奇譚草紙

[ファンタジー]

176

32,746

50件のファンレター

奇譚――奇妙な味の短篇、あるいは変てこな短い物語を、ほろほろと書いてみようと思います。

※不定期連載です。

ファンレター

右手一、二、三

コケティッシュさとユーモアがある小説。主人公は内心は酷く傷ついていて、妄想を仕立て、妄想に慰めてもらうことで再生するようにも読める。
しかしそれよりも私は、この小説のところどころで心が引っかかり、いろいろ思い出してしまいました。くだらない自分語りですが、昔、つき合っていた人と別れを予感し、その時は淡々と帰ってきたけど、家に着いてから主人公みたいな泣き方をしたこと。また別にショックな出来事があったとき、(右手ならぬ)野良猫親子が住みついて振り回され、子猫の鳴き声が「自分の代わりに泣いている」と感じたこと。
当時は辛かったけど、もうその時とは違う自分になっているし、こうして浸って共感するのは悪くない感覚です。私は本当にお恥ずかしいくらい小説を読んでこなくて、読書ってカタルシスになるのだなぁと実感。それは南ノさんの“腕”があるからこそなんですが。それからお察しの通り、オマージュ元の小説は未読です(汗)(いつも変な感想ですみません)

返信(1)

佐久田さん、いつも本当にありがとうございます‼…小説って文字だけを媒体とするもので、映像も音声もないので、自分の中にあるイメージと、読んで下さった方がイメージしてくださるものとは、もちろんそっくりそのまま同じではないはずですが、佐久田さんが書いて下さった応援コメントを読ませていただく度に、わたしと同じようなイメージ・感覚を、共有・共感していただけているように(勝手ながら)思ってしまうんです。それは、わたしが佐久田さんの『泣き方がわからない(コロナ禍での葬儀と相続)』に描かれた感覚に、共感しまくったからでもあります。表情にあらわさないからって感じていないわけではないし、声に出して言わないからって考えていないわけではないんですよね。私自身、そういうことでなんとなく生きづらさを感じがちだからかもしれませんが…(笑)
身の程知らずのオマージュ元―川端康成の『片腕』ですが、あれは本当にヘンな小説なんですよ。もちろん私のドタバタコメディー(?)とは全然違って、幽玄であやしい美しさの凝縮された名作なんですが、ヘンなことはすごくヘンです^^;…佐久田さん、もし未読でしたら、同じく川端康成の『掌の小説』 (新潮文庫) が、すごくお薦めです。文字通り「掌編小説」を集めたものなんですが、とにかくヘンてこりんで面白いです。これで最後ノーベル文学賞とか受賞したんだから、小説って結局何をどう書いてもいいのかな、とか思っちゃいます(わたしのこの感想、たぶんすごい誤解です…はは!汗)。機会がありましたら、ぜひ~(^^)/