桐一葉

作者 桐乃桐子

[日記・個人ブログ]

196

54,660

57件のファンレター

梧桐一葉落天下盡知秋

(アオギリの一葉が落ちて天下の秋を知らせる。)

ファンレター

49話「生理の貧困」

「生理の貧困」
読ませていただきました。

わたしなどなにもしていないのに、あんな形で名前を出してくださって恐縮です。

いつも以上に静かなのに迫力のある文章に圧倒されました。

わたしは以前、公立学校に勤務していました。大変な事情を抱えた子も多い学校で、世間知らずだったわたしは初めて知る社会や生活の実態をいくつも目の当たりにしました。
そのときに「人の事情は計り知れない」ということを身に染みて学べたことは、自分にとって大きなことだったと思います。

想像力の欠如が、「辛い」「助けて」と声を上げられない人を端に追いやり、絶望の底に突き落とします。

「自分がその立場だったら」と想像してみること。あらゆる角度からものを眺めてみること。
わたし自身まだまだ足りていません。そして自分が恵まれた立場にいるときはつい、人を簡単に非難してしまいます。

でも想像力というものがどれだけ人や社会を救うか、これは文章を書いたり読んだりすることを趣味としている者として声を大にして社会に伝えていかないといけないことではないかな、と思います。

桐乃さんの今回のお話を一人でもたくさんの方に読んでほしい。
そう思いました。

「保健」などの授業で学んでいても、まだ自分の身に起きていないことになかなか実感はわかない。
突然出血が始まり肌着が汚れる、場合によっては衣服まで汚れてそれが他の人の目に触れてしまう。
10代の女子にとっては衝撃的なことです。
ある年齢になったらそういうことが体に起こること、それは恥ずかしいことでもけがらわしいことでもなくて、順調な体の変化であること、そしてどのように対処すればいいか、とても便利なものがたくさんあること、使用後の始末、、、教えてほしいことはたくさんあります。
それを家庭で教われる子はいい。
そうじゃない子はどうすれば……?
どれだけ困るだろう。
訳もわからないことが突然起きて、病気じゃないかと驚いたり、からかわれて恥ずかしい思いをしたり。
逆になかなか生理が来なくて悩む子もいるだろうと思います。
様々な不安や困りごとを、なんらかの形でサポートするシステムが自然にあればいいな、と思います。
それを、女子だけではなく男子も自然に学べる環境があれば尚いいと思います。
恥ずかしいことではない。自然なこと。
でも放置されると困る子がたくさんいるのが現実なのだろうと思います。

返信(1)

しおむすびさん、その節はありがとうございます。
お返事が遅れて申し訳ございません。

以前、しおむすびさんから教えていただいた、
「平等というのはスタートを平等にすることではなく、結果を平等にすること」
というお言葉、わたしの心にもズシンと響きました。

まったく知らないことを想像する、というのは難しいけれど、相手の立場に立ってみて、もし自分がその状況に置かれたらどんな気持ちになるか、と考えてみる(想像する)のは、すごく大事なことだと感じています。
全然知らない赤の他人のことを想像するのは難しいかもしれないけれど、たとえばもし身近にいる自分の友人が困難な状況にあったとしたら、なにか力になれることはないだろうかと考えてみたり、たとえなにもできなくても相手を否定せず、気持ちに寄り添うことはできますよね。
「どこかのだれかの話」ではなく「いま、ここで」起きていることだと認識するだけでも、自分と世界との関わり方は変化するのではないかと思います。

いま手許にはないのですが、梨木香歩さんの『村田エフェンディ滞土録』という作品の、たしかカバーに書かれていた言葉で、
「私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁な事は一つもない」
というものがありました。元はテレンティウスというひとの言葉だったと思うのですが、ものすごく刺さりました。

「想像力というものがどれだけ人や社会を救うか、文章を書いたり読んだりすることを趣味としている者として声を大にして伝えていかないといけないのでは」
というしおむすびさんのお言葉、とても共感しました。
わたしには苦境に立つひとを直接救えるような力はありませんが、今回のテーマで書いた文章を思いがけずたくさんの方々に読んでいただけたようで、びっくりしておりますし、とてもありがたいことだなと思っております。
しおむすびさんや佐久田さん、そして読んでくださった方々に感謝の気持ちをお伝えしたいです。ありがとうございます。

保健の授業でひととおり教えてもらったことは予備知識としてすごく役に立ちましたが、その後、毎月生理と付き合っていく過程で、これってどうしたらいいんだろうとか、これって普通なのかなとか不安になったときに、身近に相談できるひとがいてくれたら、心身の負担はだいぶ軽減するのではないかなと感じています。

いつもありがとうございます(*´ω`*)