三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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53件のファンレター

わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

コロナ禍渦中に於ける文学

南ノさん、こんにちは。第24話、更新日に拝読しておりましたが、先週は4回めのワクチン接種の副反応で寝ていたため今頃のこのことやって参りました。
なんだか周回遅れのような気分です(ショボン)

『旅する練習』見覚えのあるタイトルだなと思ったら、宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』が芥川賞を受賞されたときの候補作だったのですね。こちらはノーチェックだったので、ご紹介くださったお陰で知ることができました。ありがとうございます(*^^*)

「(サッカーの)練習をしながら、宿題の日記を書きつつ、鹿島を目指す」という、亜美ちゃんならずともわくわくするような、普通の旅とはいっぷう違った「練習の旅」も魅力的ですし、「コロナ禍の現在を舞台とした物語」というのが個人的にはとても興味を引かれるものがあります。
過ぎ去った災厄ではなく、現在進行形の未曾有の疫病による影響を、ドキュメンタリーではなく「文学」のなかにどのように落とし込むのか、というのが最近わたしが関心を持つテーマのうちのひとつでして。
たとえそれが主題のお話ではなくても、物語のなかでコロナウイルスがどのような影響を及ぼしているのか、といった部分についつい目が向いてしまいます(^^;)

南ノさんの文面から伝わってくる、いきいきとした亜美ちゃんの姿もとってもすてきですし、語り手であり作家でもあるという叔父の「私」の内面も、もう少し覗いてみたいという気持ちがむくむくと湧いてきます。
(叔父さんが名付け親というのもなんだか珍しいような気がします)
ラストに待ち受けているという伏線回収もすごく気になる……!
あと、わたしは西日本から出たことがないので、安孫子から鹿島までの道中の風景描写にも興味津々です~。(もちろん、千葉県から茨城県までの距離感も全然わかっていません……汗)
今回も興味深い作品をご紹介くださり、ありがとうございます! 次回も楽しみにしております(*´∇`*)

返信(3)

桐乃さん、お読みいただきありがとうございます!
更新日に読んで下さっていたとのこと、とっても嬉しいです‼(*^^*)

コロナと言えば、実は私は今年の8月下旬に本物の方に罹ってしまっておりまして……ワクチンのおかげで軽症で済んだのですが、微熱と節々の痛みがかなり辛くて、その感じが第一回目のワクチン接種の時の副反応とそっくりでした。ですから、桐乃さんもお辛かったことと存じます…><(軽症ってあんな感じです!)
ただ、本物の方はワクチンと違って後遺症があり……私は一か月半くらい、異様な倦怠感に悩まされました。…やっぱり罹らない方がいいです。桐乃さんのご健康が今回のワクチンによってしっかり守られるようお祈りいたします!^^

そうなんです、桐乃さんの仰る通り、『旅する練習』は『推し、燃ゆ』と共に芥川賞候補作になりました。『推し、燃ゆ』がタイトル通り「推し」という存在を持つ人の内面と生活を描いたという意味で現代的だとするなら、『旅する練習』の方は、正に桐乃さんのお言葉通り、コロナという「現在進行形の未曾有の疫病による影響を」、文学作品に昇華させたという意味で現代的だと言えるかもしれません^^

二人が旅に出たのは、そもそもコロナのせいで亜美の学校が休校となり、春休みの予定も全部取り消しになったからですし、また、亜美ちゃんと「私」が歩いていく道に、ほとんど他の人間が現れてこないという部分に、その影響が端的に表現されています。人がいない代わりに、自然が前面に出てくるのですが、その描写の美しさは、同時にあの時の日本の貴重な記録にもなっていると思います。(インタビューによると、作者の乗代さんは、主人公たちと同じように自分の足で何度も歩いてみたのだそうです)

「千葉県から茨城県までの距離感も全然わかっていません」との桐乃さんのお言葉ですが、千葉の隣の神奈川出身の私も、実は茨城方面というのはあまり行ったことがないんです(元々地理オンチのせいもあります)^^;
そこで調べてみたのですが、距離にすると約74km、電車なら約2時間の行程です。しかも関東平野ですから、山あり谷ありというわけではなく、基本的に平らな道を歩いていくのですが、作中の二人はそれぞれ練習しながらのろのろ進み、また亜美の母親との約束で、日が暮れるまでにホテルに入らなければいけないこともあり、何日もかけて歩いていくんです。二人の掛け合い(?)がけっこうユーモラスで、弥次喜多道中記的な楽しさもあります^^

しかも、そうなんです。叔父さんが「名づけ親」というのも珍しいですよね…^^
一見地味で淡々と描かれている作品なのですが、実は細かい仕掛けがいろいろあって、なかなか一筋縄ではいかないところが小説としてとても面白かったです!
ラストは……やられました!(でも、こ、これ以上は言えません^^;)

読んでいただけただけでもありがたいですのに、お心のこもったレターをいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!
本当にありがとうございます♪♪(*^^*)
ご返信をありがとうございます。
そうでしたか、コロナの感染と後遺症、さぞかしお辛かったこととお察しいたします(>_<")
熱と関節痛、しんどいですよね……。
日本では今また第8波が始まったところで、おそらくこれから年末年始にかけて続くのではないかと思われます。
インフルエンザも流行る時期ですし、お互い、気をつけて過ごしましょうね。

南ノさん、神奈川県のご出身なのですね! あっ、先日知人からお土産でいただいた「くるみっこ」(表記が違っていたらすみません)というお菓子がとってもおいしかったです(*´ω`*)
(すぐ食い気に走る桐乃です……)
そして、千葉県から茨城県へのリアルな行程、教えてくださってありがとうございます! 電車で2時間ほどの距離を泊まりがけで歩きながら(練習しながら)進んでいくというのも、なんだか乙なものですね(*´-`)
ロードムービーとか、目的地へ向かう道中のあれこれが好きなので、こちらの「弥次喜多道中」も興味津々です~。

あっ、仁木悦子さんの『猫は知っていた』すごく読みやすくて面白かったです!
のっけから、仁木兄妹が住んでいた部屋を追い出されて、小さなお嬢さんのピアノの先生として病院に招かれ下宿する……という流れに、「この兄妹は両親を亡くして身を寄せ合って暮らしているのかしら」と想像をたくましくしたのですが、この当時では、そういうふうに下宿生活を送ることが珍しくなかった、と解説で知って、なるほど、と納得しました。
そういう時代背景なども新たに知ることができて楽しかったです。またnoteのほうに詳しい感想など書き留めておきたいと思います(*^^*)

こちらへのご返信はどうかお気になさらず。
またお邪魔させていただきます(〃ω〃)
桐乃さん、ご返信ありがとうございます!
最新の「業務連絡」も拝読したのですが、私は時間に関係なく、桐乃さんからコメントをいただけるのがとにかく幸せです‼(*^^*)
でも、桐乃さんはお仕事、本当に御多忙なご様子……どうかご無理なさいませんように……それだけが心配です…。

「くるみっこ」(私も表記はよくわかりません…汗)は、私はそれこそコロナの前、一時帰国で実家に帰った時に、母から「最近、これ有名なのよ」と勧められて、「へー、そうなんだ」と初めて知ったんです。だから、私の中ではあのお菓子は比較的新しいものという認識なのですが、ただ……うちの母の「最近」はあまりあてにならないので、もしかしたらそれ以前からずっとあるお菓子なのかもしれません……^^;

おお、そうですか!『猫は知っていた』を読了なさったんですね!実は……桐乃さん、もうお読みになられたかな?……とお訊きしたくてウズウズしていましたので、noteの方で「詳しい感想」を読ませていただけるとのこと、歓喜です‼(*^^*)
noteと言えば、「消えた少女漫画家の話」、すっごく面白かったです。
noteの記事、楽しみに待ちます~♪♪(あ、でもくれぐれもご無理のないようになさって下さい。ゆっくり待ちます^^)

第8波……もう溜息しかありませんね……ワクチン接種で軽症になるとは言え、アレは本当に罹らない方がいいです。どうかご自愛下さいませ!