三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

水のような表情

「水のような表情」。確かにこの表現、素晴らしい! 私もぞっとしました(笑)。他の方も仰っている通り、三奈乃さんのナビゲートが秀逸だと感じます。異界とどう「地続き」なのか、引用の仕方が的確なので、中身がすっと入ってきますね。
ナルコレプシーの人にとっては、生者も死者も、知っている人も知らない人も、みな等しく「客」なのですね。妙なリアルを感じました。
無常観がある一方で、やはり根無し草の悲しみも感じます。「なんまいだぶつ」を「たすけてください」の意に解釈する僧侶の言葉。二千年の時を超えて仏教がどんな風に人々の心を救ってきたのか、あれこれ説明するよりも的確に言い表しているような気がします。今回も素晴らしい書評でした。ありがとうございます!

返信(1)

つばめさん、お読みいただきありがとうございます!
このブックレビュー、いつも自分が本から受けた感動をうまく伝えられないもどかしさを感じているのですが、つばめさんを始め、読み巧者の方々に支えられてなんとか続けております。心からの感謝です~^^
色川武大のナルコレプシーは本当に重症だったらしく、目が覚めると、自分がどこで何をしていたのかわからなくなってしまうような状態だったみたいです。
一説によると、色川武大は自分がいつどうなってしまうかわからないという不安から、阿佐田哲也名義での娯楽小説の執筆によってお金を稼ごうとしたとも…。だからこそ、つばめさんの仰るように、「無常観がある一方で、やはり根無し草の悲しみも」という作風や生き方になったのかもしれないですね…。

「なんまいだぶつ」を「たすけてください」の意に解釈する僧侶の言葉。とても深い教理を、子供でもわかるようにやさしく、噛み砕いて教えてもらったようで、私もつばめさんと同じような気持ちになりました。
ああいう僧侶たちが、長い歴史の闇夜にともされた灯のように、人びとの心を救い続けてきてくれたんですよね…きっと!(*^^*)