伊万里Ⅱ 船乗りウィレムの話

[歴史]

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7件のファンレター

 かつて日本から世界中に運ばれた「古伊万里」たち。
 その中のある一枚のお皿にスポットを当て、オムニバス形式で追う物語です。

 こちらはその第2話目(全4話)。古伊万里の運搬に当たった海の商人を取り上げました。
 オランダが空前の繁栄を誇っていた、いわゆる「黄金時代」。VOCの人々は直接日本まで来て磁器を買うほか、東南アジアの港町で間接的に買うこともあったようです。古伊万里の名品がヨーロッパに渡った、その立役者ではないでしょうか。

(主要参考文献)
スティーブン・ビースティー画『輪切り大図鑑 大帆船』岩波書店
羽田正『興亡の世界史 東インド会社とアジアの海』講談社学術文庫
永積昭『オランダ東インド会社』講談社学術文庫
大橋康二『海を渡った陶磁器』吉川弘文館
大橋康二、坂井隆『アジアの海と伊万里』新人物往来社

ファンレター

世界に繋がっている

あおぞらつばめさん、こんばんは。
最終話まで拝読しました!

五は『三色旗と私』と重なりましたが、それでも違いはもちろんあって、十分楽しむことができました。

そして、時代が移っての六!
これは特に感動しました。当時に比べ、随分と便利で簡単にはなったのだと思いますが、
それでもやっぱり大変だと思うんですよ、物流業界。特に現場は。
そんな物流を支える人々の心を代弁しているかのようなまとめに、心が震えました。

また、現代では、運び屋は運びだけの専門かもしれませんが、そのモノへの愛も欲しいな、とも。

そしてきっと、現代でもこうした出先での恋や子ども問題は多々あって、、とそっちにも思いを馳せました。

といろいろ示唆に富む読後感です。
有り難うございました!


返信(1)

村山さん、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
そして書き手の意図を汲みとって頂き、こんなにうれしいことはありません! そう、これは物流業界で頑張っている人への敬意を込めた作品なのです。物を運んで世界をつなげるのは大変な仕事で、それに見合う評価がなされても良いのではないかと。
ラストまでお読み頂かないとこの部分を理解してもらえない……というのがこの作品の弱さかもしれません(皆さん、途中で挫折してしまうようなんですよ(笑))。改善を目指します。
本当にありがとうございました!