桐一葉

作者 桐乃桐子

[日記・個人ブログ]

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57件のファンレター

梧桐一葉落天下盡知秋

(アオギリの一葉が落ちて天下の秋を知らせる。)

ファンレター

悲しみはあとから

熱があって体がきついときにそんな辛いことが……。
世間的にはきっと、ほんとうならきっと、桐乃さんのことを一番に心配し、守ってくれるはずのひとが。
悔しいです。

悲しみという感情はどうしてこんなにじわじわとダメージを与えるのでしょう。即座に瞬発的に「傷つけられた!」と反応して、例えば大声で泣くとか「傷ついた」と訴えるということができたら、こんなにどんよりと説明のつかないような鈍い痛みに憑かれることはないのに、と思います。
私も傷つくまでにタイムラグがあります。「傷ついていいんだ」とまず自分に許可を出すところから始まります。そうじゃなければ「自分が悪い」と自分を責めていたり。感情処理というテストがあれば×だらけですね(笑) なかでもやっぱり「悲しみ」の感情処理は、昨今話題になっている「怒り」の感情処理よりもよっぽど難しい気がします。それだけ「悲しみ」というものはダメージが大きくて、体が(脳が?)勝手にごまかしてしまおうとするのでしょうか。

以前、こどものスポーツスクールで、お父さんがまだ小学一年生か幼稚園ぐらいか、幼い息子さんと一緒に私の前を歩いておられて「それでいいんか。もっとちゃんと怒りなさい」と話しておられるのが聞こえました。
私はその言葉にハッとしました。それまでの自分の子育てを振り返ると、お友達と仲良くするために「怒っちゃダメ」と我慢ばかりさせていたような気がします。明らかに自分のこどもが被害者の時まで。こどもの気持ちより、親としての自分の体面ばかりを優先していました。
そんな繰り返しで、こどもは自分の気持ちがわからなくなってしまうのだと思いました。

台所の隅に自分用の心のメモを貼るコルクボードを置いているのですが、そこに「あなたが傷つけられたことに、もっとちゃんと怒りなさい」と書いて留めました。こどもにはこう伝えていきたいなと思います。そして私も、心の傷を見てみないふりせずにちゃんと悲しもう、怒ろうと思います。なかなかできないですが……。

桐乃さんの傷口を洗い流して、消毒して、手当てするものがありますように……。
なにか、そういうものがありますように……。
せめて、体調だけでも、スッキリスッカリよくなられますように……。
今日の山口県の空が爽やかな秋晴れでありますように……。
夜のお月様がきれいに見えますように……。

『夕凪の街 桜の国』やっぱり読みたくて入手しました。先ほど届きました(*^_^*)
大切に読みたいです。

返信(1)

しおむすびさん、ありがとうございます。
ほんとにそう、じわじわとあとからきますよね。
傷ついたことの「傷」そのものより、だれかに(悪意をもって、あるいは無邪気に)傷つけられた、そのできごとのほうがダメージが大きいように思います。
「自分の思いすごしかもしれない」「きっと相手に悪気はないんだから」となんとか自分をなだめてやり過ごそうとしてしまいがちですが、それはあとあとまで違和感として尾を引くので、ごまかさず、
「ああ、自分はあのとき傷ついたんだ」
と認めることが大切なのだとあらためて思いました。
しおむすびさんの作品『せんぷうきはまわってる』の二葉ちゃんは、いままさにこの渦中にいて、すごく傷ついていると思います。悪意にさらされるのはすごく消耗しますよね。思春期のやわらかな心にはなおさらのこと。
「あなたはなにも悪くない。大丈夫だよ」
とそっと抱きしめてあげたいです。

スポーツスクールでのお父さんとちいさい息子さんのお話、そしてしおむすびさんのご経験に、とても共感しました。
たとえば自分がいやな思いをして、それをだれかに伝えたときに、もし
「気のせいじゃないの? 考えすぎじゃない?」
といわれてしまったら、モヤモヤを抱えたまま、そうか、自分が間違っているのかもしれない、と気持ちに無理やり蓋をしてしまいます。
行きすぎた被害者意識はまたべつですが、そうではなく、ただの事実として、自分の感情を認めることはとても大事なことだと思います。
とくにこの国では、自分を抑えることは美徳とされがちですが、不当な扱いを受けたと感じたら声をあげていい、だれかに話して
「そうなんだ、つらかったね」
と受けとめてもらえるだけでも気持ちが楽になる気がします。カウンセリングのようですが。
正しく怒ることは自分を守ること。それをないがしろにしていると、自分はそういう扱いを受けても仕方のない人間なんだ、とどんどん自己評価の低い人間になってしまいそうです。
しおむすびさんのお子さんたちは、きっと自分という存在に誇りをもつ、すてきなおとなに成長なさることと思います(*´ω`*)
自分の傷も、だれかの傷も、目には見えません。だから注意深く観察することが大事だなと思いました。

やさしいおことばをありがとうございます(。>д<)
傷口は豪快に洗い流してすっかり乾いたので大丈夫です! 根が雑な人間なので、少々のことではへこたれません(笑)
今日は暑いくらいに快晴で洗濯ものもよく乾きました。
お心遣いに感謝いたします(*´∇`*)

『夕凪の街 桜の国』いかがでしたでしょうか。理不尽で、悲しくて、それでもそれらをすべて呑み込んでひたむきに生きてゆくひとびとの営みが、とてもいとおしいと思いました。