三奈乃の読書日記

[創作論・評論]

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53件のファンレター

わたし――南ノ三奈乃が読んで面白かったと思う本を紹介していきたいと思います。
純文学多めになるかな? ……と思っていたのですが、エンタメもマンガも……もうなんでもありになってきました!
※表紙イラスト/ノーコピーライトガール

ファンレター

深い!

 2011年、辛いことの多い年で災害以外の記憶が余りないのですが、この「苦役列車」だけは覚えています。ちょっと面白そうだなと思って。(でも、購入まではいきませんでした)、「きことわ」という作品も同時受賞していたのは教えていただいて気がつきました。まるで月とすっぽんの作者タイプなのに、その根底に共通点があるなんて!!!と唸りながら読みました。目から鱗が落ちるような切り口です。南ノさんの書評は、きちんと順序立てて丁寧に、そして私の好奇心を掴んだまま結論に向かってくださるので、とても読みやすいです。まだどちらも読んでいませんが、どちらかを読めば、きっともう一作も読んでみたくなる、そんな興味深い分析でした。次回も楽しみです。

返信(1)

不二原さん、お読みいただきありがとうございます!
そうなんですよね、あれは3.11の年でした…。「苦役列車」は当時、かなり話題になりましたよね。実は私は西村さんが芥川賞を受賞する少し前に、偶然『新潮』の何月号だかを買って、受賞作の「苦役列車」ではなく、別な作品なんですけど、やはり同じように北町貫多が主人公の西村作品を読んでいたんです。「今どきこんな私小説を書いている人がいるのか」とびっくりして、またその雑誌に載っていた所謂「現代純文学作品」の中で唯一読めた、というか、読んで意味がわかったのがその作品だけだったことに、二度びっくりしたことを覚えています(笑)
だから当時、「きことわ」の方は、「わからない方の現代文学か~」という先入観でスルーしてしまっていたんですけど、改めて読んでみたら面白かったです。次回は「きことわ」の主題について書いてみたいと思っています。お時間があります時に、また覗いていただけたら大変嬉しいです~(^^)/