有機交流電燈 ダイアローグ

作者 mika

[社会・思想]

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24件のファンレター

☆NEW!!☆第10話、第11話 チャット版にリライトしました。
好奇心旺盛な社会科研究部の仲間たちが語り合う、そんな日常風景をお届けします。
映画、絵本、民話やおとぎ話、音楽、時事的な話題など。

※表紙はAdobe StockからFranzi Drawsさまの作品を使用させていただきました。


ファンレター

一気に読ませていただきました

はじめまして……と思ったら、以前に拙作にファンレターを頂いていたことを思い出しました。その節はありがとうございました。
まとめての感想で恐縮ですが、順に書かせていただきます。

「映画『テネット』」
はじめはこのタイトルに惹かれたのですが、文章も上手いし表現が的確で、私の作文レベルとは雲泥の差……と自分の映画評(感想文)を消したくなりました。(苦笑)
クリストファー・ノーランは2001年の『メメント』公開以来全作品フォローしている一番好きな映画作家です。

「人間にも動物にも魂はない?」
興味深かったです。唯物論者だった父への反発から密教に興味を持ち、「全ての生類に魂がある」という大乗仏教の「一切(衆生)悉有仏性」を信じるに至ったので。父との和解や別れを通して感じたことはあらためてどこかで書かせていただきます。

「音楽のサラダ?」
不勉強で初めて知りました。「ラ・トルーリャ」ほんとに面白い歌曲ですね!

「レオニード・シュワルツマンを偲んで」と「ペレストロイカとエコロジー」
以前一緒に仕事をしていたグラフィック・デザイナーがチェブラーシカの大ファンだったので、ちょっと懐かしく、1本しか観たことがなかったので、紹介してくださった作品も観てみますね。ペレストロイカやグラスノスチ、私の世代にとっては懐かしい言葉ですが、小さなチェブラーシカが民衆の「革命」に少なからず力を貸していたのですね。東ドイツの「革命」にはニーナ・ハーゲン(西に亡命したロック・ボーカリスト)の影響が少なからずあったようですし、文学だけでなく映画やアニメや音楽が民衆の心を動かす力を持つことに私の心も動きます。逆に今のロシアではグラスノスチがどのように行われているのかにも興味を持ちました。

そして最後の2つのエピソードは衝撃でした。
昭和の時代にカルト宗教として統一教会や某宗教団体のことを勉強(研究)していました。
その後、オウム真理教が現れた時にも衝撃を受けましたが、サンクチュアリー教会のことは不勉強でした。
それにしても、そこまでになっていたとは!
カルトが時代に暗い影を落とすと、多くの人が「宗教=悪」と決めつけ、堅実な教会や宗教団体で真面目に信仰している人も白眼視されるようになります。
プロパガンダを展開するつもりはありませんが、信仰はこの世に不要な物でも、必要悪でもないはず。
私たちは謙虚に学び直すべきべきだと痛感しつつ……とりあえずファンレターを終えさせて頂きます。

長くなってしまい、失礼しました。

返信(1)

加藤さん、昨年は録音について詳しく教えてくださり、どうもありがとうございました!! 覚えていてくださって、うれしいです。
加藤さんから大変貴重なお話を伺って、とっても参考になりましたよ^^

その後、ホールでの練習日を利用して、何度か録音のテストをしまして、マイクを立てる位置を変えて音を聴き比べてみました。加藤さんがおっしゃっていた通り、どこにマイクをセットするかで音がずいぶん変わりますね! 1階席の後列中央がもっともバランスが良いというテスト結果が得られ、本番を迎えました。
演奏会(ライブ配信ではないので、正確には録音会)当日、わたしはメンバー全員の演奏に立ち会って、1日がかりで録音しました。
実は、一昨年の演奏会もコロナ禍のため一般公開せず、客席は仲間うちだけでした。昨年は録音するという企画だったせいか、一昨年の演奏会と比べて、皆さんの演奏に緊張感があって、客入りの本番のような良い演奏をされたかたが多かったです!
録音を終えた後は、夫に助けてもらいながらMacBookに取り込み、動画を演奏者ひとりずつ分割してテロップなどを入れる作業をして、なんとか無事にオンライン公開(限定)することができました。今回、一番こだわった音質も満足のいく出来でした~♪
オンライ配信後に出演者の皆さんが、家族や友人と一緒に見ることができて良かった、というメッセージをたくさんくれてですね。
誰かに聴いてもらえる、というのは演奏活動をつづける上で大事なモチベーションのひとつなので、準備期間も含めて大変な仕事でしたが、皆さんに喜んでもらえて、やり遂げて良かったと心から思いました^^ 

さて、今回は『有機交流電燈』をお読みいただき、全話にコメントをくださって、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
加藤さんはクリストファー・ノーラン監督が「一番好きな映画作家」だったのですね^^ わたしの夫もノーラン監督作品が大好きで、『インセプション』と『インターステラー』は特にお気に入りで、何度も繰り返して観ているんですよ。
『テネット』は、まず夫が独りで映画館に観に行き、面白かったから一緒に観ようと誘われて、わたしも後から一緒に観ました。(夫は『テネット』を2回観てる)
監督の最新作は『オッペンハイマー』ですよね。『ダンケルク』につづいて実話に基づいた映画なので、観ようかどうか迷っています。
原爆を美化して描いていたらいやだなぁという気持ちもあり、主演がキリアン・マーフィーだから観たいという気持ちもあり(笑)
『ハイドリヒを撃て』でヨゼフ・ガプチークを演じたキリアン・マーフィーの演技がすばらしかったので、大好きな俳優さんなんです^^
加藤さん、『オッペンハイマー』をご覧になりましたら、ぜひエッセイで取り上げてくださいね!

加藤さんのお仕事仲間が「チェブラーシカ」の大ファンだったのですね♪
「文学だけでなく映画やアニメや音楽が民衆の心を動かす力を持つ」というお言葉、おっしゃる通りだと思います! ソビエト時代のエコロジー運動について調べてみて、これほど多くの人々が逮捕・投獄を恐れず、抗議の声を上げていたという事実に驚くとともに、勇気をもらえたのでした。
残念ながら、ロシア国内の情報公開のレベルはペレストロイカ時代よりも低下していると言えます。
2000年以降、独立系のテレビや新聞が閉鎖され、マスコミの自主検閲が行われるようになって、野党系の政治家は「グラスノスチの時代はプーチン大統領の時代に終わった」と主張しているそうです。
ただ、多くの政治アナリストは、インターネットによって「グラスノスチ2」が始まったと言っているので、希望の芽はありそうです。

最後にサンクチュアリ教会について。ご紹介したドキュメンタリーは、統一教会の成り立ちから何が問題なのか、教団の分裂とサンクチュアリ教会の誕生まで分かりやすくまとまっていて、大変おすすめの番組です。
実際の映像と当事者たちの証言、専門家の解説だけで構成されていて、視聴者の不安を過剰にあおるような演出もなく、事実がありのままに理解できて良かったです。
あの安倍元首相の事件がなければ、このドキュメンタリーを観ようと思わなかったし、サンクチュアリ教会の名前も知らないままだったでしょう。暴力でもって衆目を集める手段をとったのはやはり間違いだったと思いますが、過剰すぎる献金の実態を知ってほしい、という当事者家族の切実な気持ちはよく分かりました。
最近、カルト信者の救出についての心理学論文も読んでみたのですが、家族が無理やり脱会させようとしても難しいし、社会に適応できるまでには何年もかかるのだそうです。
教団内部でも救出活動について警戒しているので、信者に偽装脱会させて、家族の隙をついて保護を抜け出し、教団に戻ってくるよう指導しているのだとか。
当事者自身がおかしいと気づいて、抜け出したいと思わないかぎり、「救出」しようとする家族や支援者は、当事者にとっては、信仰を無理やり奪おうとする「敵」という認識になってしまいます。
過剰な献金の問題も同様で、ご本人は自分の幸福追求のために自発的に献金しているので、当事者にとっては正しい振る舞いなんですよね。現世的幸福よりも来世的幸福(天国での永遠)の方が大事だと信じていれば、自己破産してもかまわないと思ってしまうのかも……。
現世的幸福はどうでもいい、と思ってしまえるような心理状態であること、仕事や家庭や人間関係に不安や苦しみや疲労を抱えていることがそもそもの問題だと思うので、適切な時期に適切な治療にアクセスできる環境であったらよかっただろうに、と思えてなりません。
加藤さんのおっしゃる通り、この件については、わたしも引き続き学んでいきたいと思います。

丁寧なお便りをどうもありがとうございます^^ 引き続きよろしくお願いいたします。