三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

『殺人出産』

南ノさん、『殺人出産』のレビューを拝読しました。
これは僕が村田沙耶香さんにハマるきっかけになった作品でして、コメントせざるを得ません!

・殺人がなくならない中で、いかにすればこれを正当化できるか?
・殺したら人口はさらに減るので、増やす手立てがあればいいのでは?
・産むという行為は、女性だけが担い続けるのか?

などの社会的、哲学的テーマを、作家特有の性的なものを多分に含む感性と、SFでくるんだ作品だと思います。星新一さんの「生活維持省」という短編が『ボッコちゃん』に入っていますが、僕はそれに近い思想を感じました。人間が人間の自然な部分を自ら制御する、という意味で。

そして南ノさんが指摘された、アニメの影響。これは自分的には言葉に出来なかったモヤモヤ感を表現してくれたキーワードになりました。なるほど!


大変参考になりました。
有り難うございました。


返信(1)

村山さん、お読みいただきありがとうございます!
村山さんは村田沙耶香さんの著作にハマっていらっしゃるんですね^^
なるほど、村山さんは星新一を思い浮かべられたのですか。「生活維持省」は政府が人口をコントロールする話ですよね。確かに、政府が個人生活の「自然な部分を制御する」というところが『殺人出産』にもありますよね。(『ボッコちゃん』は確か初めて読んだ星新一作品で、好きな本でした。懐かしい~^^)
作中の「殺人出産システム」そのものは、実はけっこうツッコミどころのあるもので、ハクスリーの『すばらしい新世界』みたいに緻密に構築されたものとは違いますが、村田さんの場合は、そういうシステムの合理性より、それによって人間の道徳観や感覚、思想がどう変化してしまうのかを描くのが主眼で、そこが文学作品として評価が高いところなのかなあと私は思いました。
村山さんの村田沙耶香レビューもぜひ読んでみたいです!