桐一葉

作者 桐乃桐子

[日記・個人ブログ]

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57件のファンレター

梧桐一葉落天下盡知秋

(アオギリの一葉が落ちて天下の秋を知らせる。)

ファンレター

27話

私は、“現実”はフィクションを遙かに凌駕するものだと思っています。今回の話はそれを証明する形になりました。
しのちゃんは未成年のうちに、次から次へと理不尽な目に遭わされている。えぐられるような出来事が降りかかったときは、一瞬、人は凍りつくような“凪”に襲われるような気がするのです。その後は暴風雨が襲いかかるのですが。淡々とした語り口になんとなくそんな風に思いました。そして押さえつけた静かな水面の下に渦巻く、言葉にできないような感情も。
そんな暴力的な数々の“現実”が、しのちゃんを一気に大人にしてしまったようで、胸が詰まります。しのちゃん、未成年で出家したみたいになっている。(涙)お父さんの親族や前の奥さんの立場まで、慮っている。自暴自棄にならずに自分の人生を咀嚼して、そして感謝している。(またまた涙)
本当に“お父さん”と幼馴染みがいてくれてよかった……。
桐乃さんの文章はいつも平素な言葉で深いことを語っていて、何度も読み直したくなります。辛い現実をどこか達観し、俯瞰で見ることによるそこはかとないユーモアも忍ばせていて、それがとても胸に響くのです。私はそれが大好き。陳腐な言葉ですが、感動しました。

返信(1)

佐久田さん、ありがとうございます。
事実は小説よりも奇なり、といいますよね。自分の半生がそうなのかはわかりませんが、すくなくともわたしの母親はふつうではないな、と思います(^^;)
そう、ほんと、そんなかんじです。いったいなにが起きたのか理解できず、思わず硬直してしまいます。そのあとにやってくるのは、絶望。
先日お話ししました『夕凪の街 桜の国』の『夕凪の街』のなかで、主人公の皆実が、表面上は穏やかに暮らしているそぶりを見せながらも、胸のうちでは灼けつくような途方もない絶望を抱えて生きていた描写に、わたしなどとはとても比べものにならないと承知しながらも、このかんじ、わかる気がする、とひどく胸をつかれました。
あ、すごい、佐久田さんのおっしゃるとおりです。出家とまではいきませんが(煩悩だらけなので;)、あとは余生、と思って生きております。
なんでしょう。たぶん、人見知りというより、人間不信なのかもしれません。なにもかもを疑ってかかるというわけではないのですが、無条件にだれかを信じることが難しいのです。
拙作の『恋文の顛末』に出てくる山科、彼の感覚に近いかもしれません。
佐久田さんはいつも、わたしの思っていることをさらっと言語化してくださって、なんでこんなにわたしの考えていることが伝わるんだろう、とびっくりします。波長が合うのでしょうか。うれしいです(*´ノ∀`*)
そして、過分なおことば、恐縮です(>_<)
佐久田さんにそういっていただけてうれしいです。
いつもあたたかいおことばをありがとうございます。

【追伸】
『ホラーSFコメディ?反ワクチン派の生き残った世界』毎回、興味深く拝見しております。
副反応の残滓、そろそろ治まったでしょうか。お仕事もあるかと思いますが、無理せず、ゆっくり横になって休んでくださいね。
こちらは、いまのところなんとか豪雨の被害もなく過ごせております。今週いっぱい、まだ油断はできませんが。
ご心配いただいてありがとうございます(*^^*)