第二話:悪魔さんとぼっち生活(1)

文字数 545文字

 誰にも愛されることなく朽ち果てていくんだと思っていた。
 幼い時分に家族を無くし、引き取られた祖父の家。
 変わり者の魔法使いだった彼の家は、古い蔵の中にガラクタ同然のマジックアイテムを溜め込んでいた。

 曰く、飲んだ者は恋に落ちるが、必ず死んでしまう劇薬。
 曰く、魔力を極限まで高めるが、沈黙状態に陥ってしまうローブ。
 曰く、聖霊と会話ができるが、人間の言葉が分からなくなってしまう鎧。
 欠陥品だらけの品々に隠れて、祖父が後生大事に保管していたアイテムがあった。

 
 
 ――――"スレイマンの笛"。
 
 
 曰く、悪魔を使役する際に使うマジックアイテムで、これを使えば我儘な悪魔の言うことを聞かせられるといったものだった。
「いつか、君にも素敵な悪魔が訪れることだろう……」

 死ぬ間際にそう言い残して祖父は僕にその笛を渡してくれた。
 かつて祖父もこの笛を使って悪魔と契約を交わしたのだろうか。
 死んでしまった彼の魂が悪魔に奪われたのか、それとも天界に導かれたのか、それは分からない。
 
 だが、僕に一つだけ言えるのは―――
 
「本当に一人になっちゃったな」
 がらんどうになった祖父の家を売り払い、僕はいくばくかのお金を得た。
 そのお金で、かつて祖父が教師をやっていた――エーテル魔導学園への入学を決めた。
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登場人物紹介

メフィスト・ヨハン・フェレス3世

本作のヒロイン。悪魔ロリっ娘です。純粋なロリにしたくなかったので、普通のロリよりは成長してイメージ。中学一年生くらいの感じです。アホで可愛くて、調子乗るバカで、たまに真面目で根はいいやつです。家族大好き、悪魔大好き、パワーはそこそこあります。

夜森明人《やもりあきひと》

本作の主人公です。どこにでもいる高校生です。ただ家族が誰もおらず、友達恋人もいないぼっちです。自分では自らのことをコミュ障だと思ってるようですが、メフィストとあんだけ喋れればコミュ障ではないだろと思います。ATフィールドを張るタイプ。ぶっちゃけ養って欲しい。

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