奇譚草紙

[ファンタジー]

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50件のファンレター

奇譚――奇妙な味の短篇、あるいは変てこな短い物語を、ほろほろと書いてみようと思います。

※不定期連載です。

ファンレター

第9話 声

この作品も好きです。粗忽な私は最初、『フレイグランド・オーキッズ!』のスピンオフかな?なんて思ったりして。
この表現が好き、ここも、とあげたらきりが無いのですが、やっぱり一番は「人は時として未来を見る――」主人公が悲しみの予感に涙するところ、「わかる」と感じて心に沁みました。
『声の記憶』のときから、南ノさんは声を描写するのが本当に見事ですよね。作中の“あの方”の声質が文章から浮かび上がって、その声が「さびしい花だね」なんて台詞を言う。(“あの方”の最後の儚さが、源氏物語の夕顔を彷彿とさせる?深読みするのは野暮ですね)
短編なのに、仄めかした時代背景と主人公の鮮烈な心の揺らぎがこんなに込められるなんて。嬉しいとか悲しいとか表現しなくても、それ以上の繊細な感情が伝わってくる、奥行きのある豊かな作品でした。

返信(1)

佐久田さん、ありがとうございます!
「好き」と言っていただけるのが、本当に嬉しいです(*^^*)
実は――そうなんです、当初の意図は、『フレイグランド・オーキッズ!』のスピンオフのつもりだったんです。でも、思った以上に悲しい話になってしまって、なんだか登場人物の名前を書くのが可哀相でできなくなってしまい、それで名無しの一人称にしました^^…でも、オーキッズの彼女たちそのものではないとしても、私のイメージの中では、やっぱり香蘭女学校の生徒という設定でした。「夕顔」の花も、仰る通り『源氏物語』からの連想です。なんだか手のうちを、すっかり佐久田さんに読まれてしまっているようで、レターを読ませていただきながら、ドキドキしてしまいました^^ゞ
「声の描写」について過分なお褒めの言葉をいただき、恐縮しつつ舞い上がっております(^^)
「声」というのはもちろん「音声」であって、それをそのまま文字では表せないわけですけれど、「声を聴いた時の感じ」というのは、逆に文字でしか表せないのではないかなあ、なんて…。
本当に丁寧に読んで下さって、佐久田さんに読んでいただけるありがたさを噛みしめております~(^^)/