三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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53件のファンレター

わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

あたりまえの日々の営みを支えるひと

ああ、南ノさんがこうの史代さんの作品を取り上げてくださってうれしいです(´;ω;`) こうの史代さんの漫画、大好きです。こちらの『この世界の片隅に』も『夕凪の街 桜の国』も映画化されたときに出不精なわたしが映画館まで観に行きました。『この世界の片隅に』はアニメ、『夕凪の街~』は実写化でしたが、どちらもとても良かったです。 すずさんの夫となる周作さんとの出会い、あの子どもの頃の不思議な体験をよすがとして、おとなになった周作さんはすずさんを探し出したんですよね。その一途さに胸キュンですし、南 ... 続きを見る

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『この世界の片隅に』

以前、桐乃さんがエッセイで『夕凪の街 桜の国』を紹介してくださって、そのとき一緒に『この世界の片隅に』も併せて購入して読みました。 読み飽きることのない、読むたびに発見があるような魂の籠った名作だと感じました。絵も唯一無二といった素晴らしさがありますよね。 今回、南ノさんの案内で、なるほど……と、作品の解像度が高まり腑に落ちた思いです。 そうそう、水原が訪ねてくるシーンは、ドキドキしました。 夫が、すずと水原が好き合っているのを察して、一夜、すずを差し出そうとしたので。水兵である水原 ... 続きを見る

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「緑の歌—収集群風—」すごく良かった!

 お試しで、少し読みました。最初の頁はこれ、写真?と思うくらいの美しさ。そしてもちろん、海辺のシーンでははっぴいえんどの「かぜをあつめて」を流しながら読みました。見開きが素敵だったなあ。「かぜをあつめて」は、あ、この曲か、と。どこかで気にも留めずに何回も聞いていた曲でした。はっぴいえんどの曲だったんですね。  ちょっと読んだだけでも、夏の海風の湿気と青春のあやうい透明感がたまりません。主人公が、テレビで見るアイドルのような美少女ではなく、素朴な可愛いお嬢さん、というところも萌えポイントでした。 ... 続きを見る

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第29話

なんて瑞々しく繊細な絵なんだろう、素敵……と読み進めると、松本隆や細野晴臣という懐かしい名前が! 小学生の頃、「ヤングソング(通称ヤンソン)」目当てで明星を買いましてですね、いろんな歌詞に目を通した結果、「松本隆っていう人の歌詞がいいかも」と思ったんですよね(←なに様)。松本隆の帯の言葉、さすがですよね。 それからやはり大昔、YMOのアルバムはお小遣いで全部買いましてですね、なので細野おじさんにはかなり思い入れがあります。(細野さんのテクノなソロも好き)(懐かしくて自分のことばかりすみません ... 続きを見る

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風をあつめて

わたしが普段よく利用している電子書籍サイトで台湾の漫画の特集が組まれたことがあって、そのときにこの作品が紹介されていました。確か去年だったので、5月の発売記念だったのかもしれません。そのときは購入するまでには至らなかったのですが、あ、台湾の漫画なんだ、と今でも印象に残っています。 その作品を南ノさんがご紹介くださるなんて!(*´∇`*) 南ノさんが書かれているように、半世紀前の日本の曲を(しかもカバーではなくオリジナル曲を)、台湾に住む当時高校生の少女が偶然耳にして、そのときの感動から生 ... 続きを見る

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27話、28話拝読しました。

 いや、面白かったです。本の中身はもちろんですが、なんと言っても南ノさんの紹介とそして、ところどころに入る突っ込みや捕捉や感想が、もう話芸といっていいような絶妙さでした。余すところなく魅力を伝えて、読者と本の橋渡しをしてくださる、まるで「まくら」のような本のご紹介、堪能しました。  自分に、クリスマスプレゼントとしてご紹介いただいた落語家さんエッセイ三部作を上げたいです。

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落語家を通じて「戦争」を語る

ここ最近NOVEL DAYSで、有識者のみなさんが「戦争」を語られていました。 この落語家エッセイ、楽しく読めてそして深く人生を語られていて、それだけでも十分素晴らしいのに、南ノさんの切り口で「戦争」に対するアプローチをされていて、非常に感銘を受けました。 自分の人生を話芸に昇華する、落語家の生き様。表面は飄々としているというだけに、なおさら凄まじさを感じます。 落語に興味が湧きました(エッセイでは特に『ま・く・ら』に)。 読み応えたっぷりな作品を、ありがとうございました。

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救われました

 「与太郎戦記」の回、拝読しました。壮絶な体験をされて重厚な噺を得意と――ではなくて、その影を引きずらず、春風のように軽やかな落語(それも新作!)を志向されたところに何だかこの方の凄みを感じます。Wikiを見てみると落語を好む女子大生から親衛隊の「落語ギャルズ」が結成されたとか。新しい風を先読みできる面白い人だったんだろうな、と感じます。南ノさんが抜粋してくださったいろいろな場面を読むと、客観的に自分を見ていた方なのかなと推察され、是非そういった方が書かれた戦中記を読んでみたいと思いました。 ... 続きを見る

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なめくじ艦隊という字面の強さ!

南ノさん、とっても面白く拝読しました! いつも思うのですが、こちらのレビューを読ませていただいた時点でもう、本編をすべて読破したかのような満足感を味わえますね。ありがとうございます(*^^*) それにしても、なめくじ艦隊というタイトルのインパクトときたら。「なめくじ長屋」なんて幽霊屋敷よりよっぽどホラーですよ! こんな「真打」は勘弁してもらいたいですよね(^^;) あの、確か綾辻行人さんの某館シリーズだったと思うのですが、上巻のラストがこういう虫系の阿鼻叫喚シーンで、クモとその虫だけは ... 続きを見る

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24,25話拝読しました。

 『旅する練習』、サッカー少女に、アントラーズ。純文学はどうしてもしかめっつらしい印象がありますが、この題材を見たときに今どきの風をはらんだ軽やかな印象を受けました。サッカーの練習をしながら旅をする。でも、私がちょっと思ったのは、これで間が持つの? でした。出会いがあったりはするのでしょうが、それでもこの題材で「話」としての起伏をつけることができるのか。いくつもの賞に輝くのですから、読者を引きつける何かがあるのでしょうね、ひねくれ者の私としてはそこがとっても興味深いです。  『なめくじ艦隊』面 ... 続きを見る

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コロナ禍渦中に於ける文学

南ノさん、こんにちは。第24話、更新日に拝読しておりましたが、先週は4回めのワクチン接種の副反応で寝ていたため今頃のこのことやって参りました。 なんだか周回遅れのような気分です(ショボン) 『旅する練習』見覚えのあるタイトルだなと思ったら、宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』が芥川賞を受賞されたときの候補作だったのですね。こちらはノーチェックだったので、ご紹介くださったお陰で知ることができました。ありがとうございます(*^^*) 「(サッカーの)練習をしながら、宿題の日記を書きつつ、鹿 ... 続きを見る

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「描写」する練習

読書日記ではお久しぶりになります^ ^ 今村夏子さんだけでなく、朝井リョウさんの『何者』も読みました! 読中読後のザワザワした感覚、どう表現したらいいのかなぁ、なんて考えながら、南ノさんのレビューを読み返してみると、何と的確で分かりやすい書評なの! と感動していたところでした。 『読者は「語り手」を無意識に信頼している』——ミステリ好きで、叙述トリックが大好物の私も、「何者」は見事に裏切られました。 南ノさんの書評を先に読んでいたにも関わらず、です。 理香に抱いていた感情も、所詮は ... 続きを見る

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24話 旅する練習

ああ、すごくよかったです。語彙力を失い、小学生みたいな感想ですみません。 南ノさんの作品が高品質なのは恒例のことなのですが、作品への温かな眼差しが沁み渡りまして……。 私は腰を据えて描写というものをしたことが無かったかも、と振り返りもありました。 休日に籠って地味な投稿作業をしていると、たまに「私は一体なにをやっているのだろう」と醒める瞬間があったりするのですが(汗)、「“練習する時間”が、実はどれだけ眩く光り輝いているか」の文章は、自分を肯定してくれているように感じました。 やっぱり南 ... 続きを見る

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練習する時間、ひとは輝いている。本人は気付かないものだけど。

乗代雄介さんと言えば、僕は乗代雄介さんが野間文芸新人賞を受賞した『本物の読書家』で、主人公が目指す先であるとある町(常磐線下りだと今は終点になることが多い駅です)で働いています。その物語は川端康成を巡るお話でもあります。そしてこの作品『旅する練習』もまた、文豪を巡る話でもあり、三島由紀夫賞受賞作なのですね。おー、すごい。と、いうのも、とある知り合いの書評家さんの話によると、「純文学作家がほしいのは芥川賞ですが、でも、芥川賞は新人の賞です。講談社の“芥川賞”が、野間文芸新人賞。新潮社の“芥川賞”は ... 続きを見る

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第24話 「練習する時間」の輝き

おはようございます。 昨夜拝読し、あまりの感動にすぐにファンレターをお送りしたい気持ちがうずうずしたのですが、我に返って今に至りました。 三奈乃さんのこちらのレビューを読ませていただいただけで心のなかにきらきらとしたものが…。三奈乃さんの感動が伝わってきたようでその輝きが消えないように、ギュッと閉じ込めたい気持ちになりました。 まずもって三奈乃さんの『今年度「心を揺すぶられ度」ベスト1』という本。それこそ「読まずにいられない度ベスト1」です。 そして内容を読ませていただくにつれきらきら感 ... 続きを見る

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兄妹探偵と猫

仁木悦子さん、未読でした。南ノさんのレビューを拝見してその場で即ポチりました。 もう、内容が気になりすぎですもん! 講談社文庫の発売日が14日とのことで、ま、待てない、と思い、同じく中村佑介さんが表紙イラストを描かれたポプラ文庫版です~。イラストもすてきですね(*´-`) 赤川次郎さんの『三毛猫ホームズ』シリーズを読んできた身として、これは読まずにはいられません。ご紹介くださったことに感謝です! 南ノさんが引用してくださった部分を読んでみても、おっしゃるとおり、今から65年も前に書か ... 続きを見る

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久しぶりですね

猫大好きです。今、本が無性に読みたくて。ご紹介ありがとうございます!

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あわいに立つ

色川武大さんの作品は阿佐田哲也名義のものも含めて未読でしたので、今回の書評もとても興味深く拝読しました。 南ノさんが引用してくださっている『怪しい来客簿』第一話「空襲のあと」を読んで、わたしも「あ、なんかわかるかも」と感じました。この、なんとなく怖いようなかんじ、をわかりやすく言語化されているところが、さすがはプロだなとも思いました。 「ナルコレプシー」という病気をはじめて知りましたが、突然起こる眠りの発作だけでなく、幻覚まで見るのですね。 亡くなった叔父が訪ねてくる場面の描写が妙にリ ... 続きを見る

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水のような表情

「水のような表情」。確かにこの表現、素晴らしい! 私もぞっとしました(笑)。他の方も仰っている通り、三奈乃さんのナビゲートが秀逸だと感じます。異界とどう「地続き」なのか、引用の仕方が的確なので、中身がすっと入ってきますね。 ナルコレプシーの人にとっては、生者も死者も、知っている人も知らない人も、みな等しく「客」なのですね。妙なリアルを感じました。 無常観がある一方で、やはり根無し草の悲しみも感じます。「なんまいだぶつ」を「たすけてください」の意に解釈する僧侶の言葉。二千年の時を超えて仏教がど ... 続きを見る

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『怪しい来客簿』

……読んでみたさが止まりません…。 そして、南ノさんがすごいです。(相変わらず語彙力貧弱な私(・・;)) こんなに、色川武大という作家と『怪しい来客簿』 という作品の世界にスルスルと誘い込んで離さない南ノさんが魔法使いに見えてきました。 その魔法にあっさりかかってことばの世界の旅に出る……という冒険ファンタジーの始まり始まり…。 訳わからなくて申し訳ありません。 三奈乃さんが魔法のステッキを軽々と振って、『本』の世界に私たちをいざなうイメージがしてしまいました。

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