第三話:悪魔さんと初めての出会い(1)

文字数 376文字

魔法陣の中央は奇怪な蠢きを伴った。
 狗の如き容貌とも言える。
 樺の如き容貌とも言える。
 鬼か、蛇か、四大聖霊の魔法陣に阻まれているのか、かの邪悪は飛び出すこと無く蠢いている。
(――――そうだ、笛を……)

  
 続けねば。
 
 
異形に見惚れてとめていた演奏を再開する。
 メロディは先刻と異なり、荘厳な響きを伴い世界に浸透してゆく。
 メロディは先刻と異なり、荘厳な響きを伴い世界に浸透してゆく。
 蠢きはそれに合わせるかの様にゆっくりと動きを止め、一つの"カタチ"へと収束する。
 
 
(悪魔が……)
 
 
(悪魔が……顕現、するっ!)
 やがて蠢きは完全に動きを停止し、人形となってその場に留まった。
 空を見ると、先ほどまで失われていた月が元に戻っている。
 僕は笛を吹くのをやめて、改めて魔法陣を見ると、
 
 
 
 
「…………」
 
 
 
 ――――そこには体育座りの少女がいた。
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登場人物紹介

メフィスト・ヨハン・フェレス3世

本作のヒロイン。悪魔ロリっ娘です。純粋なロリにしたくなかったので、普通のロリよりは成長してイメージ。中学一年生くらいの感じです。アホで可愛くて、調子乗るバカで、たまに真面目で根はいいやつです。家族大好き、悪魔大好き、パワーはそこそこあります。

夜森明人《やもりあきひと》

本作の主人公です。どこにでもいる高校生です。ただ家族が誰もおらず、友達恋人もいないぼっちです。自分では自らのことをコミュ障だと思ってるようですが、メフィストとあんだけ喋れればコミュ障ではないだろと思います。ATフィールドを張るタイプ。ぶっちゃけ養って欲しい。

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