奇譚草紙

[ファンタジー]

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50件のファンレター

奇譚――奇妙な味の短篇、あるいは変てこな短い物語を、ほろほろと書いてみようと思います。

※不定期連載です。

ファンレター

「鰻」と「指」、拝読しました!

「蛇」「鰻」「指」と漢字一文字のタイトルが続き、格好良いですね! 最近のラノベはあらすじが一見して分かる超長いタイトルが主流なので、漢字一文字だけってとても潔く感じます^^
「鰻」を読んで、すでに失ったものに囚われ続けしまう人の心というのを感じました。それは、「鯉」や「右手」や「蛇」にも共通するテーマだと感じます。それから、「出前を頼む」という言葉、久しぶりに聞きました。コロナ禍の中で、ウーバーイーツが瞬く間に浸透してしまって、宅食(宅配食)という言葉にすっかり置き換わったように思います。「うな重の出前」と言えば、非日常感やワクワク感が含まれた言葉ですが、「生協の宅食」と言ったら毎日の介護弁当のようなものを想像しますね。
主人公と連れの男性、年齢差があるせいか、かみ合ってないように感じながら読んでいましたが、「向田邦子のエッセイにはまっている」と言って、話が通じる相手を同年代で探すのはすごく難しそうだから、彼女と話が通じるお相手の方はやはりお似合いなのかも…と思い直しました。読書の趣味って、人に話すのはすごく勇気がいりますね。たとえば、わたしが向田邦子のエッセイを読んだという話をしたいとして、まずはじめに向田邦子とはだれなのかを説明しなければならないので。自分が好きな作家について話し相手が名前を知っているだけで奇跡ですね。

「指」は、主人公が自分から別れたお相手への未練をまだ持っているように感じました。彼女の夢は恐ろしいですね。独占欲の表れというのか…殺したいほど好きだったのなら、なぜ別れたのか…。彼の「あの人」は、特に性別が明らかになってないので、男性ではないかと読んでいて思いました。彼は実はクローゼットのゲイで、女性とつきあっていたのはカモフラージュでは(だから男性側は女性に未練がないし、ずっと独身)…と想像がふくらんだのでした^^
あと、以前のお返事であげておられた映画「霸王別姬」、学生時代に友人と観ましたよ~! ほかに印象に残っている中国映画と言えば、ロウ・イエ監督のSpring Feverです。これはとある映画祭に行って観ました。現代の南京を舞台としたラブストーリーで、人間関係が昼ドラのようにドロドロ。でも映像は昼ドラテイストでは無く、とても静謐で、アート系映画でした。

返信(1)

mikaさん、二話続けて読んで下さってありがとうございます!(*^^*)
そうなんです!仰る通り、最近のラノベって、もうタイトルがそのままあらすじなんですよね!(笑)
だから、あえて逆にいきたいというのがありました。そこを言及して下さって、とっても嬉しいです(^^)
「鰻」ですが、「出前」の部分に気づいて下さってありがとうございます!今は台湾もウーバーイーツのバイクがすっかり日常風景になってしまっていますが、つまり、これは現代のお話ではなく、出前というのが普通だった時代、ということなんです。出てくる男女の関係性とか、女性の言葉遣いとかもちょっと古風なのはそのせいなんです。…それにしても、このまま「出前」という言葉も死語になってしまうのでしょうか、それもちょっと寂しいような気もします^^;
「読書の趣味って、人に話すのはすごく勇気がいる」って本当ですよね。その意味で、mikaさんのブックレビューってすごいなあ、といつも感嘆しています。mikaさんのブックレビューは、どんな作品を取り上げても、決して読者を置き去りにしないんですよね。「読者が何を知らないか」、「読者にどこまで説明しなければいけないか」というバランスを常に考えていらっしゃるのをすごく感じます^^
「指」についてですが、私が書いていない部分も想像して下さって感激です!(*^^*)実は私としては「あの人」は女性のイメージだったのですが、確かに性別は作中で言及していないので、mikaさんのように想像していただくことも可能です。そう考えると、男性のイメージが全然変わってしまうのが、逆に私にとってすごく新鮮でした!ありがとうございます^^
「霸王別姬」、御覧になっていたんですね~^^私は「Spring Fever」という映画は知らなかったので、ちょっと調べてみました。原題は『春風沉醉的夜晚』って言うんですね。主役の一人を演じた秦昊っていう俳優は、別の中国ドラマに出ていたのを見たことがあります。映画の方も、今度観てみたいと思います~(^^)/