奇譚草紙

[ファンタジー]

176

32,586

50件のファンレター

奇譚――奇妙な味の短篇、あるいは変てこな短い物語を、ほろほろと書いてみようと思います。

※不定期連載です。

ファンレター

白熊

母体回帰願望って、男性が持つものとして描かれることが多いように感じますが、女性だって傷ついて、何かにすがりたい時がありますよね。主人公を大きく包み込む白熊は、そんな女性たちが無意識に求める安らぎであるように感じました。
「黒曜石に似た白熊の眼に、わたしはいつも、この世界に対するごく控え目な思慮深さといったものを感じて心打たれるのだ」。三奈乃さんの文章って、本当に美しく魅力的! この筆力が、物語の世界へと引き込む原動力ですね。

返信(1)

本当につばめさんの仰る通りで、母胎回帰願望って男性的な願望として描かれることが多いですよね。例えば、山田風太郎。時代小説の分野で神格化されている作家ですけど、実は私、風太郎苦手なんです。それは『くノ一忍法帖』に、男性の母胎回帰願望がこれでもかってほど描かれているのが、なんだかグロテスクな感じがしてしまって(笑)…以来風太郎ってあまり読んでないんです。
こういう願望って、単に本能的なものの表れというより、ジェンダーとしての女性――社会的、文化的に求められる役割としての女性(あるいは母親)と関係があるような気がしてしまうんです(つばめさんの『ハッピーエンドのその先に』に、つい長々と感想を書いてしまったのも根っこはたぶん同じです。つばめさんとしてはごちゃごちゃした私の感想を読ませられて、さぞご迷惑だったと思います。すみません~><)
この『奇譚草紙』は、最初は自分でも無意識だったのですが、だんだん、自分を包み込んでくれたり、安らぎや慰めを与えてくれたりするものを書いているような気がしてきました。その与えてくれる存在が動物だったり、せっかく男性が出てきても「手だけ」になってしまったりするのが問題ですね!(笑)
つばめさんが褒めて下さった「白熊」の一行は、自分でもひそかに気に入っていたので、すっごく嬉しいです。本当にありがとうございます~(*^^*)