヨセフ物語」

第12章から第50章まで、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフの4代(約300年間)の物語がリレー式で書きつながれ、イスラエル民族の起源が語られているわけだね。
アブラハムは神にみちびかれて旅立ち、カナンの地に移住する。

アブラハムと妻サラは、子どもにめぐまれなかった。

年老いてから、アブラハムはエジプト出身の女奴隷ハガルとの間に長男イシュマエルが生まれた。

さらに年老いてから、アブラハムは妻サラとの間に次男イサクが生まれた。

アブラハムの妻サラは、女奴隷ハガルとその子イシュマエルを荒れ野へ追放した。

のちにイシュマエルの子孫がアラブ人となった。

アブラハムの次男イサクには、長男エサウと次男ヤコブが生まれる。

ヤコブはのちに「イスラエル」と改名する。

ヤコブの12人の息子たちは、のちに「イスラエル十二部族」の始祖となった。

ヤコブの十一男ヨセフが、エジプトの為政者となる。

ヤコブ(イスラエル)一家がエジプトに移住して、「創世記」は終わる。

参考

浅見定雄『旧約聖書に強くなる本』日本基督教団出版局、1987年

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登場人物紹介

考えるカエル

本を読むウサギ

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